保有銘柄の月次点検(配当目線)

【2026年10月点検】第一ライフグループ(8750)はホールドで大丈夫?配当目線で原則減配なし・72円・不正アクセスをチェック

点検日 2026/10/21(水)   保険業   配子(はいこ)
配子配子
こんにちは、配子です。今日は第一ライフグループを点検します。第一生命保険を中心にした生命保険のグループで、4月に「第一生命ホールディングス」から名前が変わりました。10月に足した20銘柄のひとつで、少しずつ買いはじめたところです。夫は持っていない、わたしだけの銘柄です。見るのは「この配当、これからも続くのかしら」だけです。
ブルブル
配子さん、今期の配当は54.5円から72円に増やす予想だぜ! しかも「減配は原則しない」って決めたんだ!
ベアベア
でも10月の初めに、社員の情報が入った人事のシステムに不正アクセスがあったの。約12万人分だって…。
ブルブル
お客さんの情報には届いてないって会社は言ってるぜ! それに金利が上がるのは、生命保険には追い風なんだ!
配子配子
悪いニュースと良いニュースが両方ありますね。順に見ていきましょう。結論は先に書いておきます。
判定:安心してホールド 2026年10月の点検
  • 今期の配当予想は年72円(中間36円・期末36円)で、前期54.5円から増配。5月に方針を変え、配当性向50%以上・1株配当は原則減らさないとした
  • 配当は本業の利益(グループ修正利益)の3年平均で決めるので、1年だけ利益が落ちても配当に出にくい。第1四半期の純利益は通期予想の31%まで進んだ
  • 10月に人事システムへの不正アクセスを公表。お客さまの情報への不正アクセスは確認されていないとのことで、配当の原資を削る話ではないと見ている
保有株数
0.0538株
取得単価
1,859円
年間配当(予想)
4円
取得単価に対する利回り
3.87%
参考:評価額 98円・含み損益 −2円(判定には使っていません)。保有データは /haiko と同じで、毎営業日自動で更新されます。

ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。

1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか

項目2025年3月期2026年3月期今期予想
経常収益9兆8,766億円11兆3,082億円10兆6,660億円
経常利益7,557億円7,536億円8,690億円
純利益4,584億円4,365億円5,130億円
営業キャッシュフロー5,925億円7,921億円—

第一ライフグループは、国内の生命保険(第一生命・第一フロンティア生命・ネオファースト生命など)、海外の生命保険(米国のプロテクティブ、オーストラリアのTALなど)、資産運用の3つが柱です。

生命保険の会社は、持っている株や債券の値動きで決算上の利益が大きく揺れます。そこで会社は、そうした揺れを除いた本業の利益を「グループ修正利益」として示していて、配当もこの数字をもとに決めます。前期のグループ修正利益は5,515億円で、3期続けて過去最高でした。

ブルブル
配当のもとになる利益が、3年続けて最高なんだぜ!

2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?

10月2日、第一ライフグループと第一生命保険は、社員向けの人事システムが不正アクセスを受けたと公表しました。9月24日に見つかったもので、今の社員約5万人と退職した人約7万人、あわせて約12万人の氏名・住所・電話番号などが外に出たおそれがあります。

会社は、お客さまの情報への不正アクセスは確認されていないとしています。保険の会社にとって怖いのは、お客さまの信頼を失って解約が続くことです。今のところ社員の情報にとどまっていて、配当の原資を削るほどの話ではないと見ています。調査や対策の費用がどれくらいかかるかは、次の決算で確かめます。

そのほか、業績の下方修正や減配の示唆といった、配当に直接響く悪材料は見当たりませんでした。

ベアベア
侵入の手口はまだ分かってないんだよね。続報は見ておきたいな…。

3. 金利の影響 ― 上がるのは追い風

生命保険の会社は、お客さまから預かった保険料を長い期間、主に債券で運用し、その利回りと、お客さまに約束した利回り(予定利率)との差で稼ぎます。日本の金利が長く低すぎたことが、これまでの重荷でした。

日銀の利上げで長い期間の金利が上がると、新しく買う債券の利回りが上がり、本業の利益が太くなります。金利の上昇は、この会社の配当にとって追い風です。一方で、金利が上がると、貯蓄型の保険を解約してほかの金融商品に移す人が増えるおそれがあるので、解約の動きは見ておきます。

4. 為替の影響 ― 円高だと海外の利益が目減り

米国やオーストラリアの子会社が稼いだ利益は、円に直して決算に入ります。円安なら増え、円高なら減ります。ただ配当は3年平均の利益で決めるので、為替が1年動いただけで配当が大きく変わるしくみではありません。

5. 地政学の影響 ― 市場の急落を通じて

保険の会社は工場や部品の調達網を持たないので、紛争や関税が直接コストを押し上げることはあまりありません。気をつけたいのは、世界の株や債券が大きく下がって、持っている資産の値が下がることです。この場合も、3年平均で配当を決めるしくみがクッションになります。

