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配子- 今期の配当予想は年158円(中間79円・期末79円)で、前期147円から増配。会社は配当性向40%を目安にし、2031年度に向けて50%以上を目指している。2015年3月期から減配はない
- 今期の予想の配当性向は約45%で、方針の範囲。配当の総額(年120億円ほど)は、本業の営業キャッシュフロー(前期247億円)でまかなえる
- ただ、中国や工場への投資で、フリーキャッシュフローは前期256億円のマイナス、借入は約703億円→1,352億円に増え、自己資本比率は64.7%→54.3%に下がった。投資が実を結ぶかは見ていく
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 今期予想 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,508億円 | 1,811億円 | 1,926億円 | 2,136億円 |
| 営業利益 | 200億円 | 401億円 | 352億円 | 375億円 |
| 純利益 | 167億円 | 324億円 | 281億円 | 262億円 |
| 営業キャッシュフロー | 56億円 | 338億円 | 247億円 | — |
| 自己資本比率 | 63.2% | 64.7% | 54.3% | — |
ツムラは、医療用の漢方薬で国内の大半を占める会社です。薬の値段(薬価)の改定で利益が大きく動く面がありますが、漢方の処方は増えていて、売上はこの3年で約1.3倍になりました。中国では、漢方の原料(生薬)の調達や、現地での漢方の事業も広げています。
今期は売上2,136億円(+10.9%)、営業利益375億円(+6.5%)の予想です。会社は長期経営ビジョン「Cho-WA 2031」のもと、2027年度に営業利益460億円・ROE9%を目指しています。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月下旬から10月20日までに、業績の下方修正、減配の示唆、大きな減損、品質の問題といった目立った悪材料は見当たりませんでした。
8月の第1四半期決算では、通期の予想と年158円の配当予想を据え置いています。会社は、中国で病院の受診を控える動きで市場が小さくなっていて、中国の売上の計画は達成が難しくなったと説明しています。
3. 金利の影響 ― 借入が増えた
有利子負債は2025年3月期の約703億円から2026年3月期は約1,352億円に増えました。中国の事業や工場への投資のためです。日銀の利上げが進めば利息の負担は増えますが、現金は783億円あり、自己資本比率も54.3%あるので、金利だけで配当が削られる重さではないと見ています。
4. 為替の影響 ― 円安は原料高
ツムラは漢方の原料の多くを中国から買っています。円安になると原料が高くなり、利益を削ります。第1四半期は売上原価率が54.5%と前の年より2.1ポイント上がり、そのうち約1.5ポイントは為替の影響と会社は説明しています。一方で、営業外では為替差益(21億円)が出ています。
5. 地政学の影響 ― 中国
原料の多くを中国から調達し、中国でも事業を広げているので、日中関係や中国の景気の影響を受けます。原料が手に入りにくくなったり高くなったりすれば、利益が削られます。いちばん見ておきたいリスクです。
ベア6. 決算見通し ― 営業利益はやや遅れ気味
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想 | 第1四半期の実績(4〜6月) | 進み具合(例年) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,136億円 | 497億円(+15.3%) | 23.3%(23〜25%) |
| 営業利益 | 375億円 | 78.8億円(+2.1%) | 21.0%(23〜29%) |
| 純利益 | 262億円 | 64.6億円(+47.9%) | 24.6%(20〜38%) |
純利益は為替差益で大きく増えましたが、本業の営業利益の進み具合は例年をやや下回っています。売上原価率の上昇が響いています。次は11月の中間決算です。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 配当性向40%を目安とし、2031年度に向けて50%以上を目指す |
|---|---|
| 配当の推移 | 2015年3月期〜2023年3月期 64円(9年続けて同じ)→ 2024年3月期 85円 → 2025年3月期 136円 → 2026年3月期 147円 → 今期予想 158円(中間79円・期末79円)。2015年3月期から減配はない |
| 配当性向 | 2025年3月期 31.8% → 2026年3月期 39.4%。今期は予想の1株利益351.46円に対して約45% |
| 現金の流れ | 2026年3月期の営業キャッシュフローは247億円、投資が503億円で、フリーキャッシュフローは256億円のマイナス。2024年3月期もマイナス(−137億円) |
| 財務の余力 | 自己資本比率 54.3%・現金 783億円・有利子負債 1,352億円(2026年3月末) |
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ブル配子の判断:ホールドで安心か
- 配当性向に余裕がある。今期の予想で約45%、方針は40%目安から50%以上へ。今期も147円→158円の増配予想
- 減配の前歴がない。2015年3月期から減配なし。64円を9年守り、そのあと3年で158円まで増やした
- ただし投資の時期。フリーキャッシュフローはマイナスで、借入が増え、自己資本比率は下がった。第1四半期の営業利益の進み具合もやや遅い。中国の事業と原料の値段は見ていく
ツムラは、漢方という景気に左右されにくい事業を持ち、配当の方針も株主に手厚くなっています。今は中国などへの大きな投資の時期で、現金の流れはマイナスです。中間決算で、利益の予想と158円の配当予想が保たれるか、投資と借入の動きを見ます。
- 11月の中間決算:営業利益375億円と、年158円の配当予想が保たれるか
- 原料の値上がりと円安で、売上原価率がさらに上がっていないか
- 中国の事業の売上と、借入・フリーキャッシュフローの動き
よくある質問
- ツムラは減配したことがありますか?
- 2015年3月期以降、年間配当が前の期を下回ったことはありません。2023年3月期まで64円で据え置き、その後は85円、136円、147円と増やし、2027年3月期は158円の予想です。将来を約束するものではありません。
- ツムラの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 2027年3月期の予想は年158円(中間79円・期末79円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- なぜ急に増配しているのですか?
- 会社は配当性向40%を目安とし、2031年度に向けて50%以上を目指す方針を示しています。利益が増えたことに加えて、配当に回す割合も引き上げているためです。
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配子出典
- ツムラ「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-08-06)・2026年3月期 決算短信(2026-05-13)
- ツムラ 長期経営ビジョン「TSUMURA VISION “Cho-WA” 2031」・第2期中期経営計画
- IRBANK「ツムラ(4540)の業績」 https://irbank.net/4540/results ・「四半期」 https://irbank.net/4540/quarter ・「配当」 https://irbank.net/4540/dividend
この記事は点検日(2026年10月20日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。