保有銘柄の月次点検(配当目線)

【2026年10月点検】テイ・エス テック(7313)はホールドで大丈夫?配当目線でDOE3.5%・配当性向149%・中国の赤字をチェック

点検日 2026/10/20(火)   輸送用機器   配子(はいこ)
配子配子
こんにちは、配子です。今日はテイ・エス テックを点検します。ホンダの車やバイクのシートをつくっている会社ですね。わたしは10株を持っていて、夫は持っていない、わたしだけの銘柄です。見るのは「この配当、これからも続くのかしら」だけです。
ブルブル
配子さん、ここは毎年増配だぜ! 今期も90円から92円に増やす予想なんだ!
ベアベア
ちょっと待って…。前の期の1株利益は60円なのに、配当は90円。もうけより多く配ってるの。配当性向は149%だよ!
ブルブル
そこは現金が900億円以上ある会社だぜ! 自己資本比率も73%だ!
配子配子
もうけより多い配当が、いつまで続けられるのか。今日はそこがいちばん大事ですね。結論は先に書いておきます。
判定:注意しながらホールド 2026年10月の点検
  • 今期の配当予想は年92円(前期90円)。会社は「業績に左右されない、継続的かつ安定的な還元」を掲げ、配当の目安を純資産配当率(DOE)3.5%以上にしている。分割を調整すると2015年3月期から減配はない
  • ただ、稼ぐ力が落ちている。営業利益は3年で175億円→103億円。配当性向は4期のうち3期で100%超(前期149%)、今期の予想でも約134%
  • フリーキャッシュフローは2期続けてマイナスで、配当は手元の現金(926億円・3月末)を取り崩して払っている。すぐに尽きる量ではないが、利益が戻らなければ、いつかは無理が出る
保有株数
10株
取得単価
1,818円
年間配当(予想)
920円
取得単価に対する利回り
5.06%
参考:評価額 17,705円・含み損益 −475円(判定には使っていません)。保有データは /haiko と同じで、毎営業日自動で更新されます。

ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。

1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか

項目2024年3月期2025年3月期2026年3月期今期予想
売上収益4,417億円4,605億円4,423億円4,400億円
営業利益175億円164億円103億円130億円
純利益102億円86億円71億円80億円
営業キャッシュフロー377億円287億円226億円—
自己資本比率73.3%70.8%73.3%—

テイ・エス テックは、ホンダをいちばんのお客さんとする、車のシートやドアの内装、バイクのシートの会社です。売上の約6割はアメリカ大陸で、海外が8割ほどを占めます。

前期(2026年3月期)の営業利益は103億円で、営業利益率は2.3%まで下がりました。アメリカでの費用の増加と、中国でホンダの車が売れずに生産が減ったことが響いています。今期は原価を下げて、営業利益130億円への回復を見込んでいます。

ベアベア
中国でホンダの車が売れないと、シートも売れない。お客さんが1社に偏っているのが弱いところだね…。

2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?

9月下旬から10月20日までに、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、大きな訴訟といった目立った悪材料はありませんでした。

中間配当(1株46円)は、予定どおり9月末の権利確定を迎えました。支払いは11月下旬からの予定です。株主優待の案内も届きはじめていて、株主への還元は予定どおり続いています。

3. 金利の影響 ― 借入はほぼない

テイ・エス テックは、現金が926億円(2026年3月末)あり、借入はほとんどありません。日銀の利上げで利息の負担が増えて配当を削る、という心配はまずありません。

影響が大きいのはアメリカの金利です。アメリカで金利が下がって車のローンが組みやすくなれば、ホンダの車が売れて、シートの注文も増えます。金利が高いままだと、いちばん大きいアメリカの事業の利益が伸びにくくなります。

4. 為替の影響 ― 円安が支えている

海外の売上が8割なので、円安なら利益が増え、円高なら減ります。第1四半期(4〜6月)は1ドル159.6円と、前の年の同じ時期(144.6円)より円安で、売上を押し上げました。

配当の目安のDOE(純資産に対して何%を配当にするか)は、純資産で決まります。海外の子会社の純資産は円に直して数えるので、大きな円高になると純資産も減ります。円高は、利益と配当の目安の両方を小さくする点に気をつけておきます。

ブルブル
今は円安が味方してるんだ。第1四半期の純利益は前の年の約2.7倍だぜ!

5. 地政学の影響 ― 中国がいちばんの心配

中国では、現地のメーカーの電気自動車が安さで売れ、日本の車のシェアが落ちています。第1四半期、テイ・エス テックの中国の事業は、ホンダの減産で営業赤字になりました。

中国の不振が長く続くと、工場などの設備の価値を下げる「減損」が必要になるおそれがあります。大きな減損が出れば、その年は赤字になり、配当の目安になる純資産も減ります。配当を考えるうえで、いちばん見ておきたいリスクです。

6. 決算見通し ― 第1四半期は2割

項目今期(2027年3月期)の会社予想第1四半期の実績(4〜6月)進み具合
売上収益4,400億円1,128億円(+9.9%)25.6%
営業利益130億円17.3億円(+14.2%)13.3%
純利益80億円16.0億円(+172%)20.0%

