保有銘柄の月次点検(配当目線)

【2026年10月点検】大阪ガス(9532)はホールドで大丈夫?配当目線で累進配当・DOE3.5%・原油高をチェック

点検日 2026/10/16(金)   電気・ガス業   株人(かぶと)
株人株人
今月の点検、今日は大阪ガスだ。関西の都市ガスと電気の会社で、米国のシェールガスやLNG(液化天然ガス)の基地、不動産なども手がけている。10月に買い付けた、高配当つみたて50銘柄の新しい仲間だ。見るのはいつもどおり「この配当、これからも続くのか」だけだ。
ブルブル
株人さん、大阪ガスは累進配当(減らさない)を掲げてるぜ! 配当は95円→120円→今期130円だ!
ベアベア
でも4〜6月は、営業利益が3割以上減ってるよ。原油が上がって、ガスの仕入れが高くなったんだって…。
ブルブル
それは料金に反映されるまでの時間のずれだぜ。
株人株人
そこを順番に見ていこう。結論は先に書いておく。
判定:安心してホールド 2026年10月の点検
  • 今期の配当予想は年130円(前期120円から+10円)。累進配当とDOE(株主資本に対する配当の割合)3.5%を掲げる。IRBANK の2010年以降の記録に減配はない
  • 前期の純利益は1,528億円で過去最高水準。国内のガス・電気に加え、米国のLNGやシェールガス、不動産が稼ぐ。今期は1,450億円の予想で、配当性向は約34%
  • 気になるのは、第1四半期に原油高の影響で減益だったこと。原料の値段は数か月遅れで料金に反映されるので、利益が一時的にぶれやすい
保有株数
0.5389株
取得単価
5,567円
年間配当(予想)
70円
取得単価に対する利回り
2.34%
参考:評価額 3,082円・含み損益 +82円(判定には使っていません)。保有データは /dividend と同じで、毎営業日自動で更新されます。

ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていく。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線だ。

1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか

項目2024年3月期2025年3月期2026年3月期今期予想
売上高2兆830億円2兆690億円2兆303億円2兆1,700億円
経常利益2,266億円1,896億円2,045億円1,900億円
純利益1,327億円1,344億円1,528億円1,450億円
営業キャッシュフロー3,126億円2,837億円3,407億円—

柱は3つある。都市ガスと電気を売る国内のエネルギー事業、米国のシェールガスやLNGの液化基地などの海外エネルギー事業、不動産や情報、素材などのライフ&ビジネス ソリューション事業だ。前期は国内のガス・電気が暖かい気候で減益だったが、米国のLNG事業や不動産の売却が伸びて補った。

天候で上下しやすい国内のガスだけに頼らず、海外と不動産でも稼ぐ形ができている。

ブルブル
暖冬でガスが売れなくても、米国のガスや不動産で取り返せる。分散が効いてるぜ!

2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?

9月中旬から10月16日までを確かめたが、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、大型の減損といった目立った悪材料はなかった。

2026年5月に決めた自社株買いを進めており、10月の開示では9月末までに約630万株を買っている。株数が減れば、1株あたりの配当を増やしやすくなる。ほかに、大阪湾で初めての船から船へのLNG燃料の供給や、工場の敷地を使った太陽光発電の契約などを発表している。

3. 金利の影響 ― 小さい

2026年6月末の有利子負債は約7,955億円だ。日銀の利上げは借り換えのたびに利息を増やす。ただ、自己資本比率は52.4%(2026年6月末)と公益企業としては厚く、営業キャッシュフローは年3,000億円規模ある。利息の増加で配当が減ることは考えにくい。米国の利下げは、米国の事業の資金調達の費用を下げる方向に働く。

4. 為替の影響 ― 一時的なずれが出る

大阪ガスは、為替で利益の出方が複雑だ。円安になると、輸入するLNGが高くなるが、料金に反映されるのは数か月後なので、その間は利益が一時的に減る(タイムラグ)。一方、米国の事業のドル建ての利益は円安で増える。会社の示す感応度では、時間のずれを除けば1円の円安で経常利益はむしろ約1.6億円増える。

時間のずれによる損益は、あとで料金を通じて取り戻される。為替で配当の原資が根本から削られることは考えにくい。

5. 地政学の影響 ― 原油高は一時的な逆風

中東情勢で原油やLNGが上がると、国内の事業では料金への反映が遅れる分、一時的に利益が減る。第1四半期の減益もこれが主な理由だ。会社は今期の原油価格の前提を1バレル65ドルから80ドルに引き上げている。

一方で、大阪ガスは米国で自らガスを生産し、LNGにして売っている。資源の値段が上がれば、こちらの利益は増える。国内の逆風を海外の追い風が打ち消す形だ。会社は、今の中東情勢でLNGの調達やガス・電気の供給に大きな影響はないとしている。

ベアベア
買う側と売る側の両方を持ってるから、値段が上がっても全体では打ち消し合うんだね。

6. 決算見通し ― 第1四半期は減益

項目今期(2027年3月期)の会社予想第1四半期の実績(4〜6月)
売上高2兆1,700億円4,780億円(+1.5%)
営業利益1,500億円313億円(−34.3%)
経常利益1,900億円502億円(−15.3%)
純利益1,450億円357億円(−26.5%)

