保有銘柄の月次点検(配当目線)

【2026年10月点検】大和ハウス工業(1925)はホールドで大丈夫?配当目線で下限配当・株式分割・借入3兆円をチェック

点検日 2026/10/20(火)   建設業   配子(はいこ)
配子配子
こんにちは、配子です。今日は大和ハウス工業を点検します。賃貸住宅や物流施設、戸建住宅をつくる、住宅・建設の大きな会社ですね。わたしは20株を持っていて、夫は持っていない、わたしだけの銘柄です。見るのは「この配当、これからも続くのかしら」だけです。
ベアベア
配子さん…。今期の純利益の予想は2,660億円で、前の期より24%も減るんだって。借入も3兆円を超えて、どんどん増えてるよ。
ブルブル
でも配当は増配の予想だぜ! しかも会社は「年145円(分割前)を下回らない」って下限まで決めてるんだ!
ベアベア
買収や開発で、フリーキャッシュフローは5,000億円を超えるマイナスなの。それでも増やせるのかな…。
配子配子
減益の予想と、増配の予想。どちらが本当の姿なのか、順に見ていきましょう。結論は先に書いておきます。
判定:安心してホールド 2026年10月の点検
  • 今期の配当予想は分割調整後で年89円(前期87.5円)。会社は「配当性向35%以上」と「年145円(分割前)の下限」を決めていて、2015年3月期から一度も減配していない
  • 今期の純利益の予想が24%減るのは、前期に退職給付の会計上の利益(約1,156億円)が入っていた反動。第1四半期の純利益は832億円で、通期予想の31%まで進んだ
  • 気になるのは借入。有利子負債は約3.08兆円(3月末)に増え、フリーキャッシュフローは約5,368億円のマイナス。ただ、本業の営業キャッシュフローは毎年プラスで、配当はそこから払える
保有株数
20株
取得単価
2,193円
年間配当(予想)
1,780円
取得単価に対する利回り
4.06%
参考:評価額 45,350円・含み損益 +1,490円(判定には使っていません)。保有データは /haiko と同じで、毎営業日自動で更新されます。

ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。

1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか

項目2024年3月期2025年3月期2026年3月期今期予想(8月修正後)
売上高約5.20兆円約5.43兆円約5.58兆円約5.90兆円
営業利益4,402億円5,463億円6,149億円4,600億円
純利益2,988億円3,251億円3,506億円2,660億円
営業キャッシュフロー3,023億円4,206億円1,893億円—
自己資本比率37.3%37.1%34.4%—

大和ハウス工業は、戸建住宅のメーカーとして始まり、今は賃貸住宅、マンション、商業施設、物流施設やデータセンター(事業施設)、環境エネルギーまで手がける会社です。アメリカでも戸建住宅の会社をいくつも買い、海外の売上は2割近くになりました。

前期(2026年3月期)は売上・利益とも過去最高でした。ただし、そのなかには退職給付の計算の変更による一時的な利益(約1,156億円)が入っています。今期の利益の予想が大きく減って見えるのは、その分がなくなるためです。

ブルブル
賃貸住宅と物流施設がしっかり稼いでるんだ。戸建だけの会社じゃないんだぜ!

2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?

9月下旬から10月20日までに、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、大きな訴訟といった目立った悪材料はありませんでした。

大きなニュースは2つです。ひとつは、9月4日に発表した23の道県での新築戸建の販売からの撤退(2027年4月以降)。資材や人手のコストが上がり、地方の戸建ではもうけが出にくくなったため、三大都市圏や高価格の住宅に力を集めます。事業は小さくなりますが、赤字を出しやすい仕事をやめるのは、配当の原資を守る動きだと受け止めました。

もうひとつは、9月30日に手続きをしたハイブリッド社債(劣後特約付社債)です。3月に完全子会社にした住友電設の買収(約2,920億円)のための一時的な借入を、35〜40年の長い資金に借り換えます。格付会社が半分を資本と見なす資金なので、新しい株を出さずに財務を厚くできます。株が増えないので、1株あたりの配当が薄まりません。

なお、10月1日に1株を2株に分けました(株式分割)。この記事の配当の金額は、とくに書いていなければ分割後の金額にそろえています。

3. 金利の影響 ― 借入は増えている

有利子負債は2025年3月末の約2.31兆円から、2026年3月末は約3.08兆円に増えました。6月末には約3兆4,639億円で、会社が目安にしているD/Eレシオ(借入÷自己資本)0.6倍程度を大きく超え、1.19倍になっています。住友電設の買収、アメリカの住宅会社の買収、物流施設などの開発用地の仕入れが重なったためです。

日銀の利上げが進めば、この借入の利息が増えて、配当のもとになる利益を少しずつ削ります。また、住宅ローンの金利が上がると、家を買う人の負担も増えます。アメリカでは金利が高いままで、買う人に値引きや金利の補助を出しているため、アメリカの住宅の利益率は下がっています。

一方で会社は、開発した物件を早めに売って現金を回収し、借入の比率を下げる方針を示しています。格付はR&IでAA-を保っています。すぐに配当を削るほどの重さではないと見ていますが、次の点検でも借入の増え方は見ていきます。

ベアベア
目安の0.6倍に対して1.19倍。会社も多すぎるって分かってるから、自社株買いはしばらく控えるって言ってるんだね。

4. 為替の影響 ― 海外と国内で打ち消し合う

円安になると、アメリカなどで稼いだ利益が円に直して増えます。その一方で、国内では輸入する木材や設備の値段が上がり、利益を押し下げます。円高ならその逆です。

海外の売上は2割弱なので、為替でどちらに大きく振れても、配当を削るほどの影響にはなりにくいと考えています。資材の値上がりは販売価格に転嫁できていて、とくに物流施設や賃貸住宅では値上げが通っています。

