株人
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ベア
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株人- 今期の配当予想は年125円(分割後。前期は分割後換算で115円)。配当性向は約46%で、会社の目安50%の内側
- 上半期は純利益+78.5%で、通期予想の約61%まで来た。工場の再編の費用がほぼ終わり、本来の稼ぎが利益に出てきた
- 上半期のフリーキャッシュフローは約2,215億円で、中間配当の支払い(約750億円)を大きく上回る。中東・関税のコストと在庫の増加は見ていく
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていく。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線だ。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 4兆3,138億円 | 4兆4,300億円 | 4兆4,294億円 |
| 営業利益 | 4,818億円 | 4,433億円 | 3,812億円 |
| 純利益 | 3,313億円 | 2,850億円 | 3,273億円 |
| 営業キャッシュフロー | 6,614億円 | 5,488億円 | 6,604億円 |
| フリーキャッシュフロー | 3,637億円 | 2,938億円 | 4,355億円 |
この3年、売上はほぼ横ばいで、営業利益は下がってきた。採算の悪い工場を閉じたり、事業を組み替えたりする再編の費用が重かったためだ。それでも営業キャッシュフローは毎年5,000億円を超え、フリーキャッシュフローも毎年3,000億円前後ある。
今期の上半期(1〜6月)は、その再編の費用が前年同期の702億円から110億円まで減った。売上収益は+9.7%の2兆3,217億円、本業の稼ぎを示す調整後営業利益は+19.7%の2,809億円、純利益は+78.5%の2,062億円だった。地域別では、いちばん大きい米州が売上1兆1,353億円、日本が調整後営業利益1,139億円(前年の138%)と伸びた。
ベア2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月中旬から10月12日までを確かめたが、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、大型の減損といった目立った悪材料はなかった。
好材料としては、9月24日にランボルギーニの新しいスーパーカーへの専用タイヤの納入、10月1日には電気自動車のレース「フォーミュラE」へのタイヤの単独供給を発表した。高級なタイヤのブランド力は、原料の値上がりを販売価格に反映しやすくし、利益率を守る力になる。
3. 金利の影響 ― 借入は増えたが、小さい
6月末の有利子負債は約8,998億円で、前年末の8,270億円から約728億円増えた。社債などで集めたお金を自社株買いに回しているためで、上半期の支払利息は110億円(前年同期91億円)に増えた。
それでも、上半期だけで営業キャッシュフローが3,418億円ある会社にとって、利息の増加は数十億円の規模だ。自己資本比率も64.1%(6月末)と厚い。日銀の利上げで配当の原資が大きく削られることはない。
4. 為替の影響 ― 円高は利益を押し下げる
売上の大部分を海外で稼ぐので、円安は利益を押し上げ、円高は押し下げる。今期の前提は1ドル150円だ。上半期は、調整後営業利益の前年からの増加463億円のうち、263億円が為替(円安)のおかげだった。
ブリヂストンは配当性向50%を目安にしているので、円高で利益が大きく減れば、増配のペースは落ちうる。ただ今は配当性向が約46%で目安の内側にあり、ふつうの為替の上下で減配に追い込まれることは考えにくい。
5. 地政学の影響 ― 中東と米国の関税は、はっきりした逆風
ここは今月いちばんの悪材料だ。中東情勢の悪化で船が遠回りし、運ぶ費用が増えている。会社は8月の決算説明で、中東によるコスト増を下半期だけで600億円強、年間で約700億円と見込んだ。さらに米国のタイヤの関税で、上半期だけで250億円の減益要因になった。
それでも会社は、高いタイヤの比率を上げることや値上げ、原価の削減を組み合わせて、通期の利益予想を変えていない。上半期にすでに通期の6割を稼いでいるので、下半期のコスト増を吸収する余地はある。
ベア
株人6. 決算見通し ― 上半期で通期の約6割
| 今期(2026年12月期)の会社予想 | 通期予想(据え置き) | 上半期の実績(1〜6月) | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 4兆5,000億円 | 2兆3,217億円(+9.7%) | 約52% |
| 調整後営業利益 | 5,150億円 | 2,809億円(+19.7%) | 約55% |
| 純利益 | 3,400億円 | 2,062億円(+78.5%) | 約61% |
上半期で純利益は通期予想の6割を超えた。下半期に中東のコストが重くなることを見込んでも、計画の達成は見えている。
