保有銘柄の月次点検(配当目線)

【2026年10月点検】東京センチュリー(8439)はホールドで大丈夫?配当目線で累進配当・ロシアの損失・金利をチェック

点検日 2026/10/15(木)   その他金融業   株人(かぶと)
株人株人
今月の点検、今日は東京センチュリーだ。パソコンや設備のリースから始まり、今は米国の子会社を通じた航空機のリースや、太陽光などのエネルギー事業まで手がける総合リース会社だ。10月に買い付けた、高配当つみたて50銘柄の新しい仲間だ。見るのはいつもどおり「この配当、これからも続くのか」だけだ。
ベアベア
株人さん、この会社は自己資本比率が15%しかなくて、借入が5兆円を超えてるよ。現金の流れも毎年のようにマイナスだし…。
ブルブル
リース会社は借りたお金で機械や飛行機を買って貸すのが商売だぜ! 前期は大きな減損を出しても過去最高益、配当は80円から90円だ!
ベアベア
数年前には、ロシアで飛行機が戻ってこなくなったんだよね…。
株人株人
そのときに配当がどうなったかが、今月いちばん大事な手がかりだ。順番に見ていこう。結論は先に書いておく。
判定:安心してホールド 2026年10月の点検
  • 今期の配当予想は年90円(前期80円から+10円)。累進配当(減らさない)を基本に、配当性向は35%程度を目安にする。IRBANK の2010年以降の記録に減配はない
  • ロシア関連の損失で純利益が48億円に落ちた2023年3月期も配当は据え置いた。前期はバイオマス発電の大きな減損を出しても純利益1,113億円で過去最高
  • 気になるのは、リース会社の性質上、借入が約5.3兆円と大きく、自己資本比率が約16%と低いこと。金利と資金を借りる力に業績が左右される
保有株数
0.388株
取得単価
2,577円
年間配当(予想)
35円
取得単価に対する利回り
3.49%
参考:評価額 986円・含み損益 −14円(判定には使っていません)。保有データは /dividend と同じで、毎営業日自動で更新されます。

ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていく。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線だ。

1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか

項目2024年3月期2025年3月期2026年3月期今期予想
売上高1兆3,461億円1兆3,686億円1兆4,576億円—
営業利益1,042億円1,171億円1,483億円—
純利益721億円853億円1,113億円1,230億円
1株利益(分割後)147.32円174.51円227.82円251.57円

柱は3つある。国内のリース、米国の子会社ACGを通じた航空機リースなどの国際事業、再生可能エネルギーなどの環境・インフラ事業だ。前期はバイオマス混焼の発電事業で税引き後468億円の大きな減損を出した(1〜3月期は純利益が赤字)が、航空機や船舶の売却益などで補い、年間では過去最高益になった。

今期は純利益1,230億円(+10.5%)の予想で、新しい中期経営計画2030の初年度にあたる。

ブルブル
大きな減損を出しても最高益。稼ぐ場所が多いから、一つがこけても全体は崩れないぜ!

2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?

9月中旬から10月15日までを確かめたが、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、新たな大型の減損といった目立った悪材料はなかった。9月には、カーボンニュートラルに向けた中長期の目標を決め、福岡県で蓄電池つきの太陽光発電所の運転を始めている。配当を左右する大きさではない。

3. 金利の影響 ― いちばん効く要素

リース会社は、借りたお金で設備や飛行機を買い、貸し出してリース料を受け取る。リース料と借入の利息の差が稼ぎなので、金利は利益に直接効く。2026年6月末の有利子負債は約5兆3,464億円だ。

会社は、固定金利で貸す分は固定金利で借りるなど、貸し方と借り方の金利をそろえて管理しているので、利上げで今あるリースの利益がすぐ消えるわけではない。新しいリースは、上がった利息分をリース料に乗せる。急な利上げで価格への転嫁が遅れると、一時的に利ざやが縮むことはありうる。米国の航空機リースは、新しい飛行機が世界的に足りず貸し手が強い状況で、ドルの金利が高くてもリース料を上げやすい。

4. 為替の影響 ― 円高は利益を削る

米国の航空機リースなど海外の利益が大きいので、円高は利益を減らし、円安は増やす。中期経営計画の為替の前提は1ドル150円だ。円高で利益が目減りしても、会社は累進配当を基本にしているので、配当性向を一時的に上げる形で吸収できる範囲だ。

5. 地政学の影響 ― 実際に経験している

飛行機や船を世界に貸す会社にとって、地政学は最大のリスクだ。東京センチュリーは、ロシアのウクライナ侵攻で、ロシアの航空会社に貸していた機体が戻ってこなくなり、大きな損失を出した。2023年3月期の純利益は48億円まで落ちた。

それでも、その年の配当は前の年と同じ35.75円(分割後)に据え置いた。最悪の事態でも配当を減らさなかった実績がある。

ベアベア
利益がほとんどなくなった年も、配当は減らさなかったんだね。

6. 決算見通し ― 第1四半期は大幅な増益

項目今期(2027年3月期)の会社予想第1四半期の実績(4〜6月)
売上高—3,884億円(+11.7%)
営業利益—463億円(+31.1%)
経常利益—511億円(+36.9%)
純利益1,230億円351億円(+59.1%)

