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配子- 今期の配当予想は年70円(中間35円・期末35円)で、前期53円から増配。8月に配当の決め方を変え、2030年まで累進配当(減らさない)、純資産配当率(DOE)3〜5%を目安にした
- 配当性向は約76%と高いが、配当は単年の利益ではなく純資産で決まる。自己資本比率は90.3%(2025年12月末)で、借入はほぼない
- 営業利益は今期も増益の予想(265億円)。上期で通期予想の約50%まで進んだ。純利益が減るのは、前期の為替差益がなくなる分などによる
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 今期予想(8月修正後) |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,787億円 | 1,962億円 | 2,004億円 | 2,250億円 |
| 営業利益 | 155億円 | 216億円 | 255億円 | 265億円 |
| 純利益 | 194億円 | 128億円 | 263億円 | 222億円 |
| 営業キャッシュフロー | 317億円 | 401億円 | 354億円 | — |
| 自己資本比率 | 90.6% | 90.0% | 90.3% | — |
マブチモーターは、小型のモーターをつくる世界の大手です。売上の大半は車のパワーウインドウ、シート、電動パーキングブレーキなどに使う自動車向けで、残りが家電や工具などのライフ・インダストリー向けです。上期(1〜6月)は、自動車向けが820億円(+11.8%)、ライフ・インダストリー向けが243億円(+13.2%)と、どちらも2けたの増収でした。
今年は買収で事業を広げています。1月に精密モーターの日本パルスモーターを完全子会社にし、6月にはどら焼き機などの食品機械をつくるマスダックを約156億円で買いました。車の景気の波に左右されにくい稼ぎが加わるのは、配当の原資にとってプラスです。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月下旬から10月20日までに、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、大きな訴訟といった目立った悪材料はありませんでした。
配当にとっての好材料は、自社株買いが終わったことです。2025年10月から上限190億円で進めていた自社株買いを、9月18日までに終えました。株の数が減ると、同じ配当の総額でも1株あたりの配当を出しやすくなります。会社は2026〜2030年の5年間で、配当と自社株買いを合わせた総還元性向100%を目安にしています。
3. 金利の影響 ― ほぼ無借金なので心配は小さい
マブチの有利子負債は13.2億円(2025年12月末)しかなく、現金は約1,399億円あります。マスダックの買収で6月末までに借入が少し増えましたが、それでも自己資本比率は84.1%です。上期に受け取った利息と配当は15億円あまりで、払った利息は1億円にも届きません。
金利が上がれば、払う利息より受け取る利息のほうが増えます。金利の上昇が配当を削るおそれは、ほとんどないと見ています。
4. 為替の影響 ― 利益は動くが、配当の決め方は利益に左右されにくい
マブチは海外で多く売っているので、円安なら利益が増え、円高なら減ります。上期は円安で為替差益が出て、経常利益は前年同期より63%も増えました。下期は1ドル155円の前提です。
大事なのは、配当の決め方が変わったことです。今は単年の利益ではなく、純資産(約3,400億円)に対して何%を配当にするか(DOE)で配当を決めます。円高で一年の利益が減っても、純資産はすぐには減らないので、配当は利益ほど揺れません。
ベア5. 地政学の影響 ― 資材の値上がりと関税
銅や鋼材などの値上がりや、研究開発・買収にともなう費用で、今期は約120億円のコストが増える見込みです。それでも会社は、値上げと付加価値の高いモーターの比率を上げることで、それを上回る増益の効果を出していると説明しています。
欧米の関税による自動車の生産の先行きや、中国の景気の鈍りは、会社も気にしている点です。ただ、生産を複数の国に分けているので、ひとつの国の問題で配当の原資が大きく削られるおそれは小さいと見ています。
6. 決算見通し ― 上期で半分
| 項目 | 今期(2026年12月期)の会社予想 | 上期の実績(1〜6月) | 進み具合 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,250億円 | 1,064億円(+12.1%) | 47.3% |
