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株人- 今期の配当は「利益の39%」か「前期と同じ156.10円」の高いほう。前期の金額が下限になる。予想は187.36円(中間107.27円)。IRBANK の2010年以降の記録に減配はない
- 前期の純利益は4,473億円で過去最高。今期は5,300億円の予想。第1四半期の大きな利益は、出資先のキオクシアの株の評価益によるもので、会社はこうした一時的な利益を配当の計算から除くとしている
- 気になるのは、評価益で利益が大きく揺れること、借入が大きいこと(自己資本比率は約26%)。航空機や空港など、地政学に左右される事業もある
ここからは、点検した7つの項目を順番に書いていく。全部「配当が続くか・増えるか・減るか」の目線だ。
1. 今の会社の状況 ― 配当の原資は稼げているか
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 今期予想 |
|---|---|---|---|---|
| 純利益 | 3,461億円 | 3,516億円 | 4,473億円 | 5,300億円 |
| 1株利益 | 298.55円 | 307.77円 | 400.36円 | 483.90円 |
| 営業キャッシュフロー | 1兆2,434億円 | 1兆3,001億円 | 1兆3,695億円 | — |
オリックスの稼ぎ方は、事業や会社に投資して育て、よいときに売って利益を出し、そのお金をまた次の投資に回すという循環だ。保険やリースのように毎年安定して入る収益と、投資先を売ったときの売却益の両方がある。前期の純利益は4,473億円(+27%)で過去最高だった。
今期も、オリックス銀行を大和証券グループに約3,700億円で売る(今期に約1,242億円の売却益の予定)など、資産の入れ替えが進んでいる。
ブル2. 直近1か月のニュース ― 配当に響く悪材料は?
9月中旬から10月15日までを確かめたが、業績の下方修正、減配の示唆、不祥事、大型の減損といった目立った悪材料はなかった。
今期は上限2,500億円の自社株買いを進めており、10月5日の開示では半分ほどまで進んでいる。株数が減れば、1株あたりの配当を増やしやすくなる。
3. 金利の影響 ― 管理されている
リースや融資のために大きく借りており、2026年6月末の長短の借入は約6兆3,432億円ある。日銀の利上げは調達のコストを押し上げる。ただ、貸し出す期間と借りる期間、固定と変動の金利をそろえて管理しており、新しい契約の利回りも上がるので、コストの上昇は吸収されやすい。金利の変動が大きく、預金を多く持つ銀行子会社を売ることで、国内の金利のリスクも小さくなる。
米国の金利は、米国での融資や企業への投資の売却のしやすさに効く。事業が多くの分野に分かれているので、金利で全社の利益が崩れる形にはなっていない。
4. 為替の影響 ― 円高は利益を削る
利益の多くを海外(米国、欧州、航空機リース)で稼ぐので、円高は利益を減らし、円安は増やす。ただ、海外の資産には原則としてその国の通貨で資金を借りているので、為替の影響はある程度打ち消される。配当には前期の156.10円という下限があるので、為替で配当が減ることは考えにくい。
5. 地政学の影響 ― 空港・ホテル・航空機
関西の空港の運営や国内のホテル・旅館は、訪日客に支えられている。東アジアで緊張が高まれば、旅行の需要が急に落ちるおそれがある。航空機リースも、紛争による空の制限や原油高で航空会社が苦しくなると影響を受ける。会社は今期の見通しに、一部の地域での緊張による旅行需要への影響をある程度織り込んでいる。
それでも、事業が多くの分野に分かれているので、一部が打撃を受けても他で補える。コロナで国境が閉じた2021年3月期も黒字を保ち、配当は76円から78円に増やした。
ベア6. 決算見通し ― 評価益で大きく増えた
| 項目 | 今期(2027年3月期)の会社予想 | 第1四半期の実績(4〜6月) |
|---|---|---|
| 営業収益 | — | 8,766億円(+17.4%) |
| 純利益 | 5,300億円 | 2,808億円(+161.8%) |
