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株人- 今期の配当予想は年180円で据え置き(前期180円)。4月に配当性向60%以上・総還元性向70%以上という、より手厚い方針に変えた
- 配当の支払い(年約126億円)は、本業の現金(営業キャッシュフロー約249億円)の約半分。自己資本比率71.8%で、実質的に無借金
- 気になるのは、今期の純利益予想が前期より約13%少なく、配当性向が約71%まで上がること。増配はしばらく期待しにくい
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていく。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線だ。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,529億円 | 1,754億円 | 1,765億円 |
| 営業利益 | 196億円 | 230億円 | 226億円 |
| 純利益 | 131億円 | 178億円 | 201億円 |
| 営業キャッシュフロー | 238億円 | 247億円 | 249億円 |
2025年3月期は、新しいお札の発行に合わせた駐車場の精算機の入れ替えで大きく伸びた。2026年3月期は、その特需の反動で営業利益が少し減ったが、持っていた株の売却益で純利益は過去最高だった。
注目したいのは営業キャッシュフローが毎年240億円前後で安定していることだ。駐車場の運営の受託や、クラウドの勤怠管理など、毎月入ってくる収入が増えていて、特需の有無で現金の稼ぎが大きくぶれない。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月から10月12日までを確かめたが、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事といった目立った悪材料はなかった。
9月24日には、ICカードで打刻する新しいタイムレコーダーを発売した。7月にも、AI を積んだ業務用のロボット掃除機や、話しかけるだけで勤怠の手続きができる「AIエージェント」を出している。人手不足を補う商品は値下げ競争になりにくく、利益率を守りやすい。
3. 金利の影響 ― ほぼ心配ない
2026年3月期末の有利子負債は約146億円で、現金及び預金は約616億円ある。借金より現金のほうがずっと多い実質的な無借金だ。日銀が利上げをしても、配当の原資が利息で削られることはない。
金利が上がって景気が冷えれば、お客さんが設備投資を控えることはありうる。ただ、勤怠管理や駐車場の自動化、清掃の省人化は、人手不足と労働法への対応のための投資で、後回しにされにくい。
4. 為替の影響 ― 小さい
海外の売上は全体の1割台で、利益のほとんどを日本で稼いでいる。北米や欧州の子会社の利益は円高で目減りするが、全体への影響は小さい。為替で配当が減ることは考えにくい。
5. 地政学の影響 ― 部品の調達が止まるリスク
精算機やタイムレコーダーには、電子部品や半導体がたくさん使われている。台湾の有事や米中の対立で東アジアの部品が止まれば、製品の納入が遅れて、一時的に利益が下がるおそれがある。
それでも、保守の契約やクラウドの利用料、駐車場の運営の収入は入り続ける。配当の支払いに必要な現金が途切れるほどのリスクではない。
6. 決算見通し ― 第1四半期は減益、会社は「想定の範囲内」
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想 | 第1四半期の実績(4〜6月) |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,840億円(+4.3%) | 390億円(−0.1%) |
| 営業利益 | 240億円(+6.4%) | 22億円(−18.2%) |
| 純利益 | 176億円(−12.6%) | 8億円(−39.4%) |
第1四半期は売上が横ばいで、利益は大きく減った。会社の説明では、販売費などが3.5%増えたことと、前の年にあった株の売却益が今年はないことが理由で、「期初の計画の想定の範囲内」としている。通期の予想と配当予想は変えていない。
アマノはもともと、売上が年度の後半に偏る会社だ。それでも、通期の営業利益240億円に対して第1四半期は22億円で、出だしは遅い。一方で、第1四半期の営業キャッシュフローは約66億円と、前の年より約11億円増えた。次の第2四半期(中間期)の決算発表は2026年10月29日の予定だ。
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株人7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針(2026年4月に変更) | 連結配当性向 40%以上 → 60%以上/総還元性向 55%以上 → 70%以上/純資産配当率(DOE)2.5%を下限 |
|---|---|
| 配当の推移 | 2024年3月期 135円 → 2025年3月期 175円 → 2026年3月期 180円 → 今期予想 180円(中間55円・期末125円)。2022年3月期から5期連続の増配だったが、今期は据え置きの予想 |
| 減配の歴史 | 2021年3月期に84円→65円。前の期の84円に特別配当が入っていて、それがなくなったため |
| 配当性向 | 2024年3月期 74.5% → 2025年3月期 70.7% → 2026年3月期 62.8%。今期は予想の1株利益254.07円に対して約71% |
| 現金で払えているか | 2026年3月期の営業キャッシュフロー約249億円、フリーキャッシュフロー約184億円に対し、配当の支払いは約126億円。総還元性向は104.5%で、自社株買いまで含めると稼ぎを少し上回った |
| 財務の余力 | 自己資本比率 71.8%、現金及び預金 約616億円・有利子負債 約146億円(いずれも2026年3月期末) |
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株人株人の判断:ホールドで安心か
- 配当は現金で無理なく払えている。年約126億円の配当は、営業キャッシュフロー約249億円の約半分。この現金の稼ぎは毎年安定している
- 財務が厚い。自己資本比率71.8%、現金が借金を大きく上回る実質無借金。利益が一時的に落ちても配当を払う余力がある
- 還元の方針が手厚くなった。4月に配当性向60%以上・総還元性向70%以上へ引き上げ、今期も年180円を据え置く予想
正直に書いておくと、アマノは「増える配当」の銘柄から「高い配当を守る」銘柄に変わってきている。今期は増配が止まり、純利益は減る予想で、第1四半期の出だしも遅い。減配の心配はしていないが、配当の伸びはしばらく期待しない。中間決算で計画から大きく遅れていたら、判定を見直す。
- 2026年10月29日の第2四半期決算:上半期の計画(営業利益102億円)に届いたか。年180円の配当予想が変わらないか
- 営業キャッシュフローが前の年を上回るペースを保っているか
- 駐車場の運営やクラウドなど、毎月入る収入が伸びているか
よくある質問
- アマノは減配の心配はありますか?
- 2026年10月時点では、減配の材料は見当たりません。年180円の配当(約126億円)は営業キャッシュフロー(約249億円)の約半分で、実質無借金です。ただし今期の配当性向は約71%と高く、増配はしばらく期待しにくい状態です。将来を約束するものではありません。
- アマノの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 今期(2027年3月期)の予想は年180円(中間55円・期末125円)で、期末のほうがずっと多い配分です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- DOE 2.5%の下限があれば、配当は減らないのですか?
- 下限は1株あたり純資産の2.5%で、計算すると約50円です。今の180円を守る約束ではなく、「これより下には下げない」という底の目安です。180円を支えているのは、毎年安定した本業の現金と厚い財務です。
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株人出典
- アマノ「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-07-28)
- アマノ「2026年3月期 決算短信」・「株主還元方針の変更および剰余金の配当に関するお知らせ」・第10次中期経営計画(2026-04-27)
- アマノ ニュースリリース(2026-07 ロボット掃除機・AIエージェント、2026-09-24 タイムレコーダー) https://www.amano.co.jp/information/
- IRBANK「アマノ(6436)の業績」 https://irbank.net/6436/results ・「配当」 https://irbank.net/6436/dividend
この記事は点検日(2026年10月12日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。