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配子- 2025年12月にウエルシアと経営統合し、日本最大のドラッグストアになった。今期の中間決算は営業利益が前年の約2倍で、稼ぐ力はむしろ大きくなっている
- ただし1株あたりの配当は統合の前より少ない。分割を調整すると年53.4円(2025年2月期)→49.7円(2026年2月期)→今期予想48円
- 会社は今期から累進配当(減らさない)と配当性向35%以上を掲げた。48円がこれからの下限になる。自己資本比率は約53%と厚い
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2024年5月期 | 2026年2月期 | 今期予想(2027年2月期) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆274億円 | 1兆4,505億円 | 2兆5,550億円 |
| 営業利益 | 472億円 | 630億円 | 994億円 |
| 純利益 | 217億円 | 427億円 | 415億円 |
| 営業キャッシュフロー | 520億円 | 846億円 | — |
決算期を5月から2月に変えたため、間の2025年2月期は9か月の変則決算です(表から外しました)。2026年2月期はウエルシアを12月から連結しています。
ツルハは2025年12月1日に、イオングループのウエルシアホールディングスと経営統合しました。ツルハはイオンの子会社(議決権の50.3%)になり、国内の店は約5,650店(うち調剤を扱う店が約3,340店)。売上2.6兆円規模の、日本でいちばん大きなドラッグストアのグループです。
利益の柱は、利益率の高い調剤と医薬品・化粧品。食品や日用品は利益が薄いぶん、お客さんを呼ぶ役目です。今期はウエルシアが1年まるごと加わるので、売上は約1.8倍の予想です。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
10月7日に今期の中間決算(2026年3〜8月)が出ました。業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、大型の減損といった目立った悪材料はありませんでした。
逆風もあります。2026年度の薬価の引き下げで調剤の粗利が下がったことと、食品の安売りでお客さんは増えたものの利益率が下がったこと。統合で生まれたのれんの償却も、中間期だけで約110億円かかっています。
それを上回ったのが統合の効果です。仕入れの条件をそろえたり物流をまとめたりして、通期の計画150億円に対し、上期だけで85億円のコスト削減ができたそうです。その結果、中間期の営業利益は547億円(前年同期比+92.6%)、純利益は302億円(+48.5%)でした。
配子3. 金利の影響 ― 小さい
有利子負債は約1,403億円(2026年2月末)ありますが、本業で入ってくる現金(2026年2月期の営業キャッシュフロー約846億円)に比べて重くはありません。金利が少し上がっても、支払利息が配当を削るほどにはなりにくいです。
店のほとんどは借りている物件なので、世の中の金利が上がると、いずれ家賃の値上げとして返ってくるかもしれません。ただ、イオングループとして大家さんとの交渉力は強い立場です。
4. 為替の影響 ― 仕入れの値段として効く
売上はほとんど国内なので、為替が直接利益を動かすことはありません。効いてくるのは仕入れです。化粧品や日用品、食品は原料を輸入に頼るものが多く、円安になると仕入れが高くなります。店の値上げが追いつかないと、利益率が下がります。円高ならその逆です。
統合で仕入れの量は国内最大級になり、メーカーとの条件交渉で吸収しやすくなりました。配当を減らすほどの影響ではないと見ています。
5. 地政学の影響 ― 小さい
海外の店はタイなど36店だけで、売上のほとんどは日本です。海外の紛争で店が止まる心配はほぼありません。気になるのは、自社ブランド品や日用品の多くをアジアで作っていることで、海の物流が止まれば品切れや仕入れの値上がりが起きえます。ただ、これは日本の小売り全体に共通するリスクです。
ベア6. 決算見通し ― 中間期で純利益の7割
| 項目 | 今期(2027年2月期)の会社予想 | 中間期の実績(3〜8月) | 進み具合 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2兆5,550億円 | 1兆2,755億円 | 49.9% |
| 営業利益 | 994億円 | 547億円 | 55.0% |
| 純利益 | 415億円 | 302億円 | 72.7% |
