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配子- 今期の配当予想は年190円(前期と同じ)。7月に純利益の予想を3,180億円から3,490億円へ上方修正し、配当性向は約49%に収まる
- 前期は減益でも営業利益5,673億円・営業キャッシュフロー約4,490億円。配当の支払い(約1,851億円)を本業の現金で十分まかなえている。自己資本比率は54.7%
- 気をつけたいのは、配当が「配当性向40%以上」で業績に連動すること。2020年3月期・2021年3月期には業績の悪化で減配した
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 今期予想 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 約3.87兆円 | 約4.10兆円 | 4兆1,327億円 | 4兆3,020億円 |
| 営業利益 | 6,072億円 | 6,571億円 | 5,673億円 | 5,550億円 |
| 純利益 | 3,934億円 | 4,396億円 | 3,764億円 | 3,490億円 |
| 営業キャッシュフロー | 4,348億円 | 5,172億円 | 4,490億円 | — |
売上の9割以上が建設機械・鉱山機械で、その9割近くを海外で売っています。前期は売上は過去最高でしたが、物価高で費用が増え、値上げで吸収しきれずに5年ぶりの減益になりました。
それでも営業利益率は13.7%と、機械の会社としては高い水準です。強みは、売った機械の稼働を見守る仕組み(KOMTRAX)と、交換部品やメンテナンスで売ったあとも稼げることです。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月下旬から10月19日までを確かめましたが、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、大型の減損といった目立った悪材料はありませんでした。
配当にとっての好材料は2つ。ひとつは7月末の上方修正です。今期の純利益の予想を3,180億円から3,490億円に引き上げました。アメリカの関税の影響が思ったより小さかったことなどが理由です。もうひとつは、4月末から9月末までに1,000億円の自社株買いを終え、買った株を10月末に消す予定なことです。株の数が減ると、1株あたりの利益が増え、1株あたりの配当を保ちやすくなります。
3. 金利の影響 ― 管理できる範囲
有利子負債は約1兆6,436億円(2026年6月末)と大きく見えます。これは、お客さんが機械を買うときのローンやリースをコマツ自身が貸す「リテールファイナンス」の資金が多く含まれるためです。金利が上がれば支払利息は増えますが、貸す側の利息も上がるので、利益への影響はある程度打ち消し合います。
金利の影響はむしろお客さんの側に出ます。建設会社や鉱山会社が借りるお金が高くなると、機械の買い替えを先に延ばすかもしれません。それでも、年4,000億円を超える営業キャッシュフローに比べれば、配当を削るほどの話ではありません。
4. 為替の影響 ― 大きい。円高は向かい風
売上の約9割が海外なので、為替の影響は大きい会社です。円安なら利益が増え、円高なら減ります。会社は円・ドル、円・ユーロなどの1円あたりの影響額を公表しています。
ただ、今期の営業利益の予想は5,550億円あり、配当の支払いは年1,800億円ほどです。急な円高で何百億円か利益が減っても、配当をまかなう力はまだ残ります。工場を世界の各地に持ち、作る場所と売る場所を近づけてきたことも、為替の影響をやわらげています。
5. 地政学の影響 ― 鉱山機械の需要と関税
利益率の高い鉱山機械は、北米やオセアニアで買い替えが一巡し、需要が減る見込みと報じられています。資源の値段や中東の情勢にも左右されます。アメリカの関税も心配の種でしたが、いまのところ影響は想定より小さく、それが上方修正につながりました。
一方で、北米のインフラやデータセンターの工事に使う一般の建設機械は堅調です。地域と製品が分かれているので、どこか1か所の不調で配当が止まる会社ではありません。
ベア6. 決算見通し ― 第1四半期は増収増益
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想(7月修正後) | 第1四半期の実績(4〜6月) |
|---|---|---|
| 売上高 | 4兆3,020億円 | 1兆431億円(+14.7%) |
| 営業利益 | 5,550億円 | 1,515億円(+8.0%) |
| 純利益 | 3,490億円 | 962億円(+5.4%) |
第1四半期は増収増益で、純利益は通期予想の約28%まで進みました。期のはじめはかなり慎重な予想(営業利益5,080億円)でしたが、早めに引き上げています。次の中間決算の発表は2026年10月29日の予定です。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 連結配当性向40%以上を保つ。業績に連動して配当を決める方針 |
|---|---|
| 配当の推移 | 2019年3月期 110円 → 2020年3月期 94円 → 2021年3月期 55円 → 2022年3月期 96円 → 2023年3月期 139円 → 2024年3月期 167円 → 2025年3月期 190円 → 2026年3月期 190円 → 今期予想 190円(中間95円・期末95円) |
| 配当性向 | 2026年3月期 45.9%。今期は予想の1株利益391.47円に対して約49% |
| 現金の流れ | 2026年3月期の営業キャッシュフローは約4,490億円、フリーキャッシュフローは約2,497億円で、配当の支払い(約1,851億円)を上回る。自社株買い(約1,060億円)も合わせた還元は、フリーキャッシュフローを少し超えた |
| 財務の余力 | 株主資本比率 54.7%(2026年3月末) |
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ブル配子の判断:ホールドで安心か
- 今期の190円は守れそう。7月に利益予想を上げ、第1四半期も増収増益。前の期の減益でも配当は据え置いた
- 本業の現金が厚い。営業キャッシュフローは年4,000億円を超え、配当の支払いを上回る。売ったあとも部品やメンテナンスで稼げる
- 財務がしっかりしている。株主資本比率54.7%。自社株買いで株数も減らしている
正直に書いておくと、コマツは「減らさない」とは約束していない会社です。配当は業績に連動し、2020年3月期と2021年3月期には減配しました。為替の円高や世界の景気の落ち込みが重なれば、また減ることはありえます。わたしの50銘柄のなかで、景気に左右されやすい側の1社として、決算ごとに利益の動きを見ます。
- 2026年10月29日の中間決算:中間配当95円の決議と年190円の予想。純利益3,490億円の予想が保たれるか
- 円高が進んだときの利益予想の見直し
- 鉱山機械の需要の落ち込みが、一般の建設機械でどこまで補えているか
よくある質問
- コマツは減配の心配はありますか?
- 2026年10月時点で、今期の年190円の予想を下げる材料は見当たりません。7月に利益予想を上方修正し、配当性向は約49%です。ただしコマツは配当性向40%以上を目安に業績に連動して配当を決める会社で、2020年3月期(94円)と2021年3月期(55円)には減配しました。将来を約束するものではありません。
- コマツの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 2027年3月期の予想は年190円(中間95円・期末95円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- 為替はコマツの配当にどう影響しますか?
- 売上の約9割が海外なので、円高になると円に直した利益が減り、円安になると増えます。配当は利益に連動するので、大きな円高が続けば配当にも響きえます。いまは利益に対して配当の支払いに余裕があるので、少しの円高ですぐに減配する水準ではありません。
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配子出典
- 小松製作所「2027年3月期 第1四半期決算短信」・業績予想の修正(2026年7月)
- 小松製作所「2026年3月期 決算短信」・自己株式の取得に関するお知らせ・IRカレンダー
- IRBANK「小松製作所(6301)の業績」 https://irbank.net/6301/results ・「財務」 https://irbank.net/6301/bs ・「配当」 https://irbank.net/6301/dividend
この記事は点検日(2026年10月19日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。