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配子- 今期の配当予想は年164円(中間82円・期末82円)で、前期130円から増配。配当は本業の利益(グループ修正利益)の5年平均の60%程度で決めるので、1年の利益のぶれが配当に出にくい
- グループ修正利益は前期 1,585億円で過去最高。今期は1,720億円の予想で、第1四半期で31%まで進んだ。金利の上昇が追い風
- 決算上の純利益が赤字だった2023年3月期にも増配した。気をつけたいのは、金利の上昇による解約の増加と、海外の投資先の損益
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 今期予想 |
|---|---|---|---|
| 経常収益 | 3兆7,304億円 | 3兆4,822億円 | 3兆円 |
| 経常利益 | 1,985億円 | 2,571億円 | 2,350億円 |
| 純利益 | 1,263億円 | 1,389億円 | 1,350億円 |
| グループ修正利益 | — | 1,585億円 | 1,720億円 |
T&Dホールディングスは、中小企業向けの保険に強い大同生命と、家庭向けの太陽生命が稼ぎ頭です。ほかに、代理店や銀行で売る貯蓄型の保険のT&Dフィナンシャル生命と、海外の保険の契約をまとめて引き受ける会社への投資があります。
生命保険の会社は、持っている株や債券の値動きで決算上の利益が大きく揺れます。そこで会社は、そうした揺れを除いた「グループ修正利益」を株主への還元のもとにしています。前期は1,585億円(+13.1%)で過去最高でした。今期は決算上の純利益が少し減る予想ですが、グループ修正利益は1,720億円に増える予想です。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月下旬から10月21日までに、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事といった配当に響く悪材料は見当たりませんでした。
9月には、6月に決めた自社株買い(上限300億円)を上限まで買い終えました。株の数が減ると、同じ配当の総額でも1株あたりに回るお金が増えます。
少し前の6月には、T&Dフィナンシャル生命の株の70.2%をPayPayに売ることを決めています(実行は2027年10月の予定)。前期のグループ修正利益のうち、この会社の分は約77億円で、全体の5%ほどです。売ったお金の使いみちは、この先の発表を見ていきます。
3. 金利の影響 ― 上がるのは追い風
生命保険の会社は、お客さまから預かった保険料を長い期間、主に債券で運用します。日銀の利上げで金利が上がると、満期になった債券や新しい保険料を、利回りの高い債券に回せます。本業の利益が太くなるので、金利の上昇は配当にとって追い風です。
一方で、金利が上がると、利回りの低い昔の保険を解約してほかに乗り換える人が増えます。会社の健全性を示す ESR(経済価値ベースのソルベンシー比率)は、解約が増えたことなどで3月末に222%へ下がり、6月末は229%でした。解約の増え方は見ておきます。
ベア4. 為替の影響 ― 小さい
外国の債券も持っているので、円高になると利益が減ります。会社の説明では、1円の円高でグループ修正利益が約5億円減る程度です。今期予想の1,720億円に比べると小さく、為替だけで配当が揺らぐことはないと見ています。
5. 地政学の影響 ― 市場の急落を通じて
保険の会社は工場や部品の調達網を持たないので、紛争や関税で直接コストが上がることはあまりありません。気をつけたいのは、世界の株や債券が大きく下がることと、米国やドイツの保険の投資先の損益です。このときも、5年平均で配当を決めるしくみがクッションになります。
6. 決算見通し ― 第1四半期は大きく増益
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想 | 第1四半期の実績(4〜6月) | 進み具合 |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 2,350億円 | 762億円(+29.9%) | 32.5% |
| 純利益 | 1,350億円 | 422億円(+13.3%) | 31.3% |
| グループ修正利益 | 1,720億円 | 532億円(+35.0%) | 30.9% |
第1四半期は資産運用の収益が増えて、どの利益も3割を超えて進みました。8月の時点で、通期予想と年164円の配当予想は変えていません。次は11月中旬の中間決算です。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 5年平均のグループ修正利益の60%程度を配当にする。自社株買いを含めた還元は中長期で60%程度を目指す |
|---|---|
| 配当の推移 | 2021年3月期 46円 → 2022年3月期 56円 → 2023年3月期 62円 → 2024年3月期 70円 → 2025年3月期 80円 → 2026年3月期 130円 → 今期予想 164円(中間82円・期末82円)。決算上の純利益が赤字だった2023年3月期も増配 |
| 配当性向 | 2025年3月期 33.1% → 2026年3月期 46.5% → 今期予想 58.3%(決算上の純利益に対して) |
| お金の裏付け | 前期の配当の総額は約637億円。営業キャッシュフローは1,502億円で、現金は6,961億円(2026年3月末)。保険の会社の営業キャッシュフローは年によって大きく振れ、前の期はマイナスだった |
| 自己資本比率 | 9.3%(2026年3月末)。保険の会社は預かった保険料のための準備金が負債に入るので、低く出るのがふつう |
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ブル配子の判断:ホールドで安心か
- 配当の決め方が安定している。本業の利益の5年平均の60%程度。決算上の赤字だった年にも増配した実績がある
- 本業の利益が伸びている。グループ修正利益は過去最高で、今期も1,720億円へ増える予想。第1四半期で3割まで進んだ
- ただ、解約と子会社の売却は見ていく。金利の上昇で解約が増えていないか、T&Dフィナンシャル生命を売ったお金をどう使うか
T&Dホールディングスは、決算上の利益が揺れても配当を増やしてきた会社です。中間決算で、グループ修正利益の予想と年164円の配当予想が保たれるかを見ます。
- 11月中旬の中間決算:グループ修正利益1,720億円と、年164円の配当予想が保たれるか
- 金利の上昇による解約の増え方と、ESR の動き
- T&Dフィナンシャル生命の売却で入るお金の使いみち(還元か投資か)
よくある質問
- T&Dホールディングスは減配したことがありますか?
- 確かめた2021年3月期以降、年間配当は毎期増えていて、減配はありません。決算上の純利益が赤字だった2023年3月期も、56円から62円に増配しました。将来を約束するものではありません。
- T&Dホールディングスの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 2027年3月期の予想は年164円(中間82円・期末82円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- T&Dフィナンシャル生命を売ると、配当は減りますか?
- 前期のグループ修正利益1,585億円のうち、T&Dフィナンシャル生命の分は約77億円です。売却の実行は2027年10月の予定で、今期の配当予想には響きません。その後の配当は、売ったお金の使いみちとあわせて見ていきます。
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配子出典
- T&Dホールディングス「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-08-07)・「2026年3月期 決算短信」(2026-05-15)・株主還元方針(会社のウェブサイト)
- PayPay「T&Dフィナンシャル生命保険株式会社の株式取得(子会社化)」(2026-06-04)
この記事は点検日(2026年10月21日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。