半年で純利益の予想の7割を稼いでいます。今期の純利益が前期(427億円)より少し少ない予想なのは、のれんの償却が1年分かかるためで、本業が弱っているわけではありません。会社は10月の時点で予想を変えていません。
次の第3四半期の決算は、まだ日にちが出ていませんが、前の年は1月8日でした。2027年1月上旬になりそうです。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 今期から始まった中期経営計画(2027年2月期〜2029年2月期)で累進配当(配当を減らさず、維持か増配)と連結配当性向35%以上を掲げた |
|---|---|
| 配当の推移 | 分割を調整した1株あたりで、2022年5月期 33.4円 → 2023年5月期 52円 → 2024年5月期 53.4円 → 2025年2月期 53.4円 → 2026年2月期 49.7円(中間26.7円・期末23円)→ 今期予想 48円(中間24円・期末24円)。2025年9月1日に1株を5株に分割 |
| 配当性向 | 2026年2月期 34.4%。今期は予想の1株利益91.47円に対して約52%(のれんの償却で純利益が小さく見えるため高め) |
| 現金の流れ | 2026年2月期のフリーキャッシュフローは約648億円で、配当の支払い(約120億円)を大きく上回る。ただし今期の中間期は、統合にともなう買掛金の減少や法人税の支払いで、営業キャッシュフローが一時的にマイナス(約170億円)だった |
| 財務の余力 | 自己資本比率 53.1%(2026年2月末)→ 56.4%(8月末)。有利子負債 約1,403億円(2026年2月末) |
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ブル配子の判断:ホールドで安心か
- 1株あたりの配当は統合の前より少ない。分割を調整して年53.4円から今期予想48円へ。ここが「注意」にした理由
- その代わり「減らさない」約束ができた。今期から累進配当と配当性向35%以上を掲げ、48円が下限になった
- 稼ぐ力と財務は強い。統合の効果で中間期の営業利益は約2倍。自己資本比率は50%を超え、フリーキャッシュフローは配当の支払いを大きく上回る
累進配当は、最初の年がいちばん試されるときです。のれんの償却で純利益が小さく見えるぶん、配当性向は約52%と高めになっています。統合の効果が下期も続いて、48円が守られ、来期に増配が見えてきたら「安心」に戻すつもりです。
- 2027年1月上旬の第3四半期決算:純利益の進み具合と、年48円の予想が変わらないか
- 統合の効果(通期の計画150億円)が下期も積み上がるか。食品の安売りで下がった利益率が戻るか
- 中間期にマイナスだった営業キャッシュフローが、通期で戻るか
よくある質問
- ツルハは減配したのですか?
- 株式分割を調整した1株あたりの年間配当は、2025年2月期の53.4円から、2026年2月期は49.7円、2027年2月期の予想は48円で、統合の前より少なくなっています。ウエルシアとの経営統合で株数が増えた時期にあたります。会社は2027年2月期から累進配当(減らさない)と配当性向35%以上を掲げました。将来を約束するものではありません。
- ツルハの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 2027年2月期の予想は年48円(中間24円・期末24円)です。決算期が2月なので、権利確定は8月末(中間)と2月末(期末)です。
- 株式分割で配当はどう変わりましたか?
- 2025年9月1日に1株を5株に分割したので、1株あたりの配当の数字は5分の1になりました。分割の前に1株持っていた人は、分割後は5株になり、受け取る配当の合計は分割だけでは変わりません。前の年と比べるときは、分割を調整した数字で比べる必要があります。
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配子出典
- ツルハホールディングス「2027年2月期 第2四半期(中間期)決算短信」(2026-10-07)・決算説明資料
- ツルハホールディングス「2026年2月期 決算短信」・中期経営計画(2027年2月期〜2029年2月期)
- IRBANK「ツルハHD(3391)の業績」 https://irbank.net/3391/results ・「財務」 https://irbank.net/3391/bs ・「配当」 https://irbank.net/3391/dividend
この記事は点検日(2026年10月19日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。