保有銘柄の月次点検(配当目線)

【2026年10月点検】ソフトバンク(9434)はホールドで大丈夫?配当目線で配当性向75%・FCF・AI投資1兆円をチェック

点検日 2026/10/20(火)   情報・通信業   配子(はいこ)
配子配子
こんにちは、配子です。今日はソフトバンクを点検します。携帯電話の会社で、LINEヤフーやPayPayもグループにいますね。わたしは30株を持っていて、夫は持っていない、わたしだけの銘柄です。見るのは「この配当、これからも続くのかしら」だけです。
ブルブル
配子さん、ソフトバンクは一度も減配してないんだぜ! 今期は8.6円から8.8円に増配の予想だ!
ベアベア
でも配当性向は76%。それに前の期のフリーキャッシュフローは1,230億円くらいで、配当の総額(年4,000億円あまり)に全然足りないの…。
ブルブル
それはAIのデータセンターに大きく投資してるからだぜ! 携帯の稼ぎは安定してるんだ!
配子配子
安定した稼ぎと、大きな投資。その両方で配当を払い続けられるか、順に見ていきましょう。結論は先に書いておきます。
判定:注意しながらホールド 2026年10月の点検
  • 今期の配当予想は年8.8円(中間4.4円・期末4.4円)で、6期続いた8.6円からの増配。分割を調整すると、上場(2018年)から減配はない
  • 利益は過去最高を更新中(今期の純利益予想5,600億円)。ただ配当性向は約75%と高く、利益の多くを配当に回している
  • 前期のフリーキャッシュフローは約1,230億円で、配当の総額(年4,000億円あまり)を下回った。会社は3年で「営業キャッシュフローの範囲で設備投資と配当をまかなう」計画だが、AIへの1兆円の投資は借入などで上乗せになる。自己資本の比率も16%と低い
保有株数
30株
取得単価
244円
年間配当(予想)
264円
取得単価に対する利回り
3.61%
参考:評価額 7,398円・含み損益 +78円(判定には使っていません)。保有データは /haiko と同じで、毎営業日自動で更新されます。

ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。

1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか

項目2024年3月期2025年3月期2026年3月期今期予想
売上高約6.08兆円約6.54兆円約7.04兆円約7.5兆円
営業利益8,761億円9,890億円1兆425億円1兆1,000億円
純利益4,891億円5,261億円5,508億円5,600億円
営業キャッシュフロー約1.24兆円約1.37兆円約1.39兆円—
フリーキャッシュフロー3,121億円3,727億円1,230億円—

ソフトバンクの利益の約半分は、携帯電話などの個人向けの通信(コンシューマ)です。ほかに法人向けのクラウドやAI(エンタープライズ)、LINEヤフーの広告やネット通販(メディア・EC)、PayPayなどの金融(ファイナンス)があります。会社の予想では、今期は法人向けが約19%、金融が約27%の営業増益で、全体を押し上げます。

通信は毎月の料金が入る事業なので、景気が悪くても稼ぎは大きく崩れにくい。配当のもとになる利益そのものは、安定して伸びています。

ブルブル
スマホは不景気でも解約しにくい。だから通信会社の稼ぎは安定してるんだぜ!

2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?

9月下旬から10月20日までに、業績の下方修正、減配の示唆、大きな訴訟、行政処分といった配当に響く悪材料は見当たりませんでした。

10月には、AIの投資などのための社債を予定どおり発行しています。また、AIの計算基盤(大阪の堺などのデータセンター)づくりを進めています。どちらも将来の稼ぎのための動きですが、借入が増える方向の話でもあります。

3. 金利の影響 ― 借入の多い会社

通信の設備やAIの投資にお金がかかるため、ソフトバンクは借入が多く、株主資本比率は16%(2026年3月末)です。日銀の利上げが進めば、新しく借りるお金や借り換えの利息が増え、配当のもとになる利益を少しずつ削ります。

社債の多くは長い期間・固定金利なので、利息がすぐに急に増えるわけではありません。会社は借入の大きさを稼ぎの2倍台半ば(ネットレバレッジ)に保つ目安を置いています。それでも、金利は配当にとって向かい風です。

ベアベア
配当性向が75%もあると、利息が増えたぶんだけ、配当に回す余裕が減っちゃうよね…。

4. 為替の影響 ― 小さいが、円安はコスト高

売上のほとんどは国内なので、為替で利益が大きく動く会社ではありません。気になるのは、AIのサーバーや通信機器、スマートフォンを海外から買っている点です。円安が進むと、これらの値段が上がり、投資にかかるお金が増えます。

5. 地政学の影響 ― AIの半導体

AIの計算基盤には、最先端の半導体が欠かせません。米中の対立などで調達が難しくなったり値段が上がったりすると、AIの事業の計画が遅れます。ただ、これは「これからの成長」の話で、今の通信の稼ぎを直接削るものではありません。

