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株人- 分配金は年2回(6月・12月)。直近1年は1口約5.05ドルで、10月13日の価格に対して約7.9%。ただ年ごとのぶれが大きく、2023年は1.19ドル、2025年は4.24ドルだった
- 上位には金の鉱山会社(約24%)と銀行(約21%)が並ぶ。いまの高い分配金は、金の値段が高いことに支えられている。金が下がれば、分配金は大きく減りうる
- 受け取る円の分配金は、ランド→ドル→円の2回の為替で上下する。米国の源泉税10%は、NISA では取り戻せない
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていく。全部「分配金が続くか・増えるか・減るか」の目線だ。
1. ETF の中身 ― 分配金の原資はどこから来るか
EZA は、米国の運用会社ブラックロックの ETF で、MSCI の南アフリカの指数に連動する。純資産は約4.7億ドル(10月14日時点)。経費率は年0.59%だ。分配金の原資は、組み入れている南アフリカの会社の配当だ。上位の銘柄はこうなっている。
| 順 | 銘柄 | 中身 | 比率 |
|---|---|---|---|
| 1 | AngloGold Ashanti | 金の鉱山 | 12.30% |
| 2 | Gold Fields | 金の鉱山 | 8.66% |
| 3 | Naspers | 投資会社(中国のテンセントの大株主) | 8.60% |
| 4 | FirstRand | 銀行 | 7.16% |
| 5 | Standard Bank | 銀行 | 6.36% |
| 6 | MTN Group | 携帯電話 | 4.73% |
| 7 | Capitec | 銀行 | 4.49% |
| 8 | Valterra Platinum | プラチナの鉱山 | 4.08% |
| 9 | Absa | 銀行 | 3.40% |
| 10 | Impala Platinum | プラチナの鉱山 | 3.03% |
上位10銘柄で約63%を占める。金の鉱山(Harmony を含む3社)で約24%、プラチナの鉱山2社で約7%、銀行4社で約21%だ。つまり分配金は、金・プラチナの値段と南アフリカの銀行の稼ぎの2つで大きく決まる。
ベア2. 直近1か月のニュース ― 分配金に響く悪材料は?
9月中旬から10月17日までを確かめたが、ETF の償還や併合、指数の変更といった話はなかった。組入上位の会社にも、減配の発表などの目立った悪材料はなかった。
気がかりは南アフリカの国の事情だ。国営の物流会社(トランスネット)の鉄道や港の不調で、鉱山会社が思うように輸出できないという声が続いている。電力会社(エスコム)の計画停電は以前より落ち着いたと伝えられているが、根本の解決には至っていない。一方で、南アフリカの国債の格付けには、引き上げを見込む動きが出ている。国の信用が上がれば、銀行にはプラスだ。
3. 金利の影響 ― 銀行には両面
南アフリカは物価を抑えるために金利が高い。銀行にとっては、貸出の金利が高いほど利ざやが広がり、利益と配当が増えやすい。実際、上位の銀行は最近の決算で増配している。ただ、金利の高い状態が長く続くと、住宅ローンや自動車ローンを返せない人が増え、銀行は貸し倒れに備えるお金を積み増す。そうなると配当の原資が削られる。
米国の金利が高いとドル高になりやすく、ドル建ての金の値段には重しになる。一方で、ドル高・ランド安は、ドルで売ってランドで費用を払う南アフリカの鉱山会社の利益を押し上げる。
4. 為替の影響 ― 2回かかる
- ランド→ドル:組入企業はランドで配当を払い、EZA はそれをドルにして分配する。ランド安・ドル高だと、会社が同じだけ配当してもドルの分配金は減る
- ドル→円:ドルの分配金を円で見ると、円安なら増え、円高なら減る
税金にも注意がいる。南アフリカの会社の配当には、ファンドの中で南アフリカの源泉税が引かれ、その後の金額が分配金になる。そのうえで、日本の保有者には米国で10%の源泉税がかかる。課税口座なら確定申告の外国税額控除で取り戻せるが、NISA では取り戻せない。BTI(英国の会社の ADR)と違って、手取りは表に出る分配金より1割少ない。
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株人5. 地政学・資源の影響 ― 金と中国
いちばん大きいのは金の値段だ。金の鉱山会社は、利益や現金の一定の割合を配当に回す方針の会社が多く、金が高ければ配当は大きく増え、下がれば大きく減る。プラチナは自動車の排ガスを浄化する部品に使われるので、世界の景気や電気自動車への移り変わりに左右される。
