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配子- 今期の配当予想は年100円(中間50円・期末50円)で、前期と同じ。会社は中期経営計画(2025〜2027年度)で、総還元性向50%を目安にし、年100円を下限にしている。併合を調整すると2015年3月期から減配はない
- 前期は減損で純利益が416億円に落ち、配当性向は75.5%。今期は590億円の予想で、配当性向は約52%に戻る。第1四半期は純利益195億円(約3倍)で、通期予想の33%まで進んだ
- 自己資本比率は59.0%、前期のフリーキャッシュフローは424億円のプラスで、配当(年300億円ほど)をまかなえる。第1四半期の増益には、原料の値上がりによる一時的な在庫の利益が入っている点は割り引いて見る
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 今期予想(8月修正後) |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆56億円 | 1兆633億円 | 1兆199億円 | 1兆1,700億円 |
| 営業利益 | 798億円 | 989億円 | 955億円 | 1,050億円 |
| 純利益 | 573億円 | 580億円 | 416億円 | 590億円 |
| 営業キャッシュフロー | 1,170億円 | 1,062億円 | 1,146億円 | — |
| 自己資本比率 | 61.6% | 62.3% | 59.0% | — |
東ソーは、塩ビや苛性ソーダ、エチレンなどの基礎の化学品と、半導体の材料や診断薬、子会社のオルガノが手がける半導体工場向けの水処理などの高機能な事業を持っています。基礎の化学品は原料や市況で利益がぶれますが、高機能な事業が稼ぎを支えています。
前期(2026年3月期)は、アメリカの子会社(トーソー・SMD)の設備の減損で純利益が416億円に落ちました。本業の営業利益は955億円と、ほぼ前の期並みです。減損は帳簿の上の損失で、現金が出ていくものではありません。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月下旬から10月20日までに、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、大きな事故といった目立った悪材料はありませんでした。10月には、細胞の培養や薬の精製に使う製品の展示会への出展など、バイオの分野の動きがありました。
なお、ネットで見かける「減益・減配の予想」「DOE9%」といった話は、名前の似た別の会社(トーソー、5956・カーテンレールなど)のもので、東ソー(4042)の話ではありません。
3. 金利の影響 ― 借入は増えたが財務は厚い
有利子負債は2025年3月期の約1,791億円から2026年3月期は約2,289億円に増えました。日銀の利上げで利息は増えますが、自己資本比率は59.0%、現金は1,766億円あり、本業の営業キャッシュフローは毎年1,000億円を超えています。金利が配当を削るおそれは小さいと見ています。
4. 為替の影響 ― 円安はプラス
海外の売上は約半分なので、円安なら利益が増え、円高なら減ります。大きな円高になれば利益は下がりますが、今期の予想の配当性向は約52%で、下限の100円もあるので、為替だけで減配に追い込まれる形ではありません。
5. 地政学の影響 ― 原料のナフサ
中東の情勢で、4〜6月の国産ナフサの値段は前の年より大きく上がりました。原料が上がると、手元の在庫の値打ちが上がり、帳簿の上の利益(在庫の評価益)が出ます。第1四半期の大きな増益には、この一時的な利益が入っています。
原料が高いまま続くと、製品に値上げを転嫁できない分、基礎の化学品のもうけは細ります。半導体の材料や水処理の稼ぎがそれを補えるかを見ていきます。
ベア6. 決算見通し ― 第1四半期で3分の1
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想 | 第1四半期の実績(4〜6月) | 進み具合(例年) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆1,700億円 | 2,742億円(+11.8%) | 23.4%(24%前後) |
| 営業利益 | 1,050億円 | 312億円(+93.9%) | 29.7%(14〜34%) |
| 純利益 | 590億円 | 195億円(+198%) | 33.0%(16〜47%) |
8月4日に通期の予想を修正し、利益の進み具合は例年の範囲のなかでも高いほうです。次の中間決算の発表は2026年11月5日の予定です。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 中期経営計画(2025〜2027年度)で、配当と自社株買いを合わせた総還元性向50%を目安にし、1株あたりの年間配当は100円を下限とする |
|---|---|
| 配当の推移 | 併合(2017年10月に2株→1株)を調整した1株あたりで、2020年3月期 56円 → 2021年3月期 60円 → 2022年3月期 80円 → 2023年3月期 80円 → 2024年3月期 85円 → 2025年3月期 100円 → 2026年3月期 100円 → 今期予想 100円(中間50円・期末50円)。2015年3月期から減配はない |
| 配当性向 | 2025年3月期 54.9% → 2026年3月期 75.5%(減損のため)。今期は予想の1株利益191.63円に対して約52% |
| 現金の流れ | 2026年3月期の営業キャッシュフローは1,146億円、フリーキャッシュフローは424億円のプラス。2023年3月期だけマイナス(−950億円) |
| 財務の余力 | 自己資本比率 59.0%・現金 1,766億円・有利子負債 2,289億円(2026年3月末) |
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ブル配子の判断:ホールドで安心か
- 下限の約束がある。年100円を下限、総還元性向50%が目安。減損で利益が落ちた前期も100円を守った
- 財務とお金の流れに余裕がある。自己資本比率59.0%、前期のフリーキャッシュフローは424億円で配当を上回る
- 利益は戻る見込み。今期の純利益は590億円の予想で、配当性向は約52%。第1四半期の増益には一時的な在庫の利益も入るので、中間決算で中身を確かめる
東ソーは、市況でぶれる化学品と、伸びる高機能な事業を合わせ持つ会社です。100円の下限があり、財務も厚いので、配当の安心感はあります。中間決算で、在庫の一時的な利益を除いた本業の稼ぎを見ます。
- 2026年11月5日の中間決算:純利益590億円と、年100円の配当予想が保たれるか
- 在庫の評価益を除いた本業の利益(半導体の材料・水処理)が伸びているか
- 中東の情勢による原料の値上がりを、値上げで吸収できているか
よくある質問
- 東ソーは減配したことがありますか?
- 株式併合を調整した1株あたりの年間配当は、2015年3月期以降、前の期を下回ったことはありません(据え置きの年はあります)。今の中期経営計画では年100円を下限としています。将来を約束するものではありません。
- 東ソーの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 2027年3月期の予想は年100円(中間50円・期末50円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- 東ソーとトーソーは同じ会社ですか?
- 違う会社です。東ソー(4042)は化学品のメーカー、トーソー(5956)はカーテンレールなどのインテリア製品のメーカーです。この記事は東ソー(4042)の点検です。
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配子出典
- 東ソー「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-08-04)・業績予想の修正・2026年3月期 決算短信
- 東ソー 中期経営計画(2025〜2027年度)
- IRBANK「東ソー(4042)の業績」 https://irbank.net/4042/results ・「四半期」 https://irbank.net/4042/quarter ・「配当」 https://irbank.net/4042/dividend
この記事は点検日(2026年10月20日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。