純利益の進捗は通期予想の約29%で、目安の25%を上回る。航空機や船舶の売却益、持分法の利益が伸びた。売却益は時期によって波があるので、四半期ごとの利益はぶれやすい。次の第2四半期(中間期)の決算発表は2026年11月上旬の予定だ。

7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事

配当方針累進配当を基本としつつ、利益の成長による増配を目指す。配当性向は35%程度(2026年5月に新しい中期経営計画で35%以上に引き上げたと報じられている)
配当の推移分割後で、2021年3月期 34.5円 → 2022年3月期 35.75円 → 2023年3月期 35.75円(据え置き)→ 2024年3月期 52円 → 2025年3月期 62円 → 2026年3月期 80円 → 今期予想 90円(中間45円・期末45円)。IRBANK の2010年以降の記録に減配はない(2024年1月1日に1株を4株に分割。分割を調整した値)
配当性向今期は予想の1株利益251.57円に対して約36%
現金の流れフリーキャッシュフローは年によって大きなマイナス(2026年3月期 約−1,389億円)。リース会社は貸し出す設備や飛行機を先に買うので、ふつうのこと。配当の支払い(約338億円)は、利益と借入でまかなっている
財務の余力自己資本比率 15.6%・有利子負債 約5兆3,464億円・現金 約2,786億円(2026年6月末)。リース会社としては標準的な水準
ベアベア
配当まで借入でまかなってるって聞くと、やっぱり不安だよ…。
株人株人
リース会社は、お金を借りて資産を買い、少しずつ回収するのが本業だ。現金の流れがマイナスなのは、将来のリース料を仕込んでいるからだ。大事なのは、利益が出続けていることと、お金を借りる力が保たれていることだ。そのうえで、ロシアの年も減らさなかった実績がある。ただ、資金を借りる環境が大きく悪くなれば影響は出るので、そこは見ておく。
ブルブル
最悪の年も配当を守り、最高益の年はしっかり増やす。頼もしいぜ!

株人の判断:ホールドで安心か

安心してホールド(継続)
  1. 減らさない約束と実績がある。累進配当を基本とし、ロシア関連の損失で利益が落ちた年も配当を据え置いた。2010年以降に減配はない
  2. 稼ぐ場所が多い。大きな減損を出した前期も過去最高益。今期も純利益1,230億円の予想で、第1四半期は+59%
  3. 配当性向は約36%。利益の6割以上を手元に残している

正直に書いておくと、東京センチュリーは借入が大きく、自己資本比率は約16%と低い。リース会社としてはふつうだが、金利の急上昇や資金を借りる環境の悪化、地政学の事件で利益が大きく揺れる業種だ。ロシアの件のように、実際に大きな損失も経験している。減配の心配はしていないが、利ざやと減損の有無は毎回確かめる。

次の点検で見ること
  • 2026年11月上旬の中間決算:中間配当45円の決議と年90円の予想。純利益が通期1,230億円に向けて進んでいるか
  • 新たな減損の有無(エネルギー事業・海外)
  • 金利の上昇がリースの利ざやにどう効いているか

よくある質問

東京センチュリーは減配の心配はありますか?
2026年10月時点では、減配の材料は見当たりません。累進配当を基本とし、今期は年90円(前期80円)の予想です。ロシア関連の損失で利益が大きく落ちた2023年3月期も配当を据え置き、IRBANK の2010年以降の記録に減配はありません。ただし借入が大きく、金利や地政学で利益が揺れやすい業種です。将来を約束するものではありません。
東京センチュリーの配当はいつ、いくらもらえますか?
今期(2027年3月期)の予想は年90円(中間45円・期末45円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
自己資本比率が15%台と低いのは危なくないですか?
リース会社は、借りたお金で設備や飛行機を買って貸し出すのが本業なので、借入が大きく自己資本比率が低いのがふつうです。大切なのは利益が出続けていることと、資金を借りる力が保たれていることです。
ベアベア
業種によって、見るべき物差しが違うんだね。
株人株人
そういうことだ。今月の東京センチュリーは安心してホールド。11月上旬の中間決算で、利益の進み具合と減損の有無をもう一度見る。

出典

  • 東京センチュリー「2027年3月期 第1四半期決算短信」・決算説明資料(2026-08)
  • 東京センチュリー「2026年3月期 決算短信」・中期経営計画2030(2026-05)・有価証券報告書の株主還元の方針
  • 東京センチュリー ニュースリリース(2026-09 カーボンニュートラルに向けた中長期目標、蓄電池併設の太陽光発電所の運転開始)
  • IRBANK「東京センチュリー(8439)の業績」 https://irbank.net/8439/results ・「財務」 https://irbank.net/8439/bs ・「配当」 https://irbank.net/8439/dividend

この記事は点検日(2026年10月15日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。

この点検について
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要再考 減配のおそれ。保有を見直す
免責:当ページは運営者「株人(かぶと)」が保有銘柄を点検した記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。 点検日時点の情報にもとづきます。投資判断はご自身の責任で行ってください。