第1四半期は原油高による時間のずれで減益だったが、経常利益の進捗は通期予想の約26%で、計画どおりに進んでいる。ガスは冬に多く売れるので、利益は後半に多く出る。会社は、時間のずれを除いた実力の経常利益の見通しを1,970億円に上げており、本業の稼ぐ力は期初の見込みより強い。次の第2四半期(中間期)の決算発表は2026年10月29日の予定だ。

7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事

配当方針中期経営計画2026で累進配当を掲げ、配当は利益の変動を受けにくい株主資本を物差しにするDOEで決める。2026年3月期の中間配当から、DOEの目安を3%から3.5%に引き上げた
配当の推移2016〜2020年3月期 50円(据え置き)→ 2021年3月期 52.5円 → 2022年3月期 57.5円 → 2023年3月期 60円 → 2024年3月期 82.5円 → 2025年3月期 95円 → 2026年3月期 120円 → 今期予想 130円。IRBANK の2010年以降の記録に減配はない(2017年10月に5株を1株に併合。併合を調整した値)。利益が571億円に落ちた2023年3月期も増配した
配当性向今期は予想の1株利益381.29円に対して約34%
現金の流れ2026年3月期の営業キャッシュフローは約3,407億円、フリーキャッシュフローは約989億円。配当の支払い(約423億円)を大きく上回る
財務の余力自己資本比率 52.4%・有利子負債 約7,955億円・現金 約1,786億円(2026年6月末)
ベアベア
利益が落ちた年でも配当を増やしたんだね。でも、それって無理してないのかな…。
株人株人
配当を利益ではなく株主資本で決めているからだ。1年の利益が落ちても株主資本はほとんど減らないので、配当は守られる。それに今の配当性向は3割台で、自由に使える現金は配当の2倍以上ある。無理はしていない。
ブルブル
減らさない約束、DOE、そして自社株買い。三つそろってるぜ!

株人の判断:ホールドで安心か

安心してホールド(継続)
  1. 減らさない約束がある。累進配当とDOE 3.5%。2010年以降に減配はなく、利益が落ちた2023年3月期も増配した
  2. 稼ぐ場所が分かれている。国内のガス・電気、米国のLNG・シェールガス、不動産。資源高の影響も海外で打ち消せる
  3. 現金と財務に余裕がある。配当性向は約34%、フリーキャッシュフローは配当の2倍以上、自己資本比率は52%

正直に書いておくと、原料の値段が料金に反映されるまでの時間のずれで、利益は四半期ごとに大きくぶれる。第1四半期も減益だった。暖冬や、米国のLNG基地のトラブルなど、利益を削る要因もある。減配の心配はしていないが、時間のずれを除いた実力の利益が保たれているかは毎回確かめる。

次の点検で見ること
  • 2026年10月29日の中間決算:中間配当65円の決議と年130円の予想。時間のずれを除いた実力の経常利益(1,970億円の見通し)の進み具合
  • 原油・LNGの値段と為替の動き
  • 自社株買いの進み具合

よくある質問

大阪ガスは減配の心配はありますか?
2026年10月時点では、減配の材料は見当たりません。累進配当とDOE 3.5%を掲げ、今期は年130円(前期120円)の予想です。IRBANK の2010年以降の記録に減配はなく、利益が大きく落ちた2023年3月期も増配しました。将来を約束するものではありません。
大阪ガスの配当はいつ、いくらもらえますか?
今期(2027年3月期)の予想は年130円(中間65円・期末65円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
原油高で利益が減ると、配当も減りますか?
原油やLNGが上がると、料金に反映されるまでの数か月は利益が一時的に減りますが、あとで料金を通じて取り戻されます。また配当は利益ではなく株主資本を物差しにするDOEで決めるので、一時的な減益で配当が減ることは考えにくい仕組みです。
ベアベア
見かけの減益と、本当の稼ぐ力は分けて見るんだね。
株人株人
そういうことだ。今月の大阪ガスは安心してホールド。10月29日の中間決算で、実力の利益と配当の予想をもう一度見る。

出典

  • 大阪ガス「2027年3月期 第1四半期決算短信」・業績予想の修正(2026-07-30)
  • 大阪ガス「2026年3月期 決算短信」・自己株式の取得に関するお知らせ(2026-05-08)・中期経営計画2026(株主還元方針)
  • 大阪ガス 決算説明会(2025-10 DOE を3%から3.5%へ引き上げ)・自己株式の取得状況に関するお知らせ(2026-10)
  • IRBANK「大阪瓦斯(9532)の業績」 https://irbank.net/9532/results ・「財務」 https://irbank.net/9532/bs ・「配当」 https://irbank.net/9532/dividend

この記事は点検日(2026年10月16日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。

この点検について
毎月1回、配当目的で持っている銘柄に「配当を脅かすニュース」が出ていないかを確かめています。見るのは株価ではなく、配当が続くか・増えるか・減るか。
安心 配当は守られている
注意 気になる材料あり。次の決算を見る
要再考 減配のおそれ。保有を見直す
免責:当ページは運営者「株人(かぶと)」が保有銘柄を点検した記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。 点検日時点の情報にもとづきます。投資判断はご自身の責任で行ってください。