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配子- 今期の配当予想は年8.8円(中間4.4円・期末4.4円)で、6期続いた8.6円からの増配。分割を調整すると、上場(2018年)から減配はない
- 利益は過去最高を更新中(今期の純利益予想5,600億円)。ただ配当性向は約75%と高く、利益の多くを配当に回している
- 前期のフリーキャッシュフローは約1,230億円で、配当の総額(年4,000億円あまり)を下回った。会社は3年で「営業キャッシュフローの範囲で設備投資と配当をまかなう」計画だが、AIへの1兆円の投資は借入などで上乗せになる。自己資本の比率も16%と低い
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 今期予想 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 約6.08兆円 | 約6.54兆円 | 約7.04兆円 | 約7.5兆円 |
| 営業利益 | 8,761億円 | 9,890億円 | 1兆425億円 | 1兆1,000億円 |
| 純利益 | 4,891億円 | 5,261億円 | 5,508億円 | 5,600億円 |
| 営業キャッシュフロー | 約1.24兆円 | 約1.37兆円 | 約1.39兆円 | — |
| フリーキャッシュフロー | 3,121億円 | 3,727億円 | 1,230億円 | — |
ソフトバンクの利益の約半分は、携帯電話などの個人向けの通信(コンシューマ)です。ほかに法人向けのクラウドやAI(エンタープライズ)、LINEヤフーの広告やネット通販(メディア・EC)、PayPayなどの金融(ファイナンス)があります。会社の予想では、今期は法人向けが約19%、金融が約27%の営業増益で、全体を押し上げます。
通信は毎月の料金が入る事業なので、景気が悪くても稼ぎは大きく崩れにくい。配当のもとになる利益そのものは、安定して伸びています。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月下旬から10月20日までに、業績の下方修正、減配の示唆、大きな訴訟、行政処分といった配当に響く悪材料は見当たりませんでした。
10月には、AIの投資などのための社債を予定どおり発行しています。また、AIの計算基盤(大阪の堺などのデータセンター)づくりを進めています。どちらも将来の稼ぎのための動きですが、借入が増える方向の話でもあります。
3. 金利の影響 ― 借入の多い会社
通信の設備やAIの投資にお金がかかるため、ソフトバンクは借入が多く、株主資本比率は16%(2026年3月末)です。日銀の利上げが進めば、新しく借りるお金や借り換えの利息が増え、配当のもとになる利益を少しずつ削ります。
社債の多くは長い期間・固定金利なので、利息がすぐに急に増えるわけではありません。会社は借入の大きさを稼ぎの2倍台半ば(ネットレバレッジ)に保つ目安を置いています。それでも、金利は配当にとって向かい風です。
ベア4. 為替の影響 ― 小さいが、円安はコスト高
売上のほとんどは国内なので、為替で利益が大きく動く会社ではありません。気になるのは、AIのサーバーや通信機器、スマートフォンを海外から買っている点です。円安が進むと、これらの値段が上がり、投資にかかるお金が増えます。
5. 地政学の影響 ― AIの半導体
AIの計算基盤には、最先端の半導体が欠かせません。米中の対立などで調達が難しくなったり値段が上がったりすると、AIの事業の計画が遅れます。ただ、これは「これからの成長」の話で、今の通信の稼ぎを直接削るものではありません。
6. 決算見通し ― 第1四半期は順調
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想 | 第1四半期の実績(4〜6月) | 進み具合 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7兆5,000億円 | 1兆8,147億円(+9.4%) | 24.2% |
| 営業利益 | 1兆1,000億円 | 3,023億円(+4.0%) | 27.5% |
| 純利益 | 5,600億円 | 1,501億円(+3.3%) | 26.8% |
第1四半期としては過去最高で、進み具合も例年の範囲です。次の中間決算の発表は2026年11月9日の予定です。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 業績、財政状態、キャッシュフローなどを総合的に考え、安定性・継続性に配慮して配当する。中期経営計画では、利益の成長に合わせて配当を増やす方向を示している |
|---|---|
| 配当の推移 | 分割(2024年10月に1株→10株)を調整した1株あたりで、2020年3月期 8.5円 → 2021年3月期から2026年3月期まで 8.6円(6期続けて同じ)→ 今期予想 8.8円(中間4.4円・期末4.4円)。上場から減配はない |
| 配当性向 | 2026年3月期 75.8%。今期は予想の1株利益11.7円に対して約75% |
| 現金の流れ | 2026年3月期の営業キャッシュフローは約1.39兆円、投資のキャッシュフローが約1.27兆円のマイナスで、フリーキャッシュフローは約1,230億円。会社の3年間の計画は、営業キャッシュフロー3.4兆円で、設備投資など1.9兆円と配当1.3兆円をまかない、AIなどの戦略投資枠1.0兆円を上乗せする形 |
| 財務の余力 | 株主資本比率 16.0%(2026年3月末) |
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ブル配子の判断:ホールドで安心か
- 通信の稼ぎは安定している。利益は過去最高を更新中。上場から減配はなく、今期は8.8円への増配予想
- でも配当の余裕は小さい。配当性向は約75%。前期のフリーキャッシュフロー(約1,230億円)は配当の総額を下回った
- AIの投資で借入が増える。3年で1兆円の戦略投資を、配当とは別に上乗せする計画。株主資本比率は16%で、金利の上昇も向かい風。ここが「注意」にした理由
ソフトバンクは、通信という安定した稼ぎの上に、高い配当とAIへの大きな投資を重ねている会社です。今すぐ配当が減る心配は小さい一方、余裕は大きくありません。中間決算で、利益の予想が保たれているか、借入の増え方とAIの投資の進み具合を見ます。
- 2026年11月9日の中間決算:純利益5,600億円と、年8.8円の配当予想が保たれるか
- フリーキャッシュフローと借入の増え方(ネットレバレッジの目安を守れているか)
- 携帯の1契約あたりの収入(ARPU)が上向いているか
よくある質問
- ソフトバンクは減配したことがありますか?
- 株式分割を調整した1株あたりの年間配当は、2018年の上場以降、前の期を下回ったことはありません。2021年3月期から2026年3月期までは8.6円で同じ、2027年3月期は8.8円の予想です。将来を約束するものではありません。
- ソフトバンクの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 2027年3月期の予想は年8.8円(中間4.4円・期末4.4円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- ソフトバンクとソフトバンクグループは違う会社ですか?
- 違う会社です。ソフトバンク(9434)は携帯電話などの通信会社で、ソフトバンクグループ(9984)はその親会社の投資会社です。この記事はソフトバンク(9434)の点検です。
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配子出典
- ソフトバンク「2027年3月期 第1四半期決算」(2026-08-04)・2026年3月期の決算説明会資料(2026-05)
- IRBANK「ソフトバンク(9434)の業績」 https://irbank.net/9434/results ・「四半期」 https://irbank.net/9434/quarter ・「配当」 https://irbank.net/9434/dividend
この記事は点検日(2026年10月20日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。