保有銘柄の月次点検(配当目線)

【2026年10月点検】東ソー(4042)はホールドで大丈夫?配当目線で下限100円・総還元50%・減損をチェック

点検日 2026/10/20(火)   化学   配子(はいこ)
配子配子
こんにちは、配子です。今日は東ソーを点検します。塩ビや苛性ソーダなどの基礎の化学品から、半導体の材料や水処理まで手がける化学会社ですね。10月に足した20銘柄のひとつで、少しずつ買いはじめたところです。夫は持っていない、わたしだけの銘柄です。見るのは「この配当、これからも続くのかしら」だけです。
ブルブル
配子さん、東ソーは「年100円が下限」って決めてるんだぜ! 第1四半期は営業利益がほぼ2倍だ!
ベアベア
でも前の期は減損で純利益が416億円まで落ちて、配当性向は75%だったの。化学は市況で利益が大きくぶれるよね…。
ブルブル
今期は590億円に戻る予想だ! 配当性向も5割くらいに下がるぜ!
配子配子
第1四半期の大きな増益に、一時的なものが入っていないかも気になりますね。順に見ていきましょう。結論は先に書いておきます。
判定:◎ 安心してホールド 2026年10月の点検
  • 今期の配当予想は年100円(中間50円・期末50円)で、前期と同じ。会社は中期経営計画(2025〜2027年度)で、総還元性向50%を目安にし、年100円を下限にしている。併合を調整すると2015年3月期から減配はない
  • 前期は減損で純利益が416億円に落ち、配当性向は75.5%。今期は590億円の予想で、配当性向は約52%に戻る。第1四半期は純利益195億円(約3倍)で、通期予想の33%まで進んだ
  • 自己資本比率は59.0%、前期のフリーキャッシュフローは424億円のプラスで、配当(年300億円ほど)をまかなえる。第1四半期の増益には、原料の値上がりによる一時的な在庫の利益が入っている点は割り引いて見る
保有株数
0.0381株
取得単価
2,622円
年間配当(予想)
4円
取得単価に対する利回り
3.81%
参考:評価額 97円・含み損益 −3円(判定には使っていません)。保有データは /haiko と同じで、毎営業日自動で更新されます。

ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。

1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか

項目2024年3月期2025年3月期2026年3月期今期予想(8月修正後)
売上高1兆56億円1兆633億円1兆199億円1兆1,700億円
営業利益798億円989億円955億円1,050億円
純利益573億円580億円416億円590億円
営業キャッシュフロー1,170億円1,062億円1,146億円—
自己資本比率61.6%62.3%59.0%—

東ソーは、塩ビや苛性ソーダ、エチレンなどの基礎の化学品と、半導体の材料や診断薬、子会社のオルガノが手がける半導体工場向けの水処理などの高機能な事業を持っています。基礎の化学品は原料や市況で利益がぶれますが、高機能な事業が稼ぎを支えています。

前期(2026年3月期)は、アメリカの子会社(トーソー・SMD)の設備の減損で純利益が416億円に落ちました。本業の営業利益は955億円と、ほぼ前の期並みです。減損は帳簿の上の損失で、現金が出ていくものではありません。

ブルブル
半導体の材料と水処理が伸びてるんだぜ! 市況だけの会社じゃないんだ!

2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?

9月下旬から10月20日までに、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、大きな事故といった目立った悪材料はありませんでした。10月には、細胞の培養や薬の精製に使う製品の展示会への出展など、バイオの分野の動きがありました。

なお、ネットで見かける「減益・減配の予想」「DOE9%」といった話は、名前の似た別の会社(トーソー、5956・カーテンレールなど)のもので、東ソー(4042)の話ではありません。

3. 金利の影響 ― 借入は増えたが財務は厚い

有利子負債は2025年3月期の約1,791億円から2026年3月期は約2,289億円に増えました。日銀の利上げで利息は増えますが、自己資本比率は59.0%、現金は1,766億円あり、本業の営業キャッシュフローは毎年1,000億円を超えています。金利が配当を削るおそれは小さいと見ています。

4. 為替の影響 ― 円安はプラス

海外の売上は約半分なので、円安なら利益が増え、円高なら減ります。大きな円高になれば利益は下がりますが、今期の予想の配当性向は約52%で、下限の100円もあるので、為替だけで減配に追い込まれる形ではありません。

5. 地政学の影響 ― 原料のナフサ

中東の情勢で、4〜6月の国産ナフサの値段は前の年より大きく上がりました。原料が上がると、手元の在庫の値打ちが上がり、帳簿の上の利益(在庫の評価益)が出ます。第1四半期の大きな増益には、この一時的な利益が入っています。

