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配子- 今期の配当予想は年121円(中間60.5円・期末60.5円)で、前期115円から増配。方針は配当性向35%以上で、今期の予想は36%と余裕がある。赤字だったコロナ禍の年も93円を保った
- ただ、7月28日の熊本地震で九州新幹線の熊本〜鹿児島中央が約1か月半止まった(9月18日に全線再開)。復旧の費用と減収の額はまだ出ていない
- 駅ビルなどへの投資で、営業キャッシュフローから投資を引いた残りは前期マイナス。配当は借入も使って払っている形で、借入が増えている
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 今期予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,543億円 | 5,003億円 | 5,205億円 |
| 営業利益 | 589億円 | 740億円 | 750億円 |
| 純利益 | 436億円 | 454億円 | 516億円 |
| 自己資本比率 | 40.0% | 40.4% | — |
JR九州の事業は、鉄道などの運輸、駅ビル・マンション・ホテルの不動産・ホテル、駅の店や飲食の流通・外食、建設などに分かれています。鉄道だけでなく、まちづくりの仕事で多く稼いでいるのが特徴です。
前期は、2025年4月の運賃の改定と、マンションの販売、外国からの旅行客でにぎわうホテルが効いて、売上高がはじめて5,000億円を超えました。営業利益も25.5%増えています。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 地震からの復旧
いちばん大きいのは、7月28日の熊本地震です。九州新幹線は全線で止まり、博多〜熊本は3日後に再開しましたが、熊本〜鹿児島中央は高架橋の損傷など約900か所の被害があり、9月18日にようやく全線で再開しました(所要時間は最大8分のび)。在来線の鹿児島線(宇土〜八代)は10月10日に再開しています。
新幹線が約1か月半止まった分の減収と、復旧の費用がいくらになるかは、まだ発表されていません。8月4日の第1四半期決算(4〜6月)は地震の前の期間で、通期の予想も変えていません。費用の額は、次の中間決算で出てくるはずです。
そのほか、10月16日に特急列車が駅で扉を開けずに発車し、お客さまが降りられなかったトラブルがありました。配当に響く話ではありませんが、安全の取り組みは見ていきます。
ベア3. 金利の影響 ― 借入が増えている
駅ビルや駅前の開発に大きなお金を使っていて、借入は約4,679億円(2026年3月末)と、前の年より増えました。会社は今期、「支払う利息が増えて、経常利益は減る」と見込んでいます。
ただ、借入の多くは長い期間の固定の金利で、平均の利率は0.82%です。金利がすぐに配当を削ることはありませんが、借り換えのたびに少しずつ利息は増えていきます。一方で、物価が上がれば、駅ビルの家賃やホテルの値段を上げやすくなる面もあります。
4. 為替の影響 ― 円安でホテルが好調
国内の会社なので、為替で売上が直接動くことはあまりありません。ただ、円安で外国からの旅行客が増え、ホテルの稼働と単価が上がっています。円高に大きく振れると、この追い風が弱まります。電気代や工事の資材が上がるのは、円安のマイナス面です。
5. 地政学の影響 ― 半導体と東アジアの旅行客
台湾の半導体の会社TSMCの熊本の工場で、九州に人と仕事が集まっていて、工場近くの駅の利用も増えています。これは追い風です。反対に、東アジアで大きな争いが起きると、半導体の仕事と、韓国や台湾などからの旅行客の両方が減るおそれがあります。
6. 決算見通し ― 地震の前の第1四半期は増収増益
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想 | 第1四半期の実績(4〜6月) | 進み具合 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,205億円 | 1,258億円(+7.1%) | 24.2% |
| 営業利益 | 750億円 | 208億円(+4.4%) | 27.8% |
| 純利益 | 516億円 | 157億円(−4.2%) | 30.4% |
第1四半期の純利益が少し減ったのは、前の年にあった固定資産の売却益がなくなったためです。ここまでは順調でしたが、7月末の地震の影響はこの数字に入っていません。次は11月上旬の中間決算です。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 2027年度までは連結配当性向35%以上。あわせて機動的に自社株買い |
|---|---|
| 配当の推移 | 2021年3月期〜2024年3月期 93円(純損失だった2021年3月期も93円) → 2025年3月期 98円 → 2026年3月期 115円 → 今期予想 121円(中間60.5円・期末60.5円)。2016年の上場から減配なし |
| 配当性向 | 2025年3月期 35.1% → 2026年3月期 38.9% → 今期予想 36.1% |
| お金の裏付け | 2026年3月期は営業キャッシュフロー729億円に対して投資が871億円で、残りは約142億円のマイナス。配当の総額 約178億円は、借入も使って払った形 |
| 財務の余力 | 自己資本比率 40.4%(2026年3月末)・借入 約4,679億円(前の年は約4,233億円) |
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ブル配子の判断:ホールドで安心か
- 配当を守ってきた実績がある。上場から減配なし。純損失だったコロナ禍の年も93円を保った。今期の配当性向は36%で余裕がある
- ただ、地震の費用がまだ分からない。九州新幹線の南の区間が約1か月半止まった。減収と復旧費が利益の予想をどれだけ下げるかは中間決算で見る
- お金の出入りは投資が先行している。営業キャッシュフローから投資を引いた残りはマイナスで、借入が増えている
JR九州は、配当を守る姿勢の強い会社です。ただ、7月の地震の費用がまだ数字に出ていません。中間決算で、地震の影響の額と、年121円の配当予想が保たれるかを見ます。
- 11月上旬の中間決算:熊本地震の減収と復旧の費用の額、通期の純利益516億円の予想が変わるか
- 年121円の配当予想が保たれるか
- 借入の増え方と、支払う利息
よくある質問
- JR九州は減配したことがありますか?
- 2016年の上場から減配はありません。純損失だったコロナ禍の2021年3月期も、年間93円を保ちました。その後は98円、115円と増え、今期の予想は121円です。将来を約束するものではありません。
- JR九州の配当はいつ、いくらもらえますか?
- 2027年3月期の予想は年121円(中間60.5円・期末60.5円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- 熊本地震で配当は減りますか?
- 2026年7月28日の熊本地震で九州新幹線が止まり、熊本〜鹿児島中央は9月18日に全線で再開しました。減収や復旧の費用の額はまだ発表されていません。会社の方針は配当性向35%以上で、今期の予想は36%です。配当予想が変わるかは、11月の中間決算で確かめます。
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配子出典
- 九州旅客鉄道「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-08-04)・「2026年3月期 決算短信」(2026-05-11)・中期経営計画2025-2027
- 熊本日日新聞「九州新幹線、断層帯近く被害集中 約600カ所」(2026-08)・「九州新幹線は最大8分所要時間増 18日の全線再開後ダイヤ」(2026-09)
この記事は点検日(2026年10月21日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。