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配子- 今期の配当予想は年115円(中間57.5円・期末57.5円)で、前期107.5円から増配。中期経営戦略「GC2027」で年間配当100円を基点とする累進配当と、総還元性向40%程度を掲げている
- 配当性向は今期の予想で約32%と低い。前期のフリーキャッシュフローは4,174億円のプラスで、配当を十分まかなえる
- 第1四半期の純利益は1,864億円(+20.7%)で、通期予想の32%まで進んだ。減配歴(2016年・2021年3月期)はあるが、今は自社株買いというもう一段のクッションもある
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 今期予想 |
|---|---|---|---|---|
| 収益 | 約7.25兆円 | 約7.79兆円 | 約8.27兆円 | — |
| 純利益 | 4,714億円 | 5,030億円 | 5,439億円 | 5,800億円 |
| 営業キャッシュフロー | 4,425億円 | 5,979億円 | 5,354億円 | — |
| フリーキャッシュフロー | 1,080億円 | 2,026億円 | 4,174億円 | — |
| 自己資本比率 | 38.8% | 39.4% | 41.4% | — |
丸紅の事業は、金属やエネルギーなどの「資源」と、食料・アグリ、電力・インフラ、航空機やモビリティ、金融・リースなどの「非資源」に分かれます。昔の商社は資源の値段に利益が大きく左右されましたが、丸紅は非資源の稼ぎを増やしてきました。
前期(2026年3月期)の純利益は5,439億円で過去最高でした。今期の第1四半期(4〜6月)は、食料や金融で前年の一時的な利益の反動があったものの、金属、エネルギー・化学品、電力、航空機の関連が伸び、全体で20.7%の増益でした。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月下旬から10月20日までに、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、大きな訴訟、大型の減損といった目立った悪材料はありませんでした。電力の小売りや、AIを使った新しいサービスの実験など、ふだんの事業の動きが中心です。
配当にとっての好材料は、8月3日に1,000億円の自社株買いを追加したことです。5月の450億円と合わせて、今年度の自社株買いは1,450億円になりました。
3. 金利の影響 ― 借入は多いが、比率は下がっている
商社は投資のために大きな借入を使う商売です。丸紅の有利子負債は約2.41兆円(2026年3月末)。6月末の、現金を差し引いた借入(ネット有利子負債)は2兆505億円で、自己資本に対する割合(ネットDER)は0.46倍です。
金利が上がれば支払う利息は増えますが、金利が上がるのは物の値段が上がるときが多く、商社が持つ資源や食料などの事業はそのぶん稼ぎやすくなります。5,000億円を超える利益の規模から見て、金利だけで配当が削られるおそれは小さいと見ています。
4. 為替の影響 ― 思ったより小さい
丸紅は海外で多く稼いでいますが、会社が示す目安では、米ドルが1円動くと年間の純利益は約19億円動く程度です。10円の円高になっても約190億円の減益で、純利益5,800億円の予想から見れば3%ほどです。
配当性向が約32%と低いので、円高だけで減配に追い込まれる形ではありません。
ベア5. 地政学の影響 ― 減損がいちばんの心配
商社の配当を脅かすのは、海外の大きな投資の価値を下げる「減損」です。丸紅はチリの銅山、北米の牛肉や穀物、北海やメキシコ湾の石油・ガスなどを持っていて、資源国の政治や関税、天候の影響を受けます。
丸紅は2020年3月期に、銅や石油・ガス、穀物の事業などで大きな減損を出し、1,974億円の最終赤字になりました。そのあと投資の規律を厳しくし、問題の多かった資産を整理しています。今すぐ全体の稼ぎを崩すような心配は見当たりませんが、減損は毎回見ていきます。
6. 決算見通し ― 第1四半期で3割
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想 | 第1四半期の実績(4〜6月) | 進み具合 |
|---|---|---|---|
| 収益 | — | 2兆6,092億円(+20.6%) | — |
| 営業利益 | — | 1,321億円(+54.7%) | — |
| 純利益 | 5,800億円 | 1,864億円(+20.7%) | 32.1% |
3か月で通期予想の3割を超え、例年(27〜35%)の範囲のなかでも高いほうです。次の中間決算の発表は2026年11月4日の予定です。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 中期経営戦略「GC2027」で、年間配当100円を基点とする累進配当(減らさず、維持か増配)と、総還元性向40%程度(配当と自社株買いの合計) |
|---|---|
| 配当の推移 | 2020年3月期 35円 → 2021年3月期 33円(減配) → 2022年3月期 62円 → 2023年3月期 78円 → 2024年3月期 85円 → 2025年3月期 95円 → 2026年3月期 107.5円 → 今期予想 115円(中間57.5円・期末57.5円)。ほかに2016年3月期にも26円→21円の減配がある |
| 配当性向 | 2026年3月期 32.5%。今期は予想の1株利益356.53円に対して約32% |
| 現金の流れ | 2026年3月期の営業キャッシュフローは5,354億円、フリーキャッシュフローは4,174億円のプラス。フリーキャッシュフローは6期続けてプラス |
| 財務の余力 | 自己資本比率 41.4%・有利子負債 約2.41兆円(2026年3月末) |
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ブル配子の判断:ホールドで安心か
- 減らさない約束がある。GC2027で年間配当100円を基点とする累進配当を掲げ、今期も107.5円→115円の増配予想
- 配当性向が低く、現金も稼げている。配当性向は約32%、前期のフリーキャッシュフローは4,174億円。利益が大きく減っても、配当を払う余地がある
- 自社株買いがクッションになる。今年度は1,450億円の自社株買い。業績が悪くなったときは、配当より先にここを減らせる
丸紅は、資源の値段や減損で利益が揺れる商社ですが、今は配当性向が低く、累進配当の約束もあります。中間決算で、利益の予想が保たれるか、大きな減損が出ていないかを見ます。
- 2026年11月4日の中間決算:純利益5,800億円の予想と、年115円の配当予想が保たれるか
- 銅や石油・ガス、北米の事業などで、大きな減損が出ていないか
- 自社株買い(今年度1,450億円)の進み具合
よくある質問
- 丸紅は減配したことがありますか?
- はい。年間配当は2016年3月期に26円から21円、2021年3月期に35円から33円に減りました。2021年3月期の前の年(2020年3月期)は、減損で1,974億円の最終赤字でした。そのあとは毎年増配しています。今の中期経営戦略では、年間配当100円を基点とする累進配当を掲げています。将来を約束するものではありません。
- 丸紅の配当はいつ、いくらもらえますか?
- 2027年3月期の予想は年115円(中間57.5円・期末57.5円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- 累進配当とは何ですか?
- 1株あたりの配当を前の年より減らさず、維持するか増やしていく、という会社の方針です。丸紅は年間配当100円を基点にしています。会社の方針であり、どんな状況でも必ず守られると保証するものではありません。
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配子出典
- 丸紅「2027年3月期 第1四半期決算」(2026-08-03)・自己株式の取得に関する開示(2026-08-03)
- 丸紅 中期経営戦略「GC2027」(株主還元方針)
- IRBANK「丸紅(8002)の業績」 https://irbank.net/8002/results ・「四半期」 https://irbank.net/8002/quarter ・「配当」 https://irbank.net/8002/dividend
この記事は点検日(2026年10月20日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。