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株人- 8月5日に通期の純利益予想を865億円→700億円に下方修正(原材料・物流費の高騰)。それでも配当予想は年22円(前期18円)を据え置いた
- 配当の支払い(年約380億円)は、上半期だけのフリーキャッシュフロー(約445億円)で足りる。現金は約2,545億円
- 2026年からの新しい方針は総還元性向65%以上・DOE 4.5%超。純利益が減っても配当を決める物差しが変わらない作りだが、利益の回復は見ていく
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていく。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線だ。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 9,418億円 | 9,890億円 | 9,453億円 |
| 営業利益 | 1,280億円 | 1,385億円 | 1,089億円 |
| 純利益 | 861億円 | 818億円 | 652億円 |
| 営業キャッシュフロー | 1,624億円 | 1,371億円 | 1,315億円 |
| フリーキャッシュフロー | 949億円 | 633億円 | 728億円 |
純利益は2年続けて減り、2025年12月期は前の期より約2割少ない652億円だった。中国やインドネシアでの競争の激化と、一時的な費用が重なった。
それでも営業キャッシュフローは毎年1,300億円を超え、フリーキャッシュフローも毎年600億円以上ある。おむつや生理用品、ペットフードは毎日使う消耗品で、景気が悪くても買われ続ける。利益が落ちても、現金の稼ぎはそれほど落ちていない。
今期の上半期(1〜6月)は、売上が+4.9%の4,871億円、本業の稼ぎを示すコア営業利益は+14.1%の650億円と持ち直した。とくにペットケアは売上829億円・コア営業利益157億円(利益率約19%)と、北米を中心に伸びている。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月中旬から10月12日までの1か月には、新しい下方修正や不祥事といった目立った悪材料はなかった。9月30日に猫用のプレミアムなドライフード、10月1日に外出用のスリムな除菌ウェットティッシュ、10月2日に話しやすいマスクを発売するなど、新商品で単価を上げる動きが続いている。
ただし、2か月前の8月5日の下方修正は今月の点検でも外せない。次の章で詳しく見る。
3. 金利の影響 ― ほぼ心配ない
自己資本比率は65.0%(2025年12月期末)と厚く、6月末の現金及び現金同等物は約2,545億円ある。借入に頼る経営ではないので、日銀が利上げをしても、支払う利息の増加で配当の原資が削られることはほとんどない。
4. 為替の影響 ― 円高は利益を押し下げる
海外の売上が6割を超える。現地で作って現地で売るのが基本なので、輸出入の採算への影響は小さいが、海外の利益を円に直すときに、円高なら目減りし、円安なら膨らむ。
新しい配当方針は純資産を物差しにする DOE が中心なので(7章)、為替で1年の利益がぶれても、それだけで配当が減る作りにはなっていない。
5. 地政学の影響 ― 中東の物流と原材料が、下方修正の原因
ここが今期の利益を削っている部分だ。会社は、中東情勢の緊迫化による原材料や物流費の高騰を大きなリスクとしている。紙おむつや生理用品は石油からできる原料を多く使うので、原油や運ぶ費用が上がると、そのまま原価に響く。8月の下方修正の主な理由も、下半期の原材料・物流費の高騰だ。
中国の需要の回復の遅れも続いている。一方で、北米のペットケアやインドネシアの回復、中東・エジプトの事業が補っている。
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株人6. 決算見通し ― 8月に下方修正
| 今期(2026年12月期)の会社予想 | 修正前 | 修正後(8/5) | 上半期の実績(1〜6月) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | — | 1兆150億円 | 4,871億円(+4.9%) |
| コア営業利益 | 1,360億円 | 1,130億円 | 650億円(+14.1%) |
| 純利益 | 865億円 | 700億円(前期比+7.3%) | 410億円(−1.9%) |
| 1株配当 | 22円 | 22円(据え置き) | 中間11円 |
修正後でも純利益は前期より7.3%増える予想で、上半期で700億円の約59%まで来ている。ただ、修正後のコア営業利益1,130億円に対して上半期は650億円なので、下半期は480億円と、上半期より大きく落ちる計画だ。会社が下半期の費用の増加をそれだけ重く見ているということだ。
