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株人- 今期の配当予想は年123円(前期120円から+3円)。IRBANK の記録では2013年3月期から毎年増配で、減配はない
- 21兆円を超える保証の残高から、毎年の収益が積み上がる仕組み。営業利益率は約70%と高く、利益の振れが小さい
- 気になるのは、今期の配当性向が約50%まで上がり、これからの増配は利益の伸びしだいになること。金利の上昇で、ローンを返せない人が増えないかも見ていく
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていく。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線だ。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 今期予想 |
|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 516億円 | 570億円 | 587億円 | 606億円 |
| 営業利益 | 391億円 | 420億円 | 414億円 | 420億円 |
| 経常利益 | 416億円 | 445億円 | 466億円 | 472億円 |
| 1株利益 | 209.54円 | 236.54円 | 243.70円 | 246.12円 |
全国保証の収益は「保証している住宅ローンの残高×保証料率」でほぼ決まる。住宅ローンは20〜35年と長く、受け取った保証料は年月をかけて少しずつ収益になる。2026年3月末の保証の残高は約21.4兆円まで積み上がった。工場も在庫もいらないので、営業利益率は約70%ある。
新築の住宅が減るなか、銀行が自前で持っていた住宅ローンの保証を外に任せる動きを取り込み、残高を伸ばしている。前期は将来の貸し倒れへの備えや人件費が増えて営業利益は少し減ったが、資産の運用の収益が増え、経常利益は過去最高だった。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月中旬から10月14日までを確かめたが、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、行政処分といった目立った悪材料はなかった。9月17日に、会社のファンドを通じて不動産の業務システムの会社に出資した程度で、配当を左右する大きさではない。
3. 金利の影響 ― 運用はプラス、返済の滞りは注意
全国保証は、受け取った保証料をもとに大きな資金を債券などで運用している。日銀の利上げは運用の利回りを上げるので、利益にはプラスに働く。実際、第1四半期は運用の利回りが上がり、経常利益が7.9%増えた。
反対に心配なのは、変動金利で借りている人の返済が苦しくなり、全国保証が銀行に代わって返す(代位弁済)件数が増えることだ。ただ、多くの変動金利のローンには「5年間は返済額を変えない」「上げても前の1.25倍まで」という決まりがあり、影響はゆっくり表れる。代位弁済の割合は2026年3月末で0.09%と低く、会社も金利上昇の影響はまだ見られないとしている。
4. 為替の影響 ― ほぼない
事業は国内の住宅ローンの保証だけなので、為替が利益に直接響くことはほとんどない。円安で建築資材が高くなれば新築の住宅が減り、新しい保証の獲得が鈍ることはありうるが、すでに積み上がった残高からの収益は消えない。
5. 地政学の影響 ― ほぼない
海外の事業はない。世界の資材不足や資源高で住宅の値段が上がれば、新しい住宅ローンが減るという間接的な影響はある。ただ、21兆円の保証の残高から入る収益は続くので、配当の原資を削るほどではない。
ベア6. 決算見通し ― 第1四半期は増益
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想 | 第1四半期の実績(4〜6月) |
|---|---|---|
| 営業収益 | 606億円 | 118億円(+2.5%) |
| 営業利益 | 420億円 | 77億円(+0.2%) |
| 経常利益 | 472億円 | 93億円(+7.9%) |
| 純利益 | 327億円 | 66億円(+9.4%) |
通期予想に対する進捗は経常利益で約20%だが、全国保証は毎年1〜3月期に利益が多く出る(前期も通期466億円のうち206億円が1〜3月期)。例年どおりの進み方だ。次の第2四半期(中間期)の決算発表は2026年11月4日の予定だ。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 内部留保を確保しつつ、安定的・継続的に配当する。中期経営計画では株主還元の積極化(配当性向の引き上げ)を進めている。今期の予想配当性向は約50% |
|---|---|
| 配当の推移 | 2022年3月期 66.5円 → 2023年3月期 74円 → 2024年3月期 85円 → 2025年3月期 106円 → 2026年3月期 120円 → 今期予想 123円(中間50円・期末73円)。IRBANK の記録では2013年3月期から毎年増配で、減配はない(1株を2株に分割。分割を調整した値。2026年3月期から中間配当を始めた) |
| 配当性向 | 2025年3月期 44.8% → 今期予想 約50%。ここ数年は配当性向の引き上げで、利益より速く配当が増えてきた |
| 現金の流れ | 営業キャッシュフローは毎年300億円台(2026年3月期 約328億円)。受け取った保証料を債券などの運用に回すので、フリーキャッシュフローは年によってマイナスになる(2026年3月期 約−95億円)が、本業の現金が減っているわけではない |
| 財務の余力 | 自己資本比率 49.2%・有利子負債 300億円・現金 約693億円(2026年6月末)。ほかに多くの有価証券を運用している |
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株人
ブル株人の判断:ホールドで安心か
- 収益の土台が積み上がっている。約21.4兆円の保証の残高から、毎年の収益が入ってくる。営業利益率は約70%
- 増配の実績がある。2013年3月期から毎年増配で、減配はない。今期も+3円の123円の予想
- 金利上昇への備えがある。運用の利回りが上がって経常利益が伸びている。代位弁済の割合は0.09%と低い
正直に書いておくと、配当性向が約50%まで上がったので、これからの増配はここ数年よりゆっくりになる。金利の上昇で住宅ローンの返済が滞る人が増えれば、保証会社の費用は増える。減配の心配はしていないが、代位弁済の割合と利益の伸びは毎回確かめる。
- 2026年11月4日の中間決算:中間配当50円の決議と年123円の予想。純利益が通期327億円に向けて進んでいるか
- 代位弁済の割合(0.09%から上がっていないか)
- 保証の残高の伸びと、運用の利回り
よくある質問
- 全国保証は減配の心配はありますか?
- 2026年10月時点では、減配の材料は見当たりません。今期は年123円(前期120円)の予想で、IRBANK の記録では2013年3月期から毎年増配しています。ただし今期の配当性向は約50%まで上がっており、今後の増配は利益の伸びしだいです。将来を約束するものではありません。
- 全国保証の配当はいつ、いくらもらえますか?
- 今期(2027年3月期)の予想は年123円(中間50円・期末73円)です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。2026年3月期から中間配当が始まりました。
- 金利が上がると全国保証の業績はどうなりますか?
- 保有している債券などの運用の利回りが上がるので、利益にはプラスに働きます。一方、変動金利の住宅ローンの返済が苦しくなる人が増えると、保証会社が代わりに返す費用が増えます。今のところ代位弁済の割合は0.09%と低く、会社も金利上昇の影響はまだ見られないとしています。
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株人出典
- 全国保証「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026-08-05)
- 全国保証「2026年3月期 決算短信」・決算補足資料(2026-05-08)
- 全国保証 適時開示(2026-09-17 CVC ファンドによる出資)
- IRBANK「全国保証(7164)の業績」 https://irbank.net/7164/results ・「財務」 https://irbank.net/7164/bs ・「配当」 https://irbank.net/7164/dividend
この記事は点検日(2026年10月14日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。