ひとつ気になるのは在庫だ。6月末の棚卸資産は9,352億円で、前年末から498億円(約5.6%)増えた。うちタイヤそのものの在庫が406億円(約7.2%)増えている。北米などで売れ残りがたまっているなら、あとで値引きや評価損として利益を押し下げるおそれがある。次の第3四半期の決算発表は2026年11月12日の予定だ。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 連結配当性向50%を目安に、安定的かつ継続的な配当額の向上に努める。累進配当(減配しない)の約束はしていない |
|---|---|
| 配当の推移 | 2023年12月期 100円 → 2024年12月期 105円 → 2025年12月期 115円 → 今期予想 125円(中間60円・期末65円)。2026年1月に1株を2株に分割した後の値 |
| 減配の歴史 | 2020年12月期に減配(分割後換算で80円→55円。コロナで純利益が大きく減った年)。2021年から毎年増配で、今期で6期連続の予想 |
| 配当性向 | 2023年 41.3% → 2024年 50.5% → 2025年 46.7%。今期は予想の1株利益273.17円に対して約46% |
| 現金で払えているか | 2025年12月期のフリーキャッシュフロー4,355億円。今期の上半期だけでも営業キャッシュフロー3,418億円・設備投資1,298億円で、フリーキャッシュフローは約2,215億円。中間配当(1株60円で約750億円)の約3倍 |
| 株主への還元全体 | 2025年12月期は約3,000億円の自社株買いもあり、総還元性向は138.4% |
| 財務の余力 | 自己資本比率 63.7%(2025年12月期末)、64.1%(2026年6月末)。現金等 約7,138億円(2025年12月期末) |
ベア
株人
ブル株人の判断:ホールドで安心か
- 配当は現金で十分に払えている。上半期のフリーキャッシュフロー約2,215億円は、中間配当の約3倍。前期も4,355億円あった
- 配当性向に余裕がある。今期は約46%で、目安の50%の内側。上半期で通期の純利益予想の6割を稼ぎ、年125円の増配予想は据え置き
- 工場の再編の費用がほぼ終わった。重荷だった費用が702億円→110億円に減り、本来の稼ぐ力が利益に出はじめた
正直に書いておくと、気になる点は3つある。下半期の中東のコスト(年間で約700億円)と米国の関税、増えている在庫、そして2020年に減配した歴史だ。今の配当の余裕なら吸収できると見て「安心」にしたが、在庫が減らずに値引きや評価損が出はじめたら、判定を見直す。
- 2026年11月12日の第3四半期決算:純利益3,400億円の通期予想と、年125円の配当予想が変わらないか。9か月で純利益が通期の75%(約2,550億円)を超えているか
- タイヤの在庫(商品及び製品)が減りはじめたか
- 中東と関税のコストを、値上げと高いタイヤの拡販で吸収できているか
よくある質問
- ブリヂストンは減配の心配はありますか?
- 2026年10月時点では、減配の材料は見当たりません。今期の配当性向は約46%と会社の目安(50%)の内側で、上半期のフリーキャッシュフローは中間配当の約3倍あります。ただし累進配当の約束はなく、2020年にはコロナで減配した歴史があります。将来を約束するものではありません。
- ブリヂストンの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 今期(2026年12月期)の予想は年125円(中間60円・期末65円)です。12月決算なので、権利確定は6月末(中間)と12月末(期末)です。2026年1月に1株を2株に分割したので、分割前の配当とは単純に比べられません。
- 株式分割で配当は減ったのですか?
- 減っていません。2025年12月期の配当は分割前で年230円、分割後に直すと115円です。今期の125円は、分割前に直すと250円にあたる増配です。
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株人出典
- ブリヂストン「2026年12月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕」・決算説明資料(2026-08-07)
- ブリヂストン「2025年12月期 決算短信〔IFRS〕」・2026年業績予想(2026-02-16)
- ブリヂストン ニュースリリース(2026-09-24 ランボルギーニ向けタイヤ、2026-10-01 フォーミュラE)
- ブリヂストン 株主還元方針 https://www.bridgestone.co.jp/ir/
- IRBANK「ブリヂストン(5108)の業績」 https://irbank.net/5108/results ・「配当」 https://irbank.net/5108/dividend
この記事は点検日(2026年10月12日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。