高配当つみたての方針

高配当株50銘柄の毎月の買い方|定額をやめて「評価額をそろえる」買い方へ(上限と減配ルール付き)

公開日 2026/10/26(月)   株人(かぶと)
株人株人
今日は点検ではなく、お金の入れ方の話だ。高配当株50銘柄に、2027年から毎月17万5千円(1銘柄あたり平均3,500円)を入れる。その「配り方」を決めた。
ベアベア
配り方……? 50銘柄に3,500円ずつ、じゃないんですか?
ブルブル
下がった銘柄をドカンと買えばいいだろ! 安く買えるチャンスだぜ!
株人株人
2人の言うことが、ちょうど比べた2つの案だ。結論から書いておく。
私の結論:評価額をそろえる買い方(歯止め2つ付き) 2027年1月から
  • 毎月17万5千円を、評価額(株価×株数)が低い銘柄ほど多く買う。平均より上がった銘柄は、その月は買わない(売りはしない)
  • 歯止め1:1銘柄の月の上限は10,500円(平均3,500円の3倍)。毎月17銘柄以上に分かれる
  • 歯止め2:減配・無配を発表した銘柄は買わない。下がった理由が「配当が減るから」なら、安くなっても買い増さない

1. 今の買い方と、来年からの予算

今は楽天証券の「かぶピタッ」(金額を指定して買う)で、毎月3,200円×50銘柄=16万円を入れている(高配当つみたての明細)。2027年からは1銘柄平均3,500円×50銘柄=17万5千円に増やす。

50銘柄は、10月に加えた銘柄ほど持っている額が小さく、まだ買っていない銘柄もある。そこで2027年の初めに、50銘柄の評価額をいったん同じ額にそろえる。今年はNISAの年間の枠が残っていないからだ。この記事は、そろえたあとの毎月の配り方の話になる。

50銘柄は、よほどのことがない限り入れ替えない。売らずに、ずっと持つつもりだ(50銘柄にした理由)。

2. 比べた2つの買い方

案毎月の買い方値上がりした銘柄
A案(定額)50銘柄すべてに3,500円ずつ同じ3,500円を買う
B案(評価額をそろえる)評価額が低い銘柄ほど多く買い、全部が同じ額に近づくようにする平均より高くなっていれば0円

B案の例。3銘柄の評価額が 3,000円・3,500円・4,000円 で、この月に10,500円を入れるなら、4,000円・3,500円・3,000円 を買う。3銘柄とも7,000円にそろう。

ベアベア
じゃあ、1か月で大きく上がった銘柄は、自然に買わなくなるんですね。
株人株人
そうだ。ただし基準は「その銘柄がいくら上がったか」ではなく「50銘柄の平均より高いか」だ。全部が同じだけ上がった月は、A案と同じく全部に3,500円ずつになる。

3. 研究で分かっていること:差は小さい

B案は、売らずに新しいお金だけで「均等」に戻す、いわば買い付けだけのリバランスだ。均等に保つ持ち方については研究が多い。

研究分かったこと
Malladi & Fabozzi(2017)米国株で、銘柄を均等に持つ方法が、時価総額の大きさで持つ方法を上回った。理由の一部は、定期的に均等に戻すこと(上がったものを減らし、下がったものを増やす)
Maeso ほか(2025)均等に戻すことで上乗せされる分(リバランス・プレミアム)は、現実的な条件では年0.5%未満がふつう
Hayley(2010)「下がったら多く買う」バリュー平均法が有利に見えるのは、成績の測り方のくせによる部分がある

つまり、B案にしても大きく儲かるわけではない。私がB案を選ぶ理由は「儲かるから」ではなく、50銘柄を約2%ずつで持ち続けられるからだ。A案だと、何年かたつと値上がりした銘柄の割合がふくらみ、値下がりした銘柄はしぼむ。私が決めた「1銘柄3%まで」「1業種15%まで」のルールから、知らないうちに外れていく。

4. B案の落とし穴:減配する会社を買い増してしまう

ブルブル
下がった銘柄ほど利回りが上がるんだろ? 配当が目当てなら最高じゃねえか!
株人株人
そこが一番あぶない。株価が下がった理由が「これから配当が減るから」だったら、見かけの利回りはただの幻だ。

