保有銘柄の月次点検(配当目線)

【2026年10月点検】JR九州(9142)はホールドで大丈夫?配当目線で熊本地震・121円・借入の増加をチェック

点検日 2026/10/21(水)   陸運業   配子(はいこ)
配子配子
こんにちは、配子です。今日はJR九州を点検します。九州の鉄道のほか、駅ビルやマンション、ホテルなど、まちづくりの仕事を広く手がける会社ですね。10月に足した20銘柄のひとつで、少しずつ買いはじめたところです。夫は持っていない、わたしだけの銘柄です。見るのは「この配当、これからも続くのかしら」だけです。
ベアベア
配子さん、7月の熊本地震で、九州新幹線が長く止まったの。高架橋の被害は約900か所だって…。
ブルブル
9月18日には全線で動きだしたぜ! 配当も115円から121円に増やす予想だ!
ベアベア
でも復旧にいくらかかったかは、まだ出てないよ。借入も増えてるし…。
配子配子
地震の費用が分かるのは、次の決算なんですね。順に見ていきましょう。結論は先に書いておきます。
判定:注意しながらホールド 2026年10月の点検
  • 今期の配当予想は年121円(中間60.5円・期末60.5円)で、前期115円から増配。方針は配当性向35%以上で、今期の予想は36%と余裕がある。赤字だったコロナ禍の年も93円を保った
  • ただ、7月28日の熊本地震で九州新幹線の熊本〜鹿児島中央が約1か月半止まった(9月18日に全線再開)。復旧の費用と減収の額はまだ出ていない
  • 駅ビルなどへの投資で、営業キャッシュフローから投資を引いた残りは前期マイナス。配当は借入も使って払っている形で、借入が増えている
保有株数
0.0295株
取得単価
3,388円
年間配当(予想)
4円
取得単価に対する利回り
3.57%
参考:評価額 100円・含み損益 −0円(判定には使っていません)。保有データは /haiko と同じで、毎営業日自動で更新されます。

ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。

1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか

項目2025年3月期2026年3月期今期予想
売上高4,543億円5,003億円5,205億円
営業利益589億円740億円750億円
純利益436億円454億円516億円
自己資本比率40.0%40.4%—

JR九州の事業は、鉄道などの運輸、駅ビル・マンション・ホテルの不動産・ホテル、駅の店や飲食の流通・外食、建設などに分かれています。鉄道だけでなく、まちづくりの仕事で多く稼いでいるのが特徴です。

前期は、2025年4月の運賃の改定と、マンションの販売、外国からの旅行客でにぎわうホテルが効いて、売上高がはじめて5,000億円を超えました。営業利益も25.5%増えています。

ブルブル
鉄道だけじゃなくて、駅ビルやホテルでも稼げる会社なんだぜ!

2. 直近1か月のニュース ― 地震からの復旧

いちばん大きいのは、7月28日の熊本地震です。九州新幹線は全線で止まり、博多〜熊本は3日後に再開しましたが、熊本〜鹿児島中央は高架橋の損傷など約900か所の被害があり、9月18日にようやく全線で再開しました(所要時間は最大8分のび)。在来線の鹿児島線(宇土〜八代)は10月10日に再開しています。

新幹線が約1か月半止まった分の減収と、復旧の費用がいくらになるかは、まだ発表されていません。8月4日の第1四半期決算(4〜6月)は地震の前の期間で、通期の予想も変えていません。費用の額は、次の中間決算で出てくるはずです。

そのほか、10月16日に特急列車が駅で扉を開けずに発車し、お客さまが降りられなかったトラブルがありました。配当に響く話ではありませんが、安全の取り組みは見ていきます。

ベアベア
地震の費用が大きかったら、今期の利益の予想が下がるかもしれないよね…。

3. 金利の影響 ― 借入が増えている

駅ビルや駅前の開発に大きなお金を使っていて、借入は約4,679億円(2026年3月末)と、前の年より増えました。会社は今期、「支払う利息が増えて、経常利益は減る」と見込んでいます。

ただ、借入の多くは長い期間の固定の金利で、平均の利率は0.82%です。金利がすぐに配当を削ることはありませんが、借り換えのたびに少しずつ利息は増えていきます。一方で、物価が上がれば、駅ビルの家賃やホテルの値段を上げやすくなる面もあります。

4. 為替の影響 ― 円安でホテルが好調

国内の会社なので、為替で売上が直接動くことはあまりありません。ただ、円安で外国からの旅行客が増え、ホテルの稼働と単価が上がっています。円高に大きく振れると、この追い風が弱まります。電気代や工事の資材が上がるのは、円安のマイナス面です。

5. 地政学の影響 ― 半導体と東アジアの旅行客

台湾の半導体の会社TSMCの熊本の工場で、九州に人と仕事が集まっていて、工場近くの駅の利用も増えています。これは追い風です。反対に、東アジアで大きな争いが起きると、半導体の仕事と、韓国や台湾などからの旅行客の両方が減るおそれがあります。