4〜6月の純利益は通期予想の53%に達した。最大の理由は、出資しているキオクシア(半導体メモリー)の株が大きく値上がりし、現金を伴わない評価益が出たことだ(税引前で約1,798億円)。キオクシアの株価しだいで利益は大きく上下するので、会社は通期予想を5,300億円のまま据え置いている。次の第2四半期(中間期)の決算発表は2026年11月9日の予定だ。
7. 配当の持続性 ― ここがいちばん大事
| 配当方針 | 今期の年間配当は、配当性向39%か前期と同じ156.10円の高いほう。第1四半期から、キオクシア株の売却益・評価益を除いた「調整後」の利益をもとに配当を計算する形にしたと報じられている |
|---|---|
| 配当の推移 | 2021年3月期 78円 → 2022年3月期 85.6円 → 2023年3月期 85.6円(据え置き)→ 2024年3月期 98.6円 → 2025年3月期 120.01円 → 2026年3月期 156.10円 → 今期予想 187.36円(中間107.27円)。IRBANK の2010年以降の記録に減配はない |
| 配当性向 | 2026年3月期 39.0% |
| 現金の流れ | 営業キャッシュフローは毎年1兆円を超える。2026年3月期は配当に約1,708億円、自社株買いに約1,500億円を使い、総還元性向は72.5%。資産の売却でも現金が入る |
| 財務の余力 | 自己資本比率 25.8%(2026年6月末)・現金 約1兆4,510億円(2026年3月末)。リースや保険を持つ金融の会社としては標準的な水準 |
ベア
株人
ブル株人の判断:ホールドで安心か
- 配当に下限がある。今期は前期の156.10円が下限で、利益が伸びればその39%まで増える。2010年以降に減配はない
- 一時的な利益で配当を膨らませない。評価益を除いた利益で配当を決めるので、翌年の反動が起きにくい
- 現金の稼ぎと資産の入れ替えが強い。営業キャッシュフローは年1兆円超、銀行の売却などでも現金が入る
正直に書いておくと、オリックスの利益は投資先の評価や売却のタイミングで大きく揺れる。借入も大きく、空港や航空機は地政学や景気の影響を受けやすい。下限の156.10円は「今期の」方針なので、来期以降も同じ形が続くかは確かめる必要がある。減配の心配はしていないが、配当方針の更新は毎回確かめる。
- 2026年11月9日の中間決算:中間配当107.27円の決議と、評価益を除いた利益の進み具合
- 2,500億円の自社株買いの進み具合
- 来期以降の配当方針(下限の考え方が続くか)
よくある質問
- オリックスは減配の心配はありますか?
- 2026年10月時点では、減配の材料は見当たりません。今期の配当は、配当性向39%か前期と同じ156.10円の高いほうとする方針で、予想は187.36円です。IRBANK の2010年以降の記録に減配はありません。ただし下限の方針は今期のもので、来期以降は改めて確認が必要です。将来を約束するものではありません。
- オリックスの配当はいつ、いくらもらえますか?
- 今期(2027年3月期)の予想は年187.36円で、中間配当は107.27円の予想です。権利確定は9月末(中間)と3月末(期末)です。
- キオクシアの評価益は配当に影響しますか?
- 第1四半期の大きな利益は、出資先のキオクシアの株の値上がりによる評価益でした。現金を伴わない一時的な利益なので、会社はこれを除いた調整後の利益をもとに配当を計算する形にしたと報じられています。評価益で配当が一時的に膨らみ、翌年に減る、ということが起きにくい仕組みです。
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株人出典
- オリックス「2027年3月期 第1四半期決算短信〔米国基準〕」(2026-08-04)
- オリックス「2026年3月期 決算短信」・配当予想(配当性向39%または156.10円の高いほう)(2026-05)
- オリックス・大和証券グループ本社 オリックス銀行の株式譲渡に関する発表(2026-04-27)・自己株式の取得状況に関するお知らせ(2026-10-05)
- IRBANK「オリックス(8591)の業績」 https://irbank.net/8591/results ・「財務」 https://irbank.net/8591/bs ・「配当」 https://irbank.net/8591/dividend
この記事は点検日(2026年10月16日)時点の情報です。数値は会社の開示資料にもとづきます。