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株人- 今期の配当予想は年130円(前期120円から+10円)。累進配当とDOE(株主資本に対する配当の割合)3.5%を掲げる。IRBANK の2010年以降の記録に減配はない
- 前期の純利益は1,528億円で過去最高水準。国内のガス・電気に加え、米国のLNGやシェールガス、不動産が稼ぐ。今期は1,450億円の予想で、配当性向は約34%
- 気になるのは、第1四半期に原油高の影響で減益だったこと。原料の値段は数か月遅れで料金に反映されるので、利益が一時的にぶれやすい
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていく。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線だ。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 今期予想 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2兆830億円 | 2兆690億円 | 2兆303億円 | 2兆1,700億円 |
| 経常利益 | 2,266億円 | 1,896億円 | 2,045億円 | 1,900億円 |
| 純利益 | 1,327億円 | 1,344億円 | 1,528億円 | 1,450億円 |
| 営業キャッシュフロー | 3,126億円 | 2,837億円 | 3,407億円 | — |
柱は3つある。都市ガスと電気を売る国内のエネルギー事業、米国のシェールガスやLNGの液化基地などの海外エネルギー事業、不動産や情報、素材などのライフ&ビジネス ソリューション事業だ。前期は国内のガス・電気が暖かい気候で減益だったが、米国のLNG事業や不動産の売却が伸びて補った。
天候で上下しやすい国内のガスだけに頼らず、海外と不動産でも稼ぐ形ができている。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月中旬から10月16日までを確かめたが、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、大型の減損といった目立った悪材料はなかった。
2026年5月に決めた自社株買いを進めており、10月の開示では9月末までに約630万株を買っている。株数が減れば、1株あたりの配当を増やしやすくなる。ほかに、大阪湾で初めての船から船へのLNG燃料の供給や、工場の敷地を使った太陽光発電の契約などを発表している。
3. 金利の影響 ― 小さい
2026年6月末の有利子負債は約7,955億円だ。日銀の利上げは借り換えのたびに利息を増やす。ただ、自己資本比率は52.4%(2026年6月末)と公益企業としては厚く、営業キャッシュフローは年3,000億円規模ある。利息の増加で配当が減ることは考えにくい。米国の利下げは、米国の事業の資金調達の費用を下げる方向に働く。
4. 為替の影響 ― 一時的なずれが出る
大阪ガスは、為替で利益の出方が複雑だ。円安になると、輸入するLNGが高くなるが、料金に反映されるのは数か月後なので、その間は利益が一時的に減る(タイムラグ)。一方、米国の事業のドル建ての利益は円安で増える。会社の示す感応度では、時間のずれを除けば1円の円安で経常利益はむしろ約1.6億円増える。
時間のずれによる損益は、あとで料金を通じて取り戻される。為替で配当の原資が根本から削られることは考えにくい。
5. 地政学の影響 ― 原油高は一時的な逆風
中東情勢で原油やLNGが上がると、国内の事業では料金への反映が遅れる分、一時的に利益が減る。第1四半期の減益もこれが主な理由だ。会社は今期の原油価格の前提を1バレル65ドルから80ドルに引き上げている。
一方で、大阪ガスは米国で自らガスを生産し、LNGにして売っている。資源の値段が上がれば、こちらの利益は増える。国内の逆風を海外の追い風が打ち消す形だ。会社は、今の中東情勢でLNGの調達やガス・電気の供給に大きな影響はないとしている。
ベア6. 決算見通し ― 第1四半期は減益
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想 | 第1四半期の実績(4〜6月) |
|---|---|---|
| 売上高 | 2兆1,700億円 | 4,780億円(+1.5%) |
| 営業利益 | 1,500億円 | 313億円(−34.3%) |
| 経常利益 | 1,900億円 | 502億円(−15.3%) |
| 純利益 | 1,450億円 | 357億円(−26.5%) |