たとえば年5円の配当の株が、100円 → 80円 → 60円 → 40円と下がると、見かけの利回りは 5% → 6.25% → 8.3% → 12.5% と上がっていく。ところが市場が「配当は2円に減る」と見て売っていたのなら、40円で買った直後に利回りは5%に戻る。何もルールのないB案は、こういう銘柄に毎月一番多くお金を入れてしまう。

減配は珍しくない。日本の配当を出している会社を調べた研究(高瀬ほか、2026年)では、2021〜2023年の4,985社・年のうち567件、約11%が翌年に減配していた。私の50銘柄は減配の少ない会社を選んでいるのでこれより低いはずだが、ゼロではない。

5. 資産が大きくなると、B案は「一点買い」に変わる

もう一つの落とし穴は時間だ。毎月の17万5千円は変わらないが、持っている額は増えていく。すると、ほんの少し出遅れただけの銘柄に、月の予算が全部向かうようになる。

1銘柄の評価額50銘柄の合計月の予算÷合計予算が全部その銘柄に向かう出遅れ
30万円1,500万円1.17%約58%
50万円2,500万円0.70%35%
100万円5,000万円0.35%17.5%
200万円1億円0.175%約9%

1銘柄200万円になると、他より9%ほど下がっただけで、その月の17万5千円が全部その1銘柄に入る。これはもう「均等」ではなく、下がった銘柄への一点買いだ。だから1銘柄の月の上限を決める。

6. 私の買い方のルール

  1. 毎月17万5千円を、評価額が低い銘柄から順に配る(全部が同じ額に近づくように)。平均より高い銘柄はその月0円。売りはしない
  2. 1銘柄の月の上限は10,500円(平均3,500円の3倍)。上限に届いたら、次に低い銘柄へ回す。これで毎月かならず17銘柄以上に分かれる
  3. 減配・無配・配当予想の取り下げを発表した銘柄は、発表から12か月は買わない。12か月たっても、次の通期の配当予想が減っていないと確かめるまでは再開しない。持っている分は売らない
  4. 5年のうちに2回減配した銘柄は、ずっと買わない(持ち続けて、割合が自然に下がるのに任せる)
  5. 予想の配当利回りが10%を超えた・配当性向が100%を超えた銘柄は、いったん止めて中身を確かめる。高すぎる利回りは「安い」ではなく「危ない」の合図のことがある
  6. 減配かどうかは普通配当で比べる(記念配当・特別配当は入れない。株式分割は調整する)
  7. 値上がりしただけでは止めない。業績が伸びて配当も増えて上がった会社まで外したくない。上がりすぎた銘柄は、1のルールで自然に買わなくなる
  8. 毎月同じ日の終値で計算する。注文の直前に計算し直さない。かぶピタッは翌朝の寄付の値段で買えるので、ぴったり同じ額にはならないが、それでいい
  9. 減配が続いて買える銘柄が17より少なくなった月は、上限は破らず、余ったお金は翌月に回す
配子配子
下がったら買う、はわたしと同じですね♪ でも夫は、配当が減る会社は買わないって決めたんですね。
株人株人
「下がったから買う」ではなく、「配当が続くと確かめたうえで、下がったから買う」。この順番が一番大事だ。配当が続くかは、毎月の保有銘柄の点検で見ている。

7. 毎月の計算のしかた(表計算)

1行に1銘柄。次の列を作る。

列中身
株数・終値楽天証券の保有数と、決めた日の終値
評価額株数×終値
買える/買えない減配・無配で止めている銘柄は「買えない」(0)、ほかは1
買う額買える × MIN(10,500, MAX(0, 目標額 − 評価額))
注文額100円未満は0円(かぶピタッは100円以上、1円単位)

別のセルに目標額を1つ置き、表計算の「ゴールシーク」で買う額の合計がちょうど17万5千円になる目標額を求める。あとは注文額のとおりに、かぶピタッで注文するだけだ。コストは買付金額の0.22%なので、A案でもB案でも月約385円で変わらない。