| 営業利益 | 265億円 | 131億円(+8.5%) | 49.6% |
| 純利益 | 222億円 | 127億円(+41.9%) | 57.2% |
8月14日に通期の純利益の予想を215億円から222億円に引き上げ、配当の予想も上げました。下期は為替を控えめに見ているので、上期で営業利益が約半分、純利益が6割近く進んだのは順調です。次の第3四半期決算の発表は2026年11月2日の予定です。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 2026年12月期から、純資産配当率(DOE)3.0〜5.0%を目安に配当を決める。2030年までは累進配当を基本とし、前期のROEが10%未満か前期末のPBRが1倍未満ならDOE5%を基準にする(2026年8月14日の発表。それまではDOE3.0〜4.0%) |
|---|---|
| 配当の推移 | 2回の株式分割(2024年1月・2026年1月にそれぞれ1株→2株)を調整した1株あたりで、2020年12月期 33.75円 → 2021年12月期 28.75円(減配)→ 2022年12月期 33.75円 → 2023年12月期 37.5円(記念配当3.75円を含む)→ 2024年12月期 38円 → 2025年12月期 53円 → 今期予想 70円(中間35円・期末35円) |
| 配当性向 | 2025年12月期 50%。今期は予想の1株利益92.2円に対して約76% |
| 現金の流れ | 2025年12月期の営業キャッシュフローは354億円、フリーキャッシュフローは248億円のプラス。上期は買収で約68億円のマイナスになったが、営業キャッシュフローは117億円のプラス |
| 財務の余力 | 自己資本比率 90.3%・有利子負債 13.2億円・現金 約1,399億円(2025年12月末) |
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ブル配子の判断:ホールドで安心か
- 減らさない約束がある。2030年まで累進配当、DOE3〜5%(条件によっては5%)で配当を決める。今期は53円→70円の増配予想
- 財務がとても厚い。自己資本比率は約90%、借入はほぼなく、現金は約1,400億円。配当性向76%でも払う力は十分
- 本業は増益。値上げで資材のコスト増を吸収し、営業利益は今期も増える予想。上期で通期の約半分まで進んだ
マブチは、配当の決め方を「利益の何割」から「純資産の何%」に変え、2030年まで減らさないと決めた会社です。配当性向の高さは、財務の厚さで支えられています。第3四半期決算で、円高で利益がぶれていないか、新しく買った会社が順調かを見ます。
- 2026年11月2日の第3四半期決算:年70円の配当予想と、2030年までの累進配当の方針が変わっていないか
- 営業利益265億円の予想が保たれるか(資材のコスト増を値上げで吸収できているか)
- マスダックなど買った会社の売上・利益が順調に加わっているか
よくある質問
- マブチモーターは減配したことがありますか?
- はい。株式分割を調整した1株あたりで、2021年12月期に33.75円から28.75円に減りました。当時は利益の一定割合を配当にする方針でした。2026年8月に、2030年までは累進配当を基本とする方針に変えています。将来を約束するものではありません。
- マブチモーターの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 2026年12月期の予想は年70円(中間35円・期末35円)です。権利確定は6月末(中間)と12月末(期末)です。
- DOE(純資産配当率)とは何ですか?
- 会社の純資産(株主のもの)に対して、1年に何%を配当にするかの割合です。その年の利益で決める配当性向と比べて、利益が増えたり減ったりしても配当が揺れにくいのが特徴です。マブチは3.0〜5.0%を目安にしています。
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配子出典
- マブチモーター「2026年12月期 第2四半期決算短信」(2026-08-14)・配当金算定基準の変更に関する開示(2026-08-14)・自己株式の取得状況の開示
- IRBANK「マブチモーター(6592)の業績」 https://irbank.net/6592/results ・「四半期」 https://irbank.net/6592/quarter ・「配当」 https://irbank.net/6592/dividend
この記事は点検日(2026年10月20日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。