原料が高いまま続くと、製品に値上げを転嫁できない分、基礎の化学品のもうけは細ります。半導体の材料や水処理の稼ぎがそれを補えるかを見ていきます。

ベアベア
第1四半期の大きな増益には、原料の値上がりの分も入っているんだね。そこは割り引いて見ないと。

6. 決算見通し ― 第1四半期で3分の1

項目今期(2027年3月期)の会社予想第1四半期の実績(4〜6月)進み具合(例年)
売上高1兆1,700億円2,742億円(+11.8%)23.4%(24%前後)
営業利益1,050億円312億円(+93.9%)29.7%(14〜34%)
純利益590億円195億円(+198%)33.0%(16〜47%)

8月4日に通期の予想を修正し、利益の進み具合は例年の範囲のなかでも高いほうです。次の中間決算の発表は2026年11月5日の予定です。

7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事

配当方針中期経営計画(2025〜2027年度)で、配当と自社株買いを合わせた総還元性向50%を目安にし、1株あたりの年間配当は100円を下限とする
配当の推移併合(2017年10月に2株→1株)を調整した1株あたりで、2020年3月期 56円 → 2021年3月期 60円 → 2022年3月期 80円 → 2023年3月期 80円 → 2024年3月期 85円 → 2025年3月期 100円 → 2026年3月期 100円 → 今期予想 100円(中間50円・期末50円)。2015年3月期から減配はない
配当性向2025年3月期 54.9% → 2026年3月期 75.5%(減損のため)。今期は予想の1株利益191.63円に対して約52%
現金の流れ2026年3月期の営業キャッシュフローは1,146億円、フリーキャッシュフローは424億円のプラス。2023年3月期だけマイナス(−950億円)
財務の余力自己資本比率 59.0%・現金 1,766億円・有利子負債 2,289億円(2026年3月末)
ベアベア
100円で2年続けて据え置き。増配はしばらくないのかな…。
配子配子
増配の勢いは落ち着いていますね。でも、減損で利益が落ちた年も100円を守りましたし、会社は100円を下限と決めています。財務も厚く、フリーキャッシュフローで配当を払えています。わたしは「減配したら売る」と決めていますが、今のところその心配は小さいと見ています。
ブルブル
利益が戻れば、総還元50%の分で自社株買いや増配もありえるってことだな!

配子の判断:ホールドで安心か

◎ 安心してホールド(継続)
  1. 下限の約束がある。年100円を下限、総還元性向50%が目安。減損で利益が落ちた前期も100円を守った
  2. 財務とお金の流れに余裕がある。自己資本比率59.0%、前期のフリーキャッシュフローは424億円で配当を上回る
  3. 利益は戻る見込み。今期の純利益は590億円の予想で、配当性向は約52%。第1四半期の増益には一時的な在庫の利益も入るので、中間決算で中身を確かめる

東ソーは、市況でぶれる化学品と、伸びる高機能な事業を合わせ持つ会社です。100円の下限があり、財務も厚いので、配当の安心感はあります。中間決算で、在庫の一時的な利益を除いた本業の稼ぎを見ます。

次の点検で見ること
  • 2026年11月5日の中間決算:純利益590億円と、年100円の配当予想が保たれるか
  • 在庫の評価益を除いた本業の利益(半導体の材料・水処理)が伸びているか
  • 中東の情勢による原料の値上がりを、値上げで吸収できているか

よくある質問

東ソーは減配したことがありますか?
株式併合を調整した1株あたりの年間配当は、2015年3月期以降、前の期を下回ったことはありません(据え置きの年はあります)。今の中期経営計画では年100円を下限としています。将来を約束するものではありません。
東ソーの配当はいつ、いくらもらえますか?
2027年3月期の予想は年100円(中間50円・期末50円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
東ソーとトーソーは同じ会社ですか?
違う会社です。東ソー(4042)は化学品のメーカー、トーソー(5956)はカーテンレールなどのインテリア製品のメーカーです。この記事は東ソー(4042)の点検です。
ベアベア
100円の下限は心強いね。在庫の利益を除いた本当の稼ぎを、次に見よう。
配子配子
そうですね。今月の東ソーは◎ 安心してホールド。11月5日の中間決算で、もう一度見ますね。

出典

  • 東ソー「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-08-04)・業績予想の修正・2026年3月期 決算短信
  • 東ソー 中期経営計画(2025〜2027年度)
  • IRBANK「東ソー(4042)の業績」 https://irbank.net/4042/results ・「四半期」 https://irbank.net/4042/quarter ・「配当」 https://irbank.net/4042/dividend

この記事は点検日(2026年10月20日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。

この点検について
毎月1回、配当目的で持っている銘柄に「配当を脅かすニュース」が出ていないかを確かめています。見るのは株価ではなく、配当が続くか・増えるか・減るか。
◎ 安心 配当は守られ、増配も見込める
〇 大丈夫 配当は守れる見込み。気になる点を次の決算で見る
△ 様子見 配当が減るおそれ。買い増しはせず、代わりも探す
× 見直し 減配が決まった・ほぼ確実。売りも考える
免責:当ページは運営者「株人(かぶと)」が保有銘柄を点検した記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。 点検日時点の情報にもとづきます。投資判断はご自身の責任で行ってください。