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配子- 今期の配当予想は年80円(中間40円・期末40円)で、3年続けて同じ。分割を調整すると2015年3月期から減配はない。配当性向は今期の予想で約53%
- 財務は厚い。自己資本比率は76.9%、現金は2,370億円。前期のフリーキャッシュフローは970億円で、配当(年380億円ほど)を十分まかなえる
- 心配は数年先。売上の過半を稼ぐオプジーボの特許が2028年に米国、2030年に欧州、2031年に日本で切れる予定。会社の方針は「安定した額」で、減らさないという約束(累進配当)はない
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 今期予想 |
|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 5,027億円 | 4,869億円 | 5,158億円 | 4,550億円 |
| 営業利益 | 1,599億円 | 597億円 | 922億円 | 940億円 |
| 純利益 | 1,280億円 | 500億円 | 698億円 | 710億円 |
| 営業キャッシュフロー | 1,107億円 | 825億円 | 1,368億円 | — |
| 自己資本比率 | 86.8% | 73.5% | 76.9% | — |
小野薬品は、がんの免疫の薬オプジーボをはじめとする医薬品の会社です。オプジーボに関係する収入が売上の半分以上を占めています。2024年にはアメリカの製薬会社デサイフェラを約24億ドルで買い、欧米で自社の薬を売る体制をつくりました。
利益は2024年3月期の1,280億円から2025年3月期は500億円に落ち、前期は698億円に戻りました。今期は、糖尿病の薬フォシーガを他社と一緒に売る契約が終わったため、売上は約12%減る予想ですが、利益は前期並みの見込みです。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月下旬から10月20日までに、業績の下方修正、減配の示唆、大きな減損、不祥事といった目立った悪材料は見当たりませんでした。
7月末の第1四半期決算では、通期の予想と年80円の配当予想を据え置いています。
3. 金利の影響 ― 小さい
デサイフェラの買収で借入が増え、有利子負債は1,209億円(2026年3月末)ありますが、現金は2,370億円と借入を上回ります。日銀の利上げが配当を削るおそれは小さいと見ています。
4. 為替の影響 ― 海外の比重が増えた
オプジーボのロイヤルティ(特許の使用料)や、デサイフェラの薬の売上はドルで入ってくるので、円安なら利益が増え、円高なら減ります。買収で海外の比重が増えたぶん、為替の影響は前より大きくなりました。
5. 地政学の影響 ― アメリカの薬価
アメリカでは、政府が一部の薬の値段を交渉で下げる仕組みが始まっています。アメリカで薬を売る比重が増えた小野にとっては、薬価の動きが利益に響くようになりました。
ベア6. 決算見通し ― 第1四半期は増益
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想 | 第1四半期の実績(4〜6月) | 進み具合(例年) |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 4,550億円 | 1,162億円(−8.9%) | 25.5%(24%前後) |
| 営業利益 | 940億円 | 307億円(+39.4%) | 32.6%(21〜43%) |
| 純利益 | 710億円 | 242億円(+36.7%) | 34.0%(21〜42%) |
売上は減りましたが、利益は大きく増え、進み具合も例年の範囲です。次は10月末〜11月初めの中間決算です。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 「中長期的に安定した額の配当を継続できるよう努めるとともに、業績に応じた成果の配分を行う」。累進配当や配当性向の目標は掲げていない |
|---|---|
| 配当の推移 | 分割(2016年4月に1株→5株)を調整した1株あたりで、2020年3月期 45円 → 2021年3月期 50円 → 2022年3月期 56円 → 2023年3月期 70円 → 2024年3月期 80円 → 2025年3月期 80円 → 2026年3月期 80円 → 今期予想 80円(中間40円・期末40円)。2015年3月期から減配はない |
| 配当性向 | 2025年3月期 75.1% → 2026年3月期 53.9%。今期は予想の1株利益151.09円に対して約53% |
| 現金の流れ | 2026年3月期の営業キャッシュフローは1,368億円、フリーキャッシュフローは970億円のプラス(買収の年の2025年3月期は543億円のマイナス) |
| 財務の余力 | 自己資本比率 76.9%・現金 2,370億円・有利子負債 1,209億円(2026年3月末) |
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ブル配子の判断:ホールドで安心か
- 今の配当は守られる見込み。80円で配当性向は約53%。自己資本比率76.9%、現金は借入を上回り、フリーキャッシュフローも配当を上回る
- でも増配は止まり、約束もない。80円で3年据え置き。方針は「安定した額」で、累進配当ではない
- オプジーボの特許切れが近い。売上の過半を稼ぐ薬の特許が2028年から切れていく。次の薬の育ち方しだいで、数年先の配当は変わりうる。ここが「注意」にした理由
小野薬品は、財務がとても厚く、今の配当に心配はほとんどありません。気になるのは、数年先のオプジーボの特許切れです。中間決算で、利益の予想と80円の配当予想が保たれるか、デサイフェラの薬などの伸びを見ます。
- 10月末〜11月初めの中間決算:純利益710億円と、年80円の配当予想が保たれるか
- オプジーボのあとを担う薬(デサイフェラの薬など)の売上の伸び
- 株主還元の方針に、変更や新しい目標が出ていないか
よくある質問
- 小野薬品は減配したことがありますか?
- 株式分割を調整した1株あたりの年間配当は、2015年3月期以降、前の期を下回ったことはありません。2016年に配当の金額が180円から40円になったのは、1株を5株に分けた株式分割のためです。2024年3月期から80円で据え置いています。将来を約束するものではありません。
- 小野薬品の配当はいつ、いくらもらえますか?
- 2027年3月期の予想は年80円(中間40円・期末40円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- オプジーボの特許切れは配当に影響しますか?
- オプジーボの特許は、2028年に米国、2030年に欧州、2031年に日本で切れる予定と報じられています。オプジーボ関連の収入は売上の半分以上を占めるため、特許が切れると利益が減るおそれがあります。会社は累進配当を掲げていないので、そのときの配当がどうなるかは、次の薬の育ち方しだいです。
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配子出典
- 小野薬品工業「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-07-31)・2026年3月期 決算短信(2026-05-08)・有価証券報告書(配当政策)
- 東洋経済オンライン(オプジーボの特許切れの時期)
- IRBANK「小野薬品工業(4528)の業績」 https://irbank.net/4528/results ・「四半期」 https://irbank.net/4528/quarter ・「配当」 https://irbank.net/4528/dividend
この記事は点検日(2026年10月20日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。