第1四半期は原油高による時間のずれで減益だったが、経常利益の進捗は通期予想の約26%で、計画どおりに進んでいる。ガスは冬に多く売れるので、利益は後半に多く出る。会社は、時間のずれを除いた実力の経常利益の見通しを1,970億円に上げており、本業の稼ぐ力は期初の見込みより強い。次の第2四半期(中間期)の決算発表は2026年10月29日の予定だ。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 中期経営計画2026で累進配当を掲げ、配当は利益の変動を受けにくい株主資本を物差しにするDOEで決める。2026年3月期の中間配当から、DOEの目安を3%から3.5%に引き上げた |
|---|---|
| 配当の推移 | 2016〜2020年3月期 50円(据え置き)→ 2021年3月期 52.5円 → 2022年3月期 57.5円 → 2023年3月期 60円 → 2024年3月期 82.5円 → 2025年3月期 95円 → 2026年3月期 120円 → 今期予想 130円。IRBANK の2010年以降の記録に減配はない(2017年10月に5株を1株に併合。併合を調整した値)。利益が571億円に落ちた2023年3月期も増配した |
| 配当性向 | 今期は予想の1株利益381.29円に対して約34% |
| 現金の流れ | 2026年3月期の営業キャッシュフローは約3,407億円、フリーキャッシュフローは約989億円。配当の支払い(約423億円)を大きく上回る |
| 財務の余力 | 自己資本比率 52.4%・有利子負債 約7,955億円・現金 約1,786億円(2026年6月末) |
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株人
ブル株人の判断:ホールドで安心か
- 減らさない約束がある。累進配当とDOE 3.5%。2010年以降に減配はなく、利益が落ちた2023年3月期も増配した
- 稼ぐ場所が分かれている。国内のガス・電気、米国のLNG・シェールガス、不動産。資源高の影響も海外で打ち消せる
- 現金と財務に余裕がある。配当性向は約34%、フリーキャッシュフローは配当の2倍以上、自己資本比率は52%
正直に書いておくと、原料の値段が料金に反映されるまでの時間のずれで、利益は四半期ごとに大きくぶれる。第1四半期も減益だった。暖冬や、米国のLNG基地のトラブルなど、利益を削る要因もある。減配の心配はしていないが、時間のずれを除いた実力の利益が保たれているかは毎回確かめる。
- 2026年10月29日の中間決算:中間配当65円の決議と年130円の予想。時間のずれを除いた実力の経常利益(1,970億円の見通し)の進み具合
- 原油・LNGの値段と為替の動き
- 自社株買いの進み具合
よくある質問
- 大阪ガスは減配の心配はありますか?
- 2026年10月時点では、減配の材料は見当たりません。累進配当とDOE 3.5%を掲げ、今期は年130円(前期120円)の予想です。IRBANK の2010年以降の記録に減配はなく、利益が大きく落ちた2023年3月期も増配しました。将来を約束するものではありません。
- 大阪ガスの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 今期(2027年3月期)の予想は年130円(中間65円・期末65円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- 原油高で利益が減ると、配当も減りますか?
- 原油やLNGが上がると、料金に反映されるまでの数か月は利益が一時的に減りますが、あとで料金を通じて取り戻されます。また配当は利益ではなく株主資本を物差しにするDOEで決めるので、一時的な減益で配当が減ることは考えにくい仕組みです。
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株人出典
- 大阪ガス「2027年3月期 第1四半期決算短信」・業績予想の修正(2026-07-30)
- 大阪ガス「2026年3月期 決算短信」・自己株式の取得に関するお知らせ(2026-05-08)・中期経営計画2026(株主還元方針)
- 大阪ガス 決算説明会(2025-10 DOE を3%から3.5%へ引き上げ)・自己株式の取得状況に関するお知らせ(2026-10)
- IRBANK「大阪瓦斯(9532)の業績」 https://irbank.net/9532/results ・「財務」 https://irbank.net/9532/bs ・「配当」 https://irbank.net/9532/dividend
この記事は点検日(2026年10月16日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。