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株人- 今期の配当予想は年44円(分割前に直すと132円)。前期126円から実質+6円の増配。さらに中期経営計画で2028年5月期に48円を目標に掲げている
- 2025年4月の法改正で審査が増え、前期は営業利益2.4倍。第1四半期(6〜8月)も売上・営業利益とも+8.6%で、会社予想は据え置き
- 弱点は配当が「配当性向30%目安」の業績連動であること。累進配当(減配しない約束)はない。法改正の追い風が弱まったときに利益を保てるかが見どころ
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていく。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線だ。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
ERIは、建物を建てる前の「建築確認」、建てたあとの「完了検査」、住宅の性能を評価する「住宅性能評価」などを、国の指定を受けて行う会社だ。法律で必ず受けなければいけない審査なので、仕事の量は景気よりも法律の中身と着工の数で決まる。
その法律が、2025年4月に大きく変わった。すべての新築建物に省エネ基準への適合が義務になり、小さな木造住宅の審査を簡単にしていた特例も縮小された。審査が必要な建物と項目が一気に増え、手数料の改定も重なって、前期(2026年5月期)の業績は大きく伸びた。
| 項目 | 2026年5月期 | 前期比 | 配当にとっては |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 247億400万円 | +25.0% | 審査の量と単価が両方伸びた |
| 営業利益 | 49億4,300万円 | +141.7% | 稼ぐ力が一段上がった |
| 純利益(親会社帰属) | 31億4,600万円 | +143.2% | 配当の直接の原資が2倍以上に |
| 営業キャッシュフロー | 49億4,500万円 | 前期 7億8,400万円 | 現金の入りも大きく増えた |
稼ぎの中心は、確認検査と住宅性能評価の事業だ。前期の営業利益は42億8,900万円で、全社の営業利益のほとんどを占める。道路や橋の点検、環境関連などの「インフラストック及び環境関連事業」は営業利益6億6,400万円で、M&Aで少しずつ広げている。
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株人2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月上旬から10月10日までの開示と報道を確かめた。減配の示唆・業績の下方修正・不祥事・訴訟・行政処分・大きな減損は見当たらなかった。
いちばん大きな材料は、9月30日の第1四半期決算(2026年6〜8月)だ。売上高は58億4,700万円(+8.6%)、営業利益は9億4,200万円(+8.6%)で、通期の業績予想と配当予想(年44円)は据え置き。会社は「順調な滑り出しで増収増益」とまとめている。
審査の件数も増えている。建築確認は17,948件(前年同期比+1,705件)、完了検査は15,555件(+413件)。7月には、企業の環境情報の開示などを支援するカーボンフリーコンサルティングを子会社にした。
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株人3. 金利の影響 ― 財務より「着工」を通じて効く
ERIは借入に頼った会社ではない。自己資本比率は54.5%(2026年8月末)、前期末の現金及び預金は82億円あった。日銀の利上げで支払う利息が増えて配当の原資が削られる、という心配は小さい。
効いてくるとしたら、住宅ローン金利が上がって家が建たなくなる経路だ。着工が減れば審査の件数も減る。ただ、会社によると第1四半期の新設住宅着工は持家・貸家・分譲のいずれも前年より増え、非住宅の着工床面積もおおむね増えていた。今のところ、金利上昇が仕事の量を減らしている様子は数字に出ていない。
4. 為替の影響 ― ほぼ無関係
ERIの仕事は日本の法律にもとづく国内の審査で、外国での売上はほとんどない。会社も為替の前提や感応度を出していない。円高・円安が直接利益を動かすことはなく、配当への影響はほぼないと見ている。
間接的には、円安で輸入の建築資材が高くなると、工事の開始が遅れて審査の時期がずれることはありうる。ただ、それは仕事が「なくなる」のではなく「後ろにずれる」話だ。
5. 地政学の影響 ― 資材の「目詰まり」に注意
ERI自身は海外に工場も取引網も持っていないので、紛争で業務が止まることはない。注意点は会社自身が書いている。7月の決算短信で、中東情勢の変化に伴う建築資材・設備の供給の偏りや目詰まりが解消に向かうか注視が必要、としている。
資材が届かず工期が延びれば、完了検査の時期も後ろにずれる。短い期間の業績の振れにはなりうるが、配当の原資そのものを削る話ではないと見ている。
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ベア6. 決算見通し ― 第1四半期は据え置き、下期に重い会社