小さな注意:かぶピタッは、寄付の値段に0.22%を足して1円未満を切り上げた値段で買う。株価が数百円の銘柄では、この切り上げの分だけコストが少し高くなる。

8. NISAの枠を使い切ったら

NISAの成長投資枠は年240万円、一生で1,200万円までだ。年210万円(17万5千円×12か月)で使っていくと、数年で一生の枠に届く。売らないので枠は戻らない。

枠を使い切ったら、特定口座で同じ買い方を続ける。かぶピタッはNISAの成長投資枠専用なので、特定口座では「かぶミニ」(1株から買える)を使う。金額ではなく1株単位になるので、計算した買う額を株価で割って株数にし(端数は切り捨て)、買えなかった分は翌月に回す。特定口座の配当には約20%の税金がかかる。

この決めごとを見直すとき

  • 上限10,500円でも、同じ数銘柄ばかりにお金が向かう月が続いたとき
  • 減配で止めている銘柄が増え、買える銘柄が17を下回る月が出てきたとき(銘柄の入れ替えを考える)
  • 楽天証券のかぶピタッ・かぶミニのコストやルールが変わったとき

よくある質問

高配当株の積み立ては、毎月同じ金額と、評価額をそろえるのとどちらがいいですか?
研究では、均等に戻す効果はあっても年0.5%未満と小さく、どちらが必ず儲かるとは言えません。私は、50銘柄を約2%ずつで持ち続けるために評価額をそろえる方にし、上限と減配のルールを付けました。手間をかけたくなければ、毎月同じ金額でも十分です。
値下がりした高配当株を買い増すのは危なくないですか?
下がった理由が「配当が減るから」なら危険です。見かけの利回りが上がっても、減配されれば元に戻ります。私は、減配・無配を発表した銘柄は12か月買わず、利回りが10%を超えた銘柄はいったん止めて確かめることにしています。
NISAの成長投資枠を使い切ったら、どうしますか?
特定口座で同じ計算を続けます。かぶピタッはNISA専用なので、1株から買える「かぶミニ」に替え、買えなかった端数の金額は翌月に回します。
ブルブル
ドカンと買うのは、配当が続くと分かってる銘柄だけ、ってことだな!
株人株人
そうだ。それも1か月に10,500円までだ。配当が続く50社を、毎月の信号で見守りながら、出遅れた順に少しずつ足していく。2027年1月から、この買い方の結果も毎月ここで見せていく。

出典

  • Malladi, R. & Fabozzi, F. J. "Equal-weighted strategy: Why it outperforms value-weighted strategies? Theory and evidence" Journal of Asset Management 18(2017) https://link.springer.com/article/10.1057/s41260-016-0033-4
  • Maeso, J.-M., Gadzinski, G., Martellini, L. & Milhau, V. "Numerical perspectives on the rebalancing premium" Quantitative Finance 25(12)(2025) https://ideas.repec.org/a/taf/quantf/v25y2025i12p2021-2034.html
  • Hayley, S. "Value Averaging and the Automated Bias of Performance Measures"(2010) https://openaccess.city.ac.uk/id/eprint/6298/
  • 高瀬蒼生・高野海斗・原田春貴・中川慧「配当政策テキストを用いた日本企業の減配リスク評価」人工知能学会 金融情報学研究会 SIG-FIN-037(2026) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaisigtwo/2026/FIN-037/2026_111/_pdf/-char/ja
  • 国税庁 No.1535「NISA制度」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1535.htm
  • 楽天証券「かぶピタッ(金額指定取引)」 https://www.rakuten-sec.co.jp/web/lp/fractional/ ・「約定の仕組み」 https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/fractional/rule/agreed/

この記事は2026年10月26日時点の情報です。特定の銘柄や買い方を勧めるものではありません。

この点検について
毎月1回、配当目的で持っている銘柄に「配当を脅かすニュース」が出ていないかを確かめています。見るのは株価ではなく、配当が続くか・増えるか・減るか。
◎ 安心 配当は守られ、増配も見込める
〇 大丈夫 配当は守れる見込み。気になる点を次の決算で見る
△ 様子見 配当が減るおそれ。買い増しはせず、代わりも探す
× 見直し 減配が決まった・ほぼ確実。売りも考える
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