ベアベア
1年だけ悪くても、3年でならすから配当は急に減らないんだね。

6. 決算見通し ― 第1四半期は大きく増益

項目今期(2027年3月期)の会社予想第1四半期の実績(4〜6月)進み具合
経常収益10兆6,660億円2兆8,930億円(+25.3%)27.1%
経常利益8,690億円2,510億円(+195.6%)28.9%
純利益5,130億円1,600億円(+367.8%)31.2%

第1四半期は資産運用の収益が大きく増えました。伸び率がとても大きいのは、前の年の第1四半期の純利益が74.7%減と落ち込んでいた反動もあります。それでも通期予想に対して3割を超えていて、順調です。8月の時点で、通期予想と年72円の配当予想は変えていません。次は11月中旬の中間決算です。

7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事

配当方針2027年3月期の中間配当から、配当性向の目安を50%以上に引き上げ。グループ修正利益の直近3年平均をもとに計算し、1株あたりの配当は原則減らさない(2026年5月15日に変更)
配当の推移分割(2025年4月に1株→4株)を調整した1株あたりで、2021年3月期 15.5円 → 2022年3月期 20.75円 → 2023年3月期 21.5円 → 2024年3月期 28.25円 → 2025年3月期 34.25円 → 2026年3月期 54.5円 → 今期予想 72円(中間36円・期末36円)。確かめた範囲で減配はない
配当性向2025年3月期 29.5% → 2026年3月期 45.5% → 今期予想 50.5%(決算上の純利益に対して)
お金の裏付け前期の営業キャッシュフローは7,921億円で、配当の総額 約1,972億円を大きく上回る。前期は配当とあわせて自社株買いもした
自己資本比率5.7%(2026年3月末)。保険の会社は預かった保険料のための準備金が負債に入るので、この数字は低く出るのがふつう
ベアベア
配当が1年で54.5円から72円って、増えかたが急すぎない? 無理してないかな…。
配子配子
配当性向を50%に上げたぶん、増えかたが大きいんですね。それでも配当の総額は営業キャッシュフローの4分の1ほどです。わたしは「減配したら売る」と決めていますが、会社が「原則減らさない」と書いてくれたのは心強いです。
ブルブル
3年平均でならして、しかも減らさない。配当を受け取る側には、ありがたい決め方だな!

配子の判断:ホールドで安心か

安心してホールド(継続)
  1. 配当の決め方が受け取る側にやさしい。配当性向50%以上・本業の利益の3年平均で計算・1株配当は原則減らさない、と方針に書いた
  2. 本業の利益が伸びている。グループ修正利益は3期続けて過去最高。金利の上昇が追い風で、第1四半期も通期予想の3割まで進んだ
  3. 不正アクセスは見ていく。お客さまの情報への不正アクセスは確認されていないが、手口や費用、続報は次の点検で確かめる

第一ライフグループは、配当の決め方そのものを、受け取る側に安心な形に変えた会社です。中間決算で、利益の予想と年72円の配当予想が保たれるか、不正アクセスの費用がどれくらいかを見ます。

次の点検で見ること
  • 11月中旬の中間決算:純利益5,130億円と、年72円の配当予想が保たれるか
  • 人事システムへの不正アクセスの続報(手口・費用・お客さまの情報への影響)
  • 金利の上昇で、貯蓄型の保険の解約が増えていないか

よくある質問

第一ライフグループは減配したことがありますか?
確かめた2021年3月期以降、株式分割を調整した1株あたりの年間配当は減っていません。2025年に配当の金額が137円から54.5円になったのは、1株を4株に分けた株式分割のためで、分割を調整すると34.25円から54.5円への増配です。2026年5月からは「1株あたりの配当は原則減らさない」方針です。将来を約束するものではありません。
第一ライフグループの配当はいつ、いくらもらえますか?
2027年3月期の予想は年72円(中間36円・期末36円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
人事システムへの不正アクセスで、配当は大丈夫ですか?
会社は2026年10月2日に、社員と退職した人の約12万人分の情報が外に出たおそれがあると公表しました。お客さまの情報への不正アクセスは確認されていないとしています。配当に響くかどうかは、調査や対策の費用が出る次の決算で確かめます。
ベアベア
不正アクセスの続報だけは、ちゃんと見ていこうね。
配子配子
そうですね。今月の第一ライフグループは安心してホールド。11月の中間決算で、もう一度見ますね。

出典

  • 第一ライフグループ「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-08-07)・「2026年3月期 決算短信」(2026-05-15)・配当方針の変更に関するお知らせ(2026-05-15)
  • 第一ライフグループ・第一生命保険「当社の従業員向け人事システムへの不正アクセスについて」(2026-10-02)/ScanNetSecurity(2026-10-15)

この記事は点検日(2026年10月21日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。

この点検について
毎月1回、配当目的で持っている銘柄に「配当を脅かすニュース」が出ていないかを確かめています。見るのは株価ではなく、配当が続くか・増えるか・減るか。
安心 配当は守られている
注意 気になる材料あり。次の決算を見る
要再考 減配のおそれ。保有を見直す
免責:当ページは運営者「株人(かぶと)」が保有銘柄を点検した記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。 点検日時点の情報にもとづきます。投資判断はご自身の責任で行ってください。