| 今期(2027年5月期)の会社予想 | 金額 | 前期比 | 第1四半期の進捗 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 270億円 | +9.3% | 21.7% |
| 営業利益 | 53億3,000万円 | +7.8% | 17.7% |
| 純利益(親会社帰属) | 32億8,000万円 | +4.2% | 16.0% |
| 1株当たり利益(EPS) | 145.32円 | — | — |
進捗は25%を下回っているが、会社は予想を変えていない。前年の第1四半期も営業利益は8億6,800万円で、通期では49億4,300万円まで積み上がった(第1四半期の比率は約18%)。今期の17.7%は前年とほぼ同じペースで、遅れているとは言えない。
次の第2四半期(中間期)の決算は12月下旬の見込みだ。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 安定的配当の継続(配当性向の目安30%)。中期経営計画の最終年度(2028年5月期)の配当目標は年48円(7月に33円から引き上げ)。累進配当やDOEの約束はない |
|---|---|
| 配当の推移(分割後に換算) | 2025年5月期 20円 → 2026年5月期 42円 → 今期予想 44円(中間22円・期末22円)→ 2028年5月期目標 48円。分割前の実額は 60円 → 126円 → (今期は分割後の44円) |
| 配当性向 | 前期 30.1%、今期予想 30.3%(44円 ÷ 予想EPS 145.32円)。目安どおり |
| 現金で払えているか | 前期の営業キャッシュフロー49億4,500万円から投資キャッシュフロー13億1,200万円を引くと約36億円が残る。今期の配当総額は約10億円(44円×約2,245万株)で、十分にまかなえる |
| 財務の余力 | 自己資本比率 54.5%(2026年8月末) |
| 減配の歴史 | 2022年5月期以降、年間配当は40円→60円→60円→60円→126円(いずれも分割前)と、減らしていない |
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株人株人の判断:ホールドで安心か
- 今期も実質増配の予想で、2028年5月期に48円の目標がある。配当は「減る」より「増える」方向を向いている
- 仕事の量が法律で支えられている。2025年4月の法改正で審査の対象と項目が増え、第1四半期も確認検査の件数と利益が伸びた
- 現金と財務に余裕がある。配当総額は年約10億円に対して、前期は約36億円のお金が本業から残った。自己資本比率も54.5%
ただし正直に書いておくと、ERIの配当は業績連動だ。法改正の追い風が落ち着いたあとも利益を保てるか、着工が大きく減ったときに件数を守れるか。この2つが崩れれば、配当も一緒に下がる。だから毎回、確認検査の件数と利益を見ていく。
- 年間配当予想44円・通期予想に変更がないか
- 建築確認・完了検査の件数が前年を上回っているか
- インフラ・環境の事業の赤字(第1四半期 −1億円)が縮んでいるか
よくある質問
- ERIホールディングスの配当が126円から44円に減ったのは減配ですか?
- 減配ではありません。2026年6月1日に1株を3株に分ける株式分割をしたためです。分割前に直すと今期の予想は132円で、前期の126円から実質6円の増配です。
- ERIホールディングスの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 今期(2027年5月期)の予想は年44円で、中間22円・期末22円です。権利確定は11月末(中間)と5月末(期末)です。
- ERIホールディングスは減配の心配はありますか?
- 2026年10月時点では小さいと見ています。今期も実質増配の予想で、中期経営計画では2028年5月期に年48円を目標にしています。ただし配当方針は配当性向30%を目安とする業績連動で、累進配当の約束はありません。利益が大きく減れば配当も減る可能性があります。
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株人出典
- ERIホールディングス「2027年5月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026-09-30) https://www2.jpx.co.jp/disc/60830/140120260928540983.pdf
- ERIホールディングス「2027年5月期 第1四半期決算説明資料」(2026-09-30) https://www2.jpx.co.jp/disc/60830/140120260930542580.pdf
- ERIホールディングス「2026年5月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026-07-14) https://www2.jpx.co.jp/disc/60830/140120260713591776.pdf
- ERIホールディングス「2026年5月期 決算説明資料」(2026-07-14) https://www2.jpx.co.jp/disc/60830/140120260713592584.pdf
この記事は点検日(2026年10月10日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。