第1四半期の進み具合は、例年の範囲にはおさまっています。ただ、中国の赤字を考えると、通期の予想どおりにいくかはまだ分かりません。次の中間決算の発表は2026年11月13日の予定です。

7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事

配当方針「業績に左右されない、継続的かつ安定的な還元の実施」を基本方針とし、目標はDOE3.5%以上(第16次中期経営計画)。2024年10月に、総還元性向35%の目安からDOEを目安にする方針へ変えた
配当の推移分割(2021年4月に1株→2株)を調整した1株あたりで、2021年3月期 45円(記念配当2円を含む)→ 2022年3月期 54円 → 2023年3月期 63円 → 2024年3月期 73円 → 2025年3月期 83円 → 2026年3月期 90円 → 今期予想 92円(中間46円・期末46円)。2015年3月期から減配はない
配当性向2023年3月期 152.4% → 2024年3月期 91.1% → 2025年3月期 117.4% → 2026年3月期 149.1%。今期は予想の1株利益68.5円に対して約134%
現金の流れフリーキャッシュフローは2025年3月期 約72億円のマイナス、2026年3月期 約11億円のマイナス。配当の支払いは年100億円あまりで、現金は3年で1,508億円→926億円に減った
財務の余力自己資本比率 73.3%・現金 926億円・借入はほぼない(2026年3月末)
ベアベア
貯金を取り崩して配当を払ってるってことだよね。このままだと、いつかは減配しちゃうんじゃないかな…。
配子配子
そうですね、利益だけでは配当が払えていないのは事実です。ただ、会社は利益ではなく純資産を基準に配当を出すと決めていて、現金も900億円以上あります。年100億円あまりの配当なら、すぐに尽きる量ではありません。わたしは「減配したら売る」と決めているので、今は持ちます。でも、利益が戻るかどうかは毎回しっかり見ます。
ブルブル
利益が戻れば、配当性向も自然に下がる。今期の営業利益130億円が最初の関門だな!

配子の判断:ホールドで安心か

注意しながらホールド(継続)
  1. 配当の約束と財務は強い。DOE3.5%以上を目安にし、分割を調整すると2015年3月期から減配なし。自己資本比率73%、借入はほぼない
  2. でも、利益より多く配っている。配当性向は前期149%、今期の予想も約134%。フリーキャッシュフローも2期続けてマイナスで、現金を取り崩している
  3. 中国が赤字になった。第1四半期は中国の事業が営業赤字。減損が出れば、配当の目安の純資産も減る。ここが「注意」にした理由

テイ・エス テックは、配当を大事にする会社ですが、今はそれを過去の貯えで支えている状態です。配当がすぐに減る心配は小さい一方、利益が戻らなければ、何年か先に無理が出ます。中間決算で、中国の赤字が小さくなっているか、利益の予想が保たれているかを見ます。

次の点検で見ること
  • 2026年11月13日の中間決算:営業利益130億円・純利益80億円の予想が保たれるか、年92円の配当予想が変わらないか
  • 中国の事業の赤字が小さくなっているか、減損の話が出ていないか
  • 株主還元の方針(DOE3.5%以上)の書き方が変わっていないか

よくある質問

テイ・エス テックは減配したことがありますか?
株式分割を調整した1株あたりの年間配当は、2015年3月期以降、前の期を下回ったことはありません。2021年4月に1株を2株に分けたため、配当の金額が見た目のうえで半分ほどになった年がありますが、減配ではありません。将来を約束するものではありません。
テイ・エス テックの配当はいつ、いくらもらえますか?
2027年3月期の予想は年92円(中間46円・期末46円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
配当性向が100%を超えていても大丈夫ですか?
その年の利益より多く配当を払っている状態なので、長く続けるには利益の回復が必要です。テイ・エス テックは利益ではなく純資産を基準(DOE3.5%以上)に配当を決めていて、自己資本比率は73.3%、現金は926億円(2026年3月末)あるため、すぐに払えなくなる状態ではありません。
ベアベア
今すぐ減る心配は小さい。でも、利益の回復と中国はちゃんと見ていこうね。
配子配子
はい。今月のテイ・エス テックは注意しながらホールド。11月13日の中間決算で、もう一度見ますね。

出典

  • テイ・エス テック「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-08-07)・「2026年3月期 決算短信」(2026-05-13)
  • テイ・エス テック「株主還元」(個人投資家の皆さまへ)・株主還元方針の変更に関する開示(2024-10)
  • IRBANK「テイ・エス テック(7313)の業績」 https://irbank.net/7313/results ・「四半期」 https://irbank.net/7313/quarter ・「配当」 https://irbank.net/7313/dividend

この記事は点検日(2026年10月20日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。

この点検について
毎月1回、配当目的で持っている銘柄に「配当を脅かすニュース」が出ていないかを確かめています。見るのは株価ではなく、配当が続くか・増えるか・減るか。
安心 配当は守られている
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要再考 減配のおそれ。保有を見直す
免責:当ページは運営者「株人(かぶと)」が保有銘柄を点検した記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。 点検日時点の情報にもとづきます。投資判断はご自身の責任で行ってください。