6. 決算見通し ― 地震の前の第1四半期は増収増益

項目今期(2027年3月期)の会社予想第1四半期の実績(4〜6月)進み具合
売上高5,205億円1,258億円(+7.1%)24.2%
営業利益750億円208億円(+4.4%)27.8%
純利益516億円157億円(−4.2%)30.4%

第1四半期の純利益が少し減ったのは、前の年にあった固定資産の売却益がなくなったためです。ここまでは順調でしたが、7月末の地震の影響はこの数字に入っていません。次は11月上旬の中間決算です。

7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事

配当方針2027年度までは連結配当性向35%以上。あわせて機動的に自社株買い
配当の推移2021年3月期〜2024年3月期 93円(純損失だった2021年3月期も93円) → 2025年3月期 98円 → 2026年3月期 115円 → 今期予想 121円(中間60.5円・期末60.5円)。2016年の上場から減配なし
配当性向2025年3月期 35.1% → 2026年3月期 38.9% → 今期予想 36.1%
お金の裏付け2026年3月期は営業キャッシュフロー729億円に対して投資が871億円で、残りは約142億円のマイナス。配当の総額 約178億円は、借入も使って払った形
財務の余力自己資本比率 40.4%(2026年3月末)・借入 約4,679億円(前の年は約4,233億円)
ベアベア
配当を、稼いだお金の残りじゃなくて借入で払ってるんだね。そこに地震の費用まで来たら…。
配子配子
お金が足りないのは、駅ビルなどに先にお金を使っているからなんですね。コロナで赤字の年にも93円を保った会社ですし、配当性向は36%で余裕もあります。わたしは「減配したら売る」と決めていますが、今すぐの心配は小さいと見ています。ただ、地震の費用がまだ分からないので、今月は「注意しながら」にしておきます。
ブルブル
赤字の年にも配当を守った実績は、心強いな!

配子の判断:ホールドで安心か

注意しながらホールド(継続)
  1. 配当を守ってきた実績がある。上場から減配なし。純損失だったコロナ禍の年も93円を保った。今期の配当性向は36%で余裕がある
  2. ただ、地震の費用がまだ分からない。九州新幹線の南の区間が約1か月半止まった。減収と復旧費が利益の予想をどれだけ下げるかは中間決算で見る
  3. お金の出入りは投資が先行している。営業キャッシュフローから投資を引いた残りはマイナスで、借入が増えている

JR九州は、配当を守る姿勢の強い会社です。ただ、7月の地震の費用がまだ数字に出ていません。中間決算で、地震の影響の額と、年121円の配当予想が保たれるかを見ます。

次の点検で見ること
  • 11月上旬の中間決算:熊本地震の減収と復旧の費用の額、通期の純利益516億円の予想が変わるか
  • 年121円の配当予想が保たれるか
  • 借入の増え方と、支払う利息

よくある質問

JR九州は減配したことがありますか?
2016年の上場から減配はありません。純損失だったコロナ禍の2021年3月期も、年間93円を保ちました。その後は98円、115円と増え、今期の予想は121円です。将来を約束するものではありません。
JR九州の配当はいつ、いくらもらえますか?
2027年3月期の予想は年121円(中間60.5円・期末60.5円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
熊本地震で配当は減りますか?
2026年7月28日の熊本地震で九州新幹線が止まり、熊本〜鹿児島中央は9月18日に全線で再開しました。減収や復旧の費用の額はまだ発表されていません。会社の方針は配当性向35%以上で、今期の予想は36%です。配当予想が変わるかは、11月の中間決算で確かめます。
ベアベア
地震の費用の額が出たら、もう一度ちゃんと見ようね。
配子配子
そうですね。今月のJR九州は注意しながらホールド。11月の中間決算で、もう一度見ますね。

出典

  • 九州旅客鉄道「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-08-04)・「2026年3月期 決算短信」(2026-05-11)・中期経営計画2025-2027
  • 熊本日日新聞「九州新幹線、断層帯近く被害集中 約600カ所」(2026-08)・「九州新幹線は最大8分所要時間増 18日の全線再開後ダイヤ」(2026-09)

この記事は点検日(2026年10月21日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。

この点検について
毎月1回、配当目的で持っている銘柄に「配当を脅かすニュース」が出ていないかを確かめています。見るのは株価ではなく、配当が続くか・増えるか・減るか。
安心 配当は守られている
注意 気になる材料あり。次の決算を見る
要再考 減配のおそれ。保有を見直す
免責:当ページは運営者「株人(かぶと)」が保有銘柄を点検した記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。 点検日時点の情報にもとづきます。投資判断はご自身の責任で行ってください。