次の第3四半期の決算発表は2026年11月6日の予定だ。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 第13次中期経営計画(2026年から5年間)で、配当と自社株買いを合わせた総還元性向65%以上(以前は50%以上)、DOE(純資産に対する配当の割合)4.5%超を続けるとした |
|---|---|
| 配当の推移 | 2023年12月期 13.33円 → 2024年12月期 14.67円 → 2025年12月期 18円 → 今期予想 22円(中間11円・期末11円)。2025年1月に1株を3株に分割した後の値。IRBANK で確かめられる範囲で2015年12月期から11期連続の増配(会社や報道では25期連続とされる) |
| 配当性向 | 2024年12月期 31.6% → 2025年12月期 48.3%。今期は修正後の1株利益40.68円に対して約54% |
| 現金で払えているか | 2025年12月期のフリーキャッシュフロー約728億円。今期は上半期だけで営業キャッシュフロー約616億円・投資約170億円で、フリーキャッシュフロー約445億円。年間の配当(約380億円)を上回る |
| 財務の余力 | 自己資本比率 65.0%(2025年12月期末)。現金及び現金同等物 約2,545億円(2026年6月末) |
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株人株人の判断:ホールドで安心か
- 下方修正でも配当を守った。8月に純利益予想を865億円→700億円に下げたが、配当予想は年22円(前期18円)のまま。DOE 4.5%超という新しい方針に沿った判断だ
- 配当は現金で十分に払える。上半期だけのフリーキャッシュフロー約445億円が、年間の配当約380億円を上回る。毎日使う消耗品の会社で、現金の稼ぎは安定している
- 財務が厚い。自己資本比率65%、現金約2,545億円。借入に頼らない
正直に書いておくと、今期は8月に大きな下方修正があり、純利益は2年続けて減ったあとの回復が思ったより弱い。原材料と物流費の高騰がいつまで続くかも分からない。配当の安全には問題がないので「安心」にしたが、11月の決算でさらに予想が下がるようなら「注意」に下げる。
- 2026年11月6日の第3四半期決算:修正後の純利益700億円・コア営業利益1,130億円の予想と、年22円の配当予想が変わらないか
- 原材料・物流費の増加を、値上げや新商品でどこまで吸収できているか
- ペットケアと中国・インドネシアなど、地域ごとの回復の具合
よくある質問
- ユニ・チャームは減配の心配はありますか?
- 2026年10月時点では、減配の材料は見当たりません。8月に純利益予想を下方修正したあとも、年22円(前期18円)の配当予想を据え置きました。配当の支払いは上半期のフリーキャッシュフローだけで足りる規模で、2026年からはDOE 4.5%超を続ける方針です。将来を約束するものではありません。
- ユニ・チャームの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 今期(2026年12月期)の予想は年22円(中間11円・期末11円)です。12月決算なので、権利確定は6月末(中間)と12月末(期末)です。
- 下方修正したのに、なぜ配当は減らないのですか?
- ユニ・チャームは2026年からの中期計画で、1年の純利益ではなく純資産を物差しにするDOE(4.5%超)を配当の柱にしました。純資産は1年の利益の増減では大きく変わらないため、利益予想が下がっても配当を据え置く判断になっています。
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株人出典
- ユニ・チャーム「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕」・業績予想の修正・決算説明資料(2026-08-05)
- 株探ニュース(2026-08-05・通期予想の下方修正) https://s.kabutan.jp/news/k202608050173/
- ユニ・チャーム「第13次中期経営計画」(2026-02-12)
- ユニ・チャーム ニュースリリース(2026年9〜10月) https://www.unicharm.co.jp/ja/company/news/2026.html
- IRBANK「ユニ・チャーム(8113)の業績」 https://irbank.net/8113/results ・「配当」 https://irbank.net/8113/dividend
この記事は点検日(2026年10月12日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。