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配子- 今期の配当予想は年72円(中間36円・期末36円)で、前期54.5円から増配。5月に方針を変え、配当性向50%以上・1株配当は原則減らさないとした
- 配当は本業の利益(グループ修正利益)の3年平均で決めるので、1年だけ利益が落ちても配当に出にくい。第1四半期の純利益は通期予想の31%まで進んだ
- 10月に人事システムへの不正アクセスを公表。お客さまの情報への不正アクセスは確認されていないとのことで、配当の原資を削る話ではないと見ている
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 今期予想 |
|---|---|---|---|
| 経常収益 | 9兆8,766億円 | 11兆3,082億円 | 10兆6,660億円 |
| 経常利益 | 7,557億円 | 7,536億円 | 8,690億円 |
| 純利益 | 4,584億円 | 4,365億円 | 5,130億円 |
| 営業キャッシュフロー | 5,925億円 | 7,921億円 | — |
第一ライフグループは、国内の生命保険(第一生命・第一フロンティア生命・ネオファースト生命など)、海外の生命保険(米国のプロテクティブ、オーストラリアのTALなど)、資産運用の3つが柱です。
生命保険の会社は、持っている株や債券の値動きで決算上の利益が大きく揺れます。そこで会社は、そうした揺れを除いた本業の利益を「グループ修正利益」として示していて、配当もこの数字をもとに決めます。前期のグループ修正利益は5,515億円で、3期続けて過去最高でした。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
10月2日、第一ライフグループと第一生命保険は、社員向けの人事システムが不正アクセスを受けたと公表しました。9月24日に見つかったもので、今の社員約5万人と退職した人約7万人、あわせて約12万人の氏名・住所・電話番号などが外に出たおそれがあります。
会社は、お客さまの情報への不正アクセスは確認されていないとしています。保険の会社にとって怖いのは、お客さまの信頼を失って解約が続くことです。今のところ社員の情報にとどまっていて、配当の原資を削るほどの話ではないと見ています。調査や対策の費用がどれくらいかかるかは、次の決算で確かめます。
そのほか、業績の下方修正や減配の示唆といった、配当に直接響く悪材料は見当たりませんでした。
ベア3. 金利の影響 ― 上がるのは追い風
生命保険の会社は、お客さまから預かった保険料を長い期間、主に債券で運用し、その利回りと、お客さまに約束した利回り(予定利率)との差で稼ぎます。日本の金利が長く低すぎたことが、これまでの重荷でした。
日銀の利上げで長い期間の金利が上がると、新しく買う債券の利回りが上がり、本業の利益が太くなります。金利の上昇は、この会社の配当にとって追い風です。一方で、金利が上がると、貯蓄型の保険を解約してほかの金融商品に移す人が増えるおそれがあるので、解約の動きは見ておきます。
4. 為替の影響 ― 円高だと海外の利益が目減り
米国やオーストラリアの子会社が稼いだ利益は、円に直して決算に入ります。円安なら増え、円高なら減ります。ただ配当は3年平均の利益で決めるので、為替が1年動いただけで配当が大きく変わるしくみではありません。
5. 地政学の影響 ― 市場の急落を通じて
保険の会社は工場や部品の調達網を持たないので、紛争や関税が直接コストを押し上げることはあまりありません。気をつけたいのは、世界の株や債券が大きく下がって、持っている資産の値が下がることです。この場合も、3年平均で配当を決めるしくみがクッションになります。
ベア6. 決算見通し ― 第1四半期は大きく増益
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想 | 第1四半期の実績(4〜6月) | 進み具合 |
|---|---|---|---|
| 経常収益 | 10兆6,660億円 | 2兆8,930億円(+25.3%) | 27.1% |
| 経常利益 | 8,690億円 | 2,510億円(+195.6%) | 28.9% |
| 純利益 | 5,130億円 | 1,600億円(+367.8%) | 31.2% |
第1四半期は資産運用の収益が大きく増えました。伸び率がとても大きいのは、前の年の第1四半期の純利益が74.7%減と落ち込んでいた反動もあります。それでも通期予想に対して3割を超えていて、順調です。8月の時点で、通期予想と年72円の配当予想は変えていません。次は11月中旬の中間決算です。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 2027年3月期の中間配当から、配当性向の目安を50%以上に引き上げ。グループ修正利益の直近3年平均をもとに計算し、1株あたりの配当は原則減らさない(2026年5月15日に変更) |
|---|---|
| 配当の推移 | 分割(2025年4月に1株→4株)を調整した1株あたりで、2021年3月期 15.5円 → 2022年3月期 20.75円 → 2023年3月期 21.5円 → 2024年3月期 28.25円 → 2025年3月期 34.25円 → 2026年3月期 54.5円 → 今期予想 72円(中間36円・期末36円)。確かめた範囲で減配はない |
| 配当性向 | 2025年3月期 29.5% → 2026年3月期 45.5% → 今期予想 50.5%(決算上の純利益に対して) |
| お金の裏付け | 前期の営業キャッシュフローは7,921億円で、配当の総額 約1,972億円を大きく上回る。前期は配当とあわせて自社株買いもした |
| 自己資本比率 | 5.7%(2026年3月末)。保険の会社は預かった保険料のための準備金が負債に入るので、この数字は低く出るのがふつう |
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ブル配子の判断:ホールドで安心か
- 配当の決め方が受け取る側にやさしい。配当性向50%以上・本業の利益の3年平均で計算・1株配当は原則減らさない、と方針に書いた
- 本業の利益が伸びている。グループ修正利益は3期続けて過去最高。金利の上昇が追い風で、第1四半期も通期予想の3割まで進んだ
- 不正アクセスは見ていく。お客さまの情報への不正アクセスは確認されていないが、手口や費用、続報は次の点検で確かめる
第一ライフグループは、配当の決め方そのものを、受け取る側に安心な形に変えた会社です。中間決算で、利益の予想と年72円の配当予想が保たれるか、不正アクセスの費用がどれくらいかを見ます。
- 11月中旬の中間決算:純利益5,130億円と、年72円の配当予想が保たれるか
- 人事システムへの不正アクセスの続報(手口・費用・お客さまの情報への影響)
- 金利の上昇で、貯蓄型の保険の解約が増えていないか
よくある質問
- 第一ライフグループは減配したことがありますか?
- 確かめた2021年3月期以降、株式分割を調整した1株あたりの年間配当は減っていません。2025年に配当の金額が137円から54.5円になったのは、1株を4株に分けた株式分割のためで、分割を調整すると34.25円から54.5円への増配です。2026年5月からは「1株あたりの配当は原則減らさない」方針です。将来を約束するものではありません。
- 第一ライフグループの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 2027年3月期の予想は年72円(中間36円・期末36円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- 人事システムへの不正アクセスで、配当は大丈夫ですか?
- 会社は2026年10月2日に、社員と退職した人の約12万人分の情報が外に出たおそれがあると公表しました。お客さまの情報への不正アクセスは確認されていないとしています。配当に響くかどうかは、調査や対策の費用が出る次の決算で確かめます。
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配子出典
- 第一ライフグループ「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-08-07)・「2026年3月期 決算短信」(2026-05-15)・配当方針の変更に関するお知らせ(2026-05-15)
- 第一ライフグループ・第一生命保険「当社の従業員向け人事システムへの不正アクセスについて」(2026-10-02)/ScanNetSecurity(2026-10-15)
この記事は点検日(2026年10月21日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。