もう1つは中国だ。3位の Naspers は、子会社を通じて中国のテンセントの大株主で、その稼ぎはテンセントの業績と配当に左右される。中国は南アフリカの資源のお客さんでもあるので、中国の景気が悪くなれば鉱山会社にも響く。
6. 組入上位の会社の決算 ― 足元は好調
上位の会社の最近の決算は、金の値段の高さと高い金利を受けて好調だった。金の鉱山会社は現金の稼ぎが大きく増えて大幅に増配し、上位の銀行も最高益に近い利益で増配した。ただ、金の鉱山会社の配当は金の値段に合わせて動くので、今の増配がそのまま続くとは限らない。
次の分配は12月中旬に権利落ちの予定だ(2025年は12月16日、2024年は12月17日)。金の鉱山会社や Naspers の年後半の配当がここに入るので、12月の分配金がいちばん大きくなりやすい。
7. 分配金の持続性 ― ここがいちばん大事
| 年 | 6月 | 12月 | 年間(1口) |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 0.998ドル | 0.657ドル | 1.66ドル |
| 2023年 | 0.681ドル | 0.506ドル | 1.19ドル |
| 2024年 | 0.627ドル | 2.415ドル | 3.04ドル |
| 2025年 | 0.626ドル | 3.611ドル | 4.24ドル |
| 2026年 | 1.434ドル | (12月に決まる) | — |
見てのとおり、分配金は年によって3倍以上ぶれる。2023年から2025年に大きく増えたのは、金の値段が上がって金の鉱山会社の配当が増えたことが大きい。12月の分配金が特に大きくなったのは、そのためだ。
ETF なので、分配金がゼロになることは考えにくい。30社ほどの配当がまとめて入ってくるからだ。ただ、今の約7.9%は山に近いと私は見ている。金の値段が下がる、南アフリカの銀行の貸し倒れが増える、ランド安や円高が進む。どれか1つでも起きれば、分配金は2023年の水準(1ドル台)に戻ることもありうる。
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ブル株人の判断:ホールドで安心か
- 分配金は続くが、大きくぶれる。30社ほどの配当が原資なのでなくなることは考えにくいが、年1.19〜4.24ドルとぶれてきた
- 今は山に近い。直近1年の約7.9%は金の値段の高さに支えられている。金・プラチナ、南アフリカの銀行の貸し倒れ、中国の景気のどれかで大きく減りうる
- 手取りは目減りしやすい。ランド→ドル→円の2回の為替に加え、米国の源泉税10%は NISA で取り戻せない
安定した配当を積み上げる銘柄ではない。それでも私は、高い利回りと、これから伸びていくアフリカの成長に期待して、分配金のぶれは承知のうえでホールドを続ける。12月の分配金が去年の3.61ドルからどれくらい減るかで、今の分配金が山だったかがわかる。
- 2026年12月中旬の分配金(2025年12月は3.61ドル)
- 金・プラチナの値段と、金の鉱山会社の配当
- ランドと円の為替、南アフリカの国債の格付け
よくある質問
- EZA の分配金は減る心配はありますか?
- 2026年10月時点では、ETF の償還や組入上位の会社の減配といった材料は見当たりません。ただ EZA の分配金は年によって大きくぶれ、2023年は1口1.19ドル、2025年は4.24ドルでした。今の高い分配金は金の値段の高さに支えられていて、金が下がれば大きく減ることがあります。将来を約束するものではありません。
- EZA の分配金はいつ、いくらもらえますか?
- 分配は年2回で、6月中旬と12月中旬に権利落ちがあります。直近1年(2025年12月・2026年6月)は1口あたり合計約5.05ドルでした。12月の分配金のほうが大きくなりやすい傾向があります。
- NISA で EZA を持つと税金はかかりますか?
- 日本の税はかかりませんが、米国で10%の源泉税が差し引かれ、NISA ではこれを取り戻せません。また、組み入れている南アフリカの会社の配当には、ファンドの中で南アフリカの源泉税が引かれています。
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株人出典
- ブラックロック「iShares MSCI South Africa ETF(EZA)」 https://www.ishares.com/us/products/239658/ishares-msci-south-africa-etf
- EZA の分配金の履歴・組入銘柄(2026-10-14 更新) https://stockanalysis.com/etf/eza/dividend/ ・ https://stockanalysis.com/etf/eza/holdings/
この記事は点検日(2026年10月17日)時点の情報です。保有データは楽天証券の残高(2026年10月13日時点)にもとづきます。