6. 決算見通し ― 第1四半期は順調

項目今期(2027年3月期)の会社予想第1四半期の実績(4〜6月)進み具合
売上高7兆5,000億円1兆8,147億円(+9.4%)24.2%
営業利益1兆1,000億円3,023億円(+4.0%)27.5%
純利益5,600億円1,501億円(+3.3%)26.8%

第1四半期としては過去最高で、進み具合も例年の範囲です。次の中間決算の発表は2026年11月9日の予定です。

7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事

配当方針業績、財政状態、キャッシュフローなどを総合的に考え、安定性・継続性に配慮して配当する。中期経営計画では、利益の成長に合わせて配当を増やす方向を示している
配当の推移分割(2024年10月に1株→10株)を調整した1株あたりで、2020年3月期 8.5円 → 2021年3月期から2026年3月期まで 8.6円(6期続けて同じ)→ 今期予想 8.8円(中間4.4円・期末4.4円)。上場から減配はない
配当性向2026年3月期 75.8%。今期は予想の1株利益11.7円に対して約75%
現金の流れ2026年3月期の営業キャッシュフローは約1.39兆円、投資のキャッシュフローが約1.27兆円のマイナスで、フリーキャッシュフローは約1,230億円。会社の3年間の計画は、営業キャッシュフロー3.4兆円で、設備投資など1.9兆円と配当1.3兆円をまかない、AIなどの戦略投資枠1.0兆円を上乗せする形
財務の余力株主資本比率 16.0%(2026年3月末)
ベアベア
稼いだ現金より、配当と投資のほうが多いってことだよね。足りない分は借金…。
配子配子
会社の計画では、配当は通信の稼ぎ(営業キャッシュフローから設備投資を引いた分)でまかなえる形です。足りなくなるのはAIへの1兆円の投資の分です。だから、AIの投資がうまくいって稼ぎになるかどうかが、この先の配当を左右します。わたしは「減配したら売る」と決めています。今すぐ減る心配は小さいので持ちますが、余裕の小さい配当だということは覚えておきます。
ブルブル
AIが稼ぎはじめたら、今度は増配の材料になる。そこが楽しみなところだな!

配子の判断:ホールドで安心か

注意しながらホールド(継続)
  1. 通信の稼ぎは安定している。利益は過去最高を更新中。上場から減配はなく、今期は8.8円への増配予想
  2. でも配当の余裕は小さい。配当性向は約75%。前期のフリーキャッシュフロー(約1,230億円)は配当の総額を下回った
  3. AIの投資で借入が増える。3年で1兆円の戦略投資を、配当とは別に上乗せする計画。株主資本比率は16%で、金利の上昇も向かい風。ここが「注意」にした理由

ソフトバンクは、通信という安定した稼ぎの上に、高い配当とAIへの大きな投資を重ねている会社です。今すぐ配当が減る心配は小さい一方、余裕は大きくありません。中間決算で、利益の予想が保たれているか、借入の増え方とAIの投資の進み具合を見ます。

次の点検で見ること
  • 2026年11月9日の中間決算:純利益5,600億円と、年8.8円の配当予想が保たれるか
  • フリーキャッシュフローと借入の増え方(ネットレバレッジの目安を守れているか)
  • 携帯の1契約あたりの収入(ARPU)が上向いているか

よくある質問

ソフトバンクは減配したことがありますか?
株式分割を調整した1株あたりの年間配当は、2018年の上場以降、前の期を下回ったことはありません。2021年3月期から2026年3月期までは8.6円で同じ、2027年3月期は8.8円の予想です。将来を約束するものではありません。
ソフトバンクの配当はいつ、いくらもらえますか?
2027年3月期の予想は年8.8円(中間4.4円・期末4.4円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
ソフトバンクとソフトバンクグループは違う会社ですか?
違う会社です。ソフトバンク(9434)は携帯電話などの通信会社で、ソフトバンクグループ(9984)はその親会社の投資会社です。この記事はソフトバンク(9434)の点検です。
ベアベア
減配はしてない。でも余裕は小さい。だから「注意」なんだね。
配子配子
はい。今月のソフトバンクは注意しながらホールド。11月9日の中間決算で、もう一度見ますね。

出典

  • ソフトバンク「2027年3月期 第1四半期決算」(2026-08-04)・2026年3月期の決算説明会資料(2026-05)
  • IRBANK「ソフトバンク(9434)の業績」 https://irbank.net/9434/results ・「四半期」 https://irbank.net/9434/quarter ・「配当」 https://irbank.net/9434/dividend

この記事は点検日(2026年10月20日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。

この点検について
毎月1回、配当目的で持っている銘柄に「配当を脅かすニュース」が出ていないかを確かめています。見るのは株価ではなく、配当が続くか・増えるか・減るか。
安心 配当は守られている
注意 気になる材料あり。次の決算を見る
要再考 減配のおそれ。保有を見直す
免責:当ページは運営者「株人(かぶと)」が保有銘柄を点検した記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。 点検日時点の情報にもとづきます。投資判断はご自身の責任で行ってください。