米半導体株が反発も、イラン情勢と金利上昇で日本株は慎重姿勢
| コード | 銘柄 | 方向 | コメント |
|---|---|---|---|
| - | NVIDIA | 順張り | 3.85%上昇し一目均衡表の雲中まで回復。中国がH200の国内主要AI企業への購入を許可する方針との報道が上昇の契機となった。雲上限・基準線到達が次の節目。 |
| - | ブロードコム | 順張り | 5.22%上昇。AppleがブロードコムとAI・半導体部品の長期供給契約を締結したと報じられ、業績拡大期待から買われた。雲中での推移をキープできるかが焦点。 |
| - | 東京エレクトロン | 逆張り | 前日3.05%安で25日移動平均線を割り込み、同線乖離率マイナス4%。信用買い残の量がここ数カ月で最も多い水準で需給が重たい。25日線・7万円回復が反発の条件。 |
| - | アドバンテスト | 逆張り | 前日4.68%安で数日前から25日線を割り込んだまま。下落で信用買い残が増加し需給はやや重たい。PTS2万8,000円台で推移しており3万円超えの勢いが復活の目安。 |
| - | ファーストリテイリング | 中立 | 現在、日経平均への寄与度が最も高い銘柄。高値圏をキープし25日線乖離率+5.81%で本日引け後に第3四半期決算発表を控える。高値圏での決算は売り材料になる可能性もあり注意。 |
| - | 三菱UFJ | 順張り | 日米の長期金利上昇を追い風に時価総額ランキングで2位に浮上。金利上昇局面での恩恵銘柄として存在感が増している。 |
米半導体株が反発:上昇の背景と日本株への波及
7月9日の日経平均株価は前日比1,437円安(-2.11%)と続落し、6万6,000円台に突入した。一時プラス圏に浮上する場面もあったものの安値引けとなり、下落基調の強まりが鮮明になってきている。
一方、米国市場では半導体株が反発した。SOX(フィラデルフィア半導体株指数)は2.23%の上昇、NVIDIAは3.85%高、ブロードコムは5.22%高となった。この反発の直接的な要因は2つある。1点目は中国が国内の主要AI企業に対しNVIDIAの「H200」購入を認める方針との報道で、NVIDIAの業績拡大期待につながった。2点目はAppleがブロードコムとAI・半導体部品の長期供給契約を締結したと伝わり、同社への安定的な売上貢献が見込まれる点だ。
下落を引き起こすリスク要因
NYダウは1%超の下落、S&P500も続落した。売り材料はイラン情勢の悪化だ。トランプ大統領が停戦の打ち切りを宣言し、米国がイランへの攻撃を実施したと報じられると、原油先物が7%近く急騰。インフレ再燃懸念が高まり、FRBによる利上げを警戒する声が増えて長期金利が4.563%まで上昇した。VIXは一時18.91まで上昇し、市場の不安心理が高まった。
FOMC議事要旨(日本時間午前3時公表)は「物価が高止まりするなら引き締めが必要」との見方が多数を占めるタカ派的な内容だったが、公表後の相場への影響は限定的で、おおむね想定内の結果だったとみられる。
日経平均のテクニカル:基準線と25日線が焦点
日経先物は700〜800円高で推移しているものの、一目均衡表の基準線(約6万7,500円付近)を明確に超えられるかどうかが当面の節目となる。さらにその上には25日移動平均線(6万8,607円)があり、基準線よりも1,000円以上高い水準に位置しているため、本格的な戻りを確認するにはこの2つの水準突破が必要だ。
また、日本の半導体・AI関連株は韓国コスピとの連動性が極めて高くなっており、コスピの動向を常にチェックしておく必要がある。
日経構成銘柄の注目ポイント
東京エレクトロンは25日線乖離率がマイナス4%で推移しており、信用買い残の量がここ数カ月で最も多い水準にある。需給の重さから25日線・7万円の回復が反発の鍵を握る。アドバンテストも25日線を下回ったまま信用買い残が増加し、PTS(私設取引システム)では2万8,000円台にとどまる。3万円超えの勢いが出てこなければ復活とは言い難い状況だ。
一方、現在の日経平均への寄与度が最も高い銘柄はファーストリテイリングとなっている。高値圏をキープし25日線乖離率は+5.81%で推移しているが、本日引け後に第3四半期決算発表を控えており、高値圏での決算は「出尽くし売り」になるリスクも内包している。この決算の結果が翌日の日経平均全体に影響を及ぼす可能性があるため、特に注目したい。
日米金利上昇が示す構造的な逆風
日本の長期金利は数十年ぶりの高水準に達しており、金利上昇の恩恵を受ける三菱UFJなどの銀行株の時価総額が上昇する一方、グロース株・ハイテク株への逆風は続く見通しだ。半導体関連の好材料と、イラン情勢・金利上昇という悪材料が交錯する中、当面は慎重なポジション管理が求められる局面となっている。