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配子- 今期の配当予想は年210円(中間105円・期末105円)で、5期続けて同じ。会社は純資産配当率(DOE)3%程度を目安に安定配当を続ける方針で、最終赤字だった2022年・2024年12月期も210円を守った。併合を調整すると2014年12月期から減配はない
- 前期のフリーキャッシュフローは961億円で、配当(年450億円ほど)の約2倍。自己資本比率は50.3%
- 今期の純利益は770億円の予想で、配当性向は約58%。上期の営業利益の進み具合は例年よりやや遅い。会社は2027年以降の株主還元は業績の回復を見て見直すとしていて、増配はしばらく期待しにくい
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていきます。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線です。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 今期予想 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2兆192億円 | 2兆676億円 | 2兆588億円 | 2兆2,000億円 |
| 営業利益 | 1,288億円 | 1,258億円 | 1,275億円 | 1,500億円 |
| 純利益 | 658億円 | −940億円 | 692億円 | 770億円 |
| 営業キャッシュフロー | 2,125億円 | 2,848億円 | 2,745億円 | — |
| 自己資本比率 | 49.3% | 49.7% | 50.3% | — |
AGCは、建築や車のガラス、ディスプレイや半導体向けの電子材料、塩ビなどの化学品、医薬品の受託製造(ライフサイエンス)を持つ会社です。大きな減損を出した年があり、2022年と2024年12月期は最終赤字でした。それでも本業の営業キャッシュフローは毎年2,000億円を超えています。
今期の上期(1〜6月)は、売上1兆1,006億円(+10.6%)、営業利益646億円(+19.7%)、純利益355億円(+155.4%)でした。前の年の上期にあった大きな減損がなくなったことが効いています。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月下旬から10月20日までに、業績の下方修正、減配の示唆、大きな減損、不祥事といった目立った悪材料は見当たりませんでした。
8月の中間決算では、通期の予想(純利益770億円)と年210円の配当予想を据え置きました。
3. 金利の影響 ― 現金が減ってきている
手元の現金は2020年12月期の約2,361億円から、2025年12月期は約947億円に減りました。日銀の利上げが進めば借入の利息は増えますが、営業キャッシュフローが年2,700億円台あるので、金利だけで配当を削る重さではないと見ています。
4. 為替の影響 ― 円安はプラス
海外の売上が大きいので、円安なら利益が増え、円高なら減ります。大きな円高になれば利益の予想は下がりますが、配当はDOE(純資産に対する割合)を目安に決めているので、利益ほどは揺れにくい形です。
5. 地政学の影響 ― 中国のガラスと化学品
ガラスや塩ビは、中国の景気や、中国のメーカーの安い製品の影響を受けやすい事業です。また、ガラスを溶かすのに多くの燃料を使うので、中東の情勢でエネルギーが高くなると利益を削ります。
ベア6. 決算見通し ― 上期の営業利益はやや遅れ
| 項目 | 今期(2026年12月期)の会社予想 | 上期の実績(1〜6月) | 進み具合(例年) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2兆2,000億円 | 1兆1,006億円(+10.6%) | 50.0% |
| 営業利益 | 1,500億円 | 646億円(+19.7%) | 43.1%(45〜57%) |
| 純利益 | 770億円 | 355億円(+155.4%) | 46.1%(20〜62%) |
営業利益の進み具合は例年の下限をやや下回っています。次の第3四半期決算の発表は2026年11月5日の予定です。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | DOE3%程度を目安に安定配当を続ける。2027年以降の株主還元は、業績の回復の状況を見て必要に応じて見直す |
|---|---|
| 配当の推移 | 併合(2017年7月に5株→1株)を調整した1株あたりで、2019年12月期 120円 → 2020年12月期 120円 → 2021年12月期 210円 → 2022年〜2025年12月期 210円(赤字の2022年・2024年も同じ)→ 今期予想 210円(中間105円・期末105円)。2014年12月期から減配はない |
| 配当性向 | 2023年12月期 68.9% → 2024年12月期 赤字 → 2025年12月期 64.4%。今期は予想の純利益770億円で約58% |
| 現金の流れ | 2025年12月期の営業キャッシュフローは2,745億円、フリーキャッシュフローは961億円のプラス。フリーキャッシュフローは5期続けてプラス |
| 財務の余力 | 自己資本比率 50.3%・現金 947億円(2025年12月末) |
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ブル配子の判断:ホールドで安心か
- 赤字の年も配当を守った。DOE3%程度を目安に、2022年・2024年の最終赤字の年も210円を維持。2014年12月期から減配なし
- 現金で払えている。前期のフリーキャッシュフローは961億円で、配当の約2倍。5期続けてプラス
- ただ増配は期待しにくい。210円で5年据え置き。2027年以降の還元は見直すとしていて、上期の営業利益も例年よりやや遅い
AGCは、市況で利益が大きくぶれても、配当は動かさないことを示してきた会社です。11月5日の第3四半期決算で、利益の予想と210円の配当予想が保たれるか、株主還元の見直しの話が出ていないかを見ます。
- 2026年11月5日の第3四半期決算:純利益770億円と、年210円の配当予想が保たれるか
- 2027年以降の株主還元の見直しについての発表
- 営業利益の遅れが取り戻せているか(化学品・ガラスの市況)
よくある質問
- AGCは減配したことがありますか?
- 株式併合を調整した1株あたりの年間配当は、2014年12月期以降、前の期を下回ったことはありません。最終赤字だった2022年・2024年12月期も210円を維持しました。将来を約束するものではありません。
- AGCの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 2026年12月期の予想は年210円(中間105円・期末105円)です。権利確定は6月末(中間)と12月末(期末)です。
- 赤字の年でも配当を払えたのはなぜですか?
- 赤字は減損など帳簿の上の損失によるもので、本業の営業キャッシュフローは毎年2,000億円を超えていました。会社は利益ではなく純資産を目安(DOE3%程度)に配当を決めています。
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- AGC「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信」(2026-08-04)・2025年12月期 決算短信(2026-02-06)
- LIMO「AGC の中間決算と株主還元」
- IRBANK「AGC(5201)の業績」 https://irbank.net/5201/results ・「四半期」 https://irbank.net/5201/quarter ・「配当」 https://irbank.net/5201/dividend
この記事は点検日(2026年10月20日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。