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配子- 今期の配当予想は年210円(中間105円・期末105円)で、前期160円から50円の増配。会社は今の中期経営計画の期間、累進配当と配当性向40%以上を掲げている。併合を調整すると2015年3月期から減配はない
- 大きな増配でも、今期の予想の配当性向は約40%。第1四半期は営業利益が149億円(+83.1%)で、通期予想の41.5%まで進んだ
- 自己資本比率は52%。前期のフリーキャッシュフローは240億円で、配当(年130億円ほど)をまかなえる。ただし借入は5年で約1,193億円→2,136億円に増え、フリーキャッシュフローがマイナスの年も多い
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 今期予想 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,623億円 | 8,072億円 | 8,116億円 | 8,200億円 |
| 営業利益 | 326億円 | 401億円 | 329億円 | 360億円 |
| 純利益 | 232億円 | 253億円 | 310億円 | 315億円 |
| 営業キャッシュフロー | 619億円 | 413億円 | 501億円 | — |
| 自己資本比率 | 52.1% | 51.2% | 52.0% | — |
カネカは、塩ビや変成シリコーンなどの素材、医療機器やバイオ医薬品、コエンザイムQ10などの健康・食品、太陽電池や生分解性の樹脂(Green Planet)など、幅広い事業を持っています。昔は塩ビなどの汎用品に頼っていましたが、今は景気に左右されにくいヘルスケアや健康の事業が稼ぎを支えています。
前期(2026年3月期)は、原料の値上がりや素材の需要の弱さで営業利益が329億円に減りました。今期の第1四半期(4〜6月)は、売上2,230億円(+12.3%)、営業利益149億円(+83.1%)、純利益89億円(+109.8%)と大きく回復しています。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月下旬から10月20日までに、業績の下方修正、減配の示唆、大きな減損、不祥事といった目立った悪材料はありませんでした。
配当にとっての好材料は、値上げです。9月にイースト製品や、主力の還元型コエンザイムQ10のサプリメント「わたしのチカラ」の価格改定を発表しました。原料や物流のコストが上がるなかで値上げができるのは、利益を守る力です。また、5月から上限70億円の自社株買いを進めています。
3. 金利の影響 ― 借入が増えている
有利子負債は、2021年3月期の約1,193億円から2026年3月期は約2,136億円に増えました。設備への投資が続いたためです。日銀の利上げが進めば、利息の負担は増えます。
ただ、自己資本比率は52%あり、財務の土台はしっかりしています。金利だけで配当を削るほどの重さではないと見ています。
4. 為替の影響 ― 円安も円高も一長一短
円安なら、医療機器やコエンザイムQ10などの海外の稼ぎが円に直して増えます。円高なら、輸入する原料(ナフサや油脂)が安くなり、国内の素材や食品の事業にはプラスです。海外で作って海外で売る体制も進めていて、為替の影響はある程度打ち消し合います。
5. 地政学の影響 ― ナフサと中国の塩ビ
中東の情勢で、今年の春にナフサの値段が急に上がりました。また、中国で余った塩ビがアジアに安く流れ込み、塩ビの値段を押し下げています。原料は高く、製品は安い、という逆風が、素材の事業にかかっています。
それでも全体では、ヘルスケアや健康の事業が稼ぎを支えていて、第1四半期は全体で大きな増益でした。素材の事業の逆風が、配当の原資を大きく削るおそれは小さいと見ています。
ベア6. 決算見通し ― 第1四半期で4割
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想 | 第1四半期の実績(4〜6月) | 進み具合(例年) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 8,200億円 | 2,230億円(+12.3%) | 27.2%(24〜26%) |
| 営業利益 | 360億円 | 149億円(+83.1%) | 41.5%(20〜32%) |
| 純利益 | 315億円 | 89億円(+109.8%) | 28.4%(14〜38%) |
営業利益は3か月で通期予想の4割を超え、例年よりかなり速いペースです。会社は予想を据え置いていますが、控えめに見えます。次の中間決算の発表は2026年11月11日の予定です。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 今の中期経営計画の期間は累進配当(減らさず、維持か増配)、配当性向40%以上 |
|---|---|
| 配当の推移 | 併合(2018年10月に5株→1株)を調整した1株あたりで、2020年3月期 100円 → 2021年3月期 100円 → 2022年3月期 110円 → 2023年・2024年3月期 110円 → 2025年3月期 130円 → 2026年3月期 160円 → 今期予想 210円(中間105円・期末105円)。2015年3月期から減配はない |
| 配当性向 | 2026年3月期 31.9%。今期は予想の1株利益523.76円に対して約40% |
| 現金の流れ | 2026年3月期の営業キャッシュフローは501億円、フリーキャッシュフローは240億円のプラス。ただし2022・2023・2025年3月期はマイナスで、設備への投資が重い年がある |
| 財務の余力 | 自己資本比率 52.0%・現金 489億円・有利子負債 2,136億円(2026年3月末) |
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ブル配子の判断:ホールドで安心か
- 減らさない約束がある。累進配当と配当性向40%以上。今期は160円→210円の増配予想で、2015年3月期から減配はない
- 増配しても配当性向は約40%。第1四半期の営業利益は通期予想の4割を超え、今期の利益の見通しは保たれている
- 守りの強い事業がある。ヘルスケアや健康の事業が稼ぎを支え、値上げもできている。ただし借入は増えている
カネカは、汎用の素材の会社から、ヘルスケアや健康の事業で稼ぐ会社に変わってきました。累進配当の約束のもとで、利益の伸びに合わせて配当を増やしています。中間決算で、利益の予想と210円の配当予想が保たれるか、借入の増え方を見ます。
- 2026年11月11日の中間決算:営業利益360億円と、年210円の配当予想が保たれるか(上方修正があるか)
- コエンザイムQ10などの値上げが、売れ行きを落とさずに利益につながっているか
- 有利子負債とフリーキャッシュフローの動き
よくある質問
- カネカは減配したことがありますか?
- 株式併合を調整した1株あたりの年間配当は、2015年3月期以降、前の期を下回ったことはありません(据え置きの年はあります)。今の中期経営計画では累進配当を掲げています。将来を約束するものではありません。
- カネカの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 2027年3月期の予想は年210円(中間105円・期末105円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- なぜ50円も増配できるのですか?
- 今期の予想の1株利益は523.76円で、210円の配当でも配当性向は約40%です。会社は配当性向40%以上を方針にしていて、210円はその方針に合う水準です(前期の配当性向は31.9%)。
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配子出典
- カネカ「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-08)・2026年3月期 決算短信(2026-05-14)・価格改定のお知らせ(2026-09)・自己株式の取得に関する開示
- カネカ 中期経営計画(株主還元の方針)
- IRBANK「カネカ(4118)の業績」 https://irbank.net/4118/results ・「四半期」 https://irbank.net/4118/quarter ・「配当」 https://irbank.net/4118/dividend
この記事は点検日(2026年10月20日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。