5. 地政学の影響 ― 中東と資材の値段

中東の情勢で、海上輸送の遅れや運賃の値上がりが心配されています。会社は8月の決算説明会で、代わりの資材を使うなどして工事に大きな遅れは出ていないと説明しました。

資源やエネルギーの値上がりは建築のコストに直結しますが、価格転嫁と、採算の悪い地域からの撤退で備えています。地政学のリスクが、配当の原資を直接削るおそれは小さいと見ています。

6. 決算見通し ― 第1四半期は過去最高

項目今期(2027年3月期)の会社予想第1四半期の実績(4〜6月)進み具合
売上高5兆9,000億円1兆4,084億円(+9.0%)23.9%
営業利益4,600億円1,306億円(+10.6%)28.4%
純利益2,660億円832億円(+9.1%)31.3%

第1四半期は、売上・営業利益とも第1四半期として過去最高でした。8月6日には通期の予想を引き上げ、純利益の予想は2,660億円になりました。例年の第1四半期の進み具合(経常利益で15〜23%)と比べても速いペースです。次の中間決算の発表は2026年11月11日の予定です。

7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事

配当方針配当性向35%以上で業績に連動して還元し、さらに年間の1株配当の下限を145円(分割前・分割後なら72.5円)として安定配当に努める(第7次中期経営計画・2022〜2026年度)
配当の推移分割を調整した1株あたりで、2021年3月期 58円 → 2022年3月期 63円 → 2023年3月期 65円 → 2024年3月期 71.5円 → 2025年3月期 75円 → 2026年3月期 87.5円(うち創業70周年の記念配当5円)→ 今期予想 89円(中間43円相当・期末46円)。2015年3月期から減配はない
配当性向2026年3月期 30.9%。今期は予想の1株利益214.74円に対して約41%
現金の流れ2026年3月期の営業キャッシュフローは1,893億円のプラス。買収や開発の投資でフリーキャッシュフローは約5,368億円のマイナス。フリーキャッシュフローは2022年3月期から5期続けてマイナス
財務の余力自己資本比率 34.4%・有利子負債 約3.08兆円(2026年3月末)
ベアベア
フリーキャッシュフローが5年続けてマイナスって、配当を借金で払ってるのと同じじゃないかな…。
配子配子
マイナスなのは、物流施設やアメリカの住宅の土地のように、あとで売ってお金に戻る投資が多いからです。本業で稼ぐ営業キャッシュフローは毎年プラスで、配当はそこでまかなえています。それに、利益が減る年でも145円(分割前)の下限があります。わたしは「減配したら売る」と決めていますが、今の大和ハウスにその気配はありません。
ブルブル
利益が減る予想の年に増配を出すんだ。下限の約束も、配当への本気度の表れだぜ!

配子の判断:ホールドで安心か

安心してホールド(継続)
  1. 減配しないしくみがある。配当性向35%以上に加えて年145円(分割前)の下限を決めていて、2015年3月期から一度も減配していない
  2. 今期の減益は見かけが大きい。前期の一時的な利益がなくなる反動で、第1四半期は過去最高。配当性向は約41%で、方針の35%以上の範囲
  3. ただし借入は重くなった。有利子負債は約3.08兆円、D/Eレシオは目安の約2倍。配当は守られても、ここが増え続けるなら注意に変える

大和ハウスは、配当の下限と長い増配の実績で、配当の安心感がある会社です。気になるのは、買収と開発で増えた借入だけです。中間決算で、物件の売却で現金が戻ってきているか、借入の増え方が落ち着いたかを見ます。

次の点検で見ること
  • 2026年11月11日の中間決算:中間配当(分割前86円)の決議と、期末46円の予想が保たれるか
  • 有利子負債とD/Eレシオが下がりはじめているか(物件の売却が進んでいるか)
  • アメリカの住宅の利益率が下げ止まったか

よくある質問

大和ハウス工業は減配したことがありますか?
株式分割を調整した1株あたりの年間配当は、2015年3月期以降、前の期を下回ったことはありません。2026年3月期は87.5円(記念配当を含む)、2027年3月期は89円の予想です。将来を約束するものではありません。
大和ハウス工業の配当はいつ、いくらもらえますか?
2027年3月期の予想は、中間が分割前の1株86円、期末が分割後の1株46円です。分割後の株数で数えると、年89円(中間43円相当+期末46円)になります。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
株式分割で配当は減りますか?
2026年10月1日に1株を2株に分けたため、1株あたりの金額は半分の見た目になりますが、持っている株数が2倍になるので、受け取る配当の合計は変わりません。配当の下限145円も分割前の金額で、分割後なら72.5円にあたります。
ブルブル
下限があって、増配の予想も出てる。配子さん、まずはひと安心だな!
配子配子
そうですね。今月の大和ハウスは安心してホールド。11月11日の中間決算で、借入の様子をもう一度見ますね。

出典

  • 大和ハウス工業「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-08-06)・「業績予想・配当予想の修正に関するお知らせ」
  • 大和ハウス工業 配当予想の修正の開示(2025-08)・第7次中期経営計画・「株式分割及び株主優待制度の変更に関するお知らせ」
  • IRBANK「大和ハウス工業(1925)の業績」 https://irbank.net/1925/results ・「四半期」 https://irbank.net/1925/quarter ・「配当」 https://irbank.net/1925/dividend

この記事は点検日(2026年10月20日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。

この点検について
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安心 配当は守られている
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免責:当ページは運営者「株人(かぶと)」が保有銘柄を点検した記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。 点検日時点の情報にもとづきます。投資判